ありがとうが爆発する夜
矢沢永吉バースデー記念
スペシャルイベントまでの日々。

TONIGHT THE NIGHT !
1999-9-15バースデー記念スペシャルイベント
“ありがとうが爆発する夜”NHK BS-2で放映!

10月1日(金)2000〜2200
NHK BS-2で“ありがとうが爆発する夜”が
放映されます。題して、
「エンターテインメントスペシャル
ありがとうが爆発する夜
矢沢永吉ハッピーバースディ50thスペシャルライブ」。
ほぼ日読者や、ほぼ日筆者、darlingやほぼ日スタッフが
体験したあのライブを、ぜひ観てください!
では、松本人志さんとdarlingの対談の続きです。


松本人志さんとdarlingのYAZAWAばなし!
その2

糸井 最近、吉本隆明さんとの対談で吉本さんが言ってたのは、
文学者で天才タイプは志賀直哉なんだけど、
そういう人って長続きしないんだって。
で、この人は才能ないよ、って人が生き残ってるんだって。
同じことをスポーツの
トレーニングコーチからも聞いた。
才能のある人でオリンピック出てる人はいないって。
松本 うーん……。
糸井 ちょっとインパクトあるでしょ。
たぶん才能のある人って、お笑いの世界にも
たくさんいたと思うし、松本さんって人が
本当に天分の才能があるのかって言ったら、
ちがうと思うんですよ。
要するに、自分に足りない部分を俺はどうするかって
考えて戦ってきたという。
それをやっていったら、
「俺は才能がある」と言ってた顔が
面白くてウケてた人は、
あきられておしまいになるけど、
松本さんは、俺はここが足りないからってところを
やってなんとかしてきた、そう見えるんだけど……。
松本 いや〜、そうなんですかねぇ。
糸井 いや、わからないですよぉ。
松本 僕にもわからないですけどねぇ。
糸井 あきらかにできるっていう人で
オリンピックに行く人はいないんだって。
2番目、3番目あたりで、
1番の人に勝とうとした人が
金メダルとるんだって。意外でしょ。
松本 うーん、意外ですけど……、
なんとなくそうかもしれんなぁってところで
納得のしかたはありますねぇ。
糸井 結局、天才は自分になにが足りないか考えないんだって。
……この話もちょっとレズビアン化するよね。
「いったい、いつイクんだ?」って。
松本 (笑)ああ、なるほど、そういうことですね。
糸井 終わりがない。
じじいになっても永遠に結末がないんじゃないの。
もう引退した榎本って野球選手がいて、
この人は引退して10年くらい経ってるときに、
まだ素振りしてたらしい(笑)。
明らかにヘンな人なんだけど、
ものすごくいい成績で引退してるんですよ。
だけど、引退した後もまだ練習してた。
松本 ただその、天才って……、
わかりませんけど、天才は金メダルを
あんまり目指してないのかなぁー、というね。
金メダルを到達点と考えるのは、
しょせん多くの人のなかのひとりというか、
天才はそれを目指してないのかもしれんな、
と思ったりもしてるんですよ。
糸井 ああ、なるほどねぇ。
いちばんズルイやり方は、
早く勝って早く死ぬことだよね。
これは永遠になるんですよね。
ジミー・ヘンドリックスですよね。
松本 それはそうですね。
もしくは、百恵ちゃんみたいになるしかないですよね。
糸井 だから、もしかしたら天才って、
終わりにするタイミング次第なのかもしれない。
松本 それがうまいのか、恵まれてるというのか。
うーん……。
糸井 ジョン・レノンが生きてて、今でもバンドやってたら、
商業的にはラルク・アン・シエルとかグレイに
負けると思うんだよ(笑)。
松本 (笑)うん、そうかもしれないですね。
糸井 商業的には、ただのバンドの人になっちゃうでしょ。
そういうことなんじゃないかと思うんですよね。
でも、そういう意味では、現役長い人ってのは
無条件で尊敬しちゃうの、俺。
ま、やり方しだいですが。

天才か秀才かを分けるのって、
やっぱその加減なんじゃないかって思うよ。
だから、松ちゃん今死ぬと天才よ。
そういう片鱗は見えてるわけだし、
秀才がぴょんぴょんジャンプしてる姿ってのも
あるわけだし。たぶん、そうだよ。

もう、血からちがうみたいな人たまにいるじゃない。
アメリカで10歳で大学卒業したみたいな人。
あれってある意味で上に吹きこぼれた人ですよ。
落ちこぼれの逆の、吹きこぼれですよ。
あの子は大統領になりたいって言ってるらしいけど、
はたしてあの子の経験とか、
どんなこと考えるかっていうことは、
俺、本でわかると思うんだよ。
仮に、彼が10歳で大統領になったとしたら、
「こういうことするだろうな」って
図面書けると思うんだけど、
68歳までホームレスやってましたという人が、
もし大統領になったら、計算できないですよ。
そっちの、生き抜いてきた力のほうが、
本当はすごいんじゃないかな。
松本 ああ。いや、僕もねぇ、そのへんのねぇ、
天才とかねぇ、そういうことについては
いろいろ考えるんですよ。
「なんで俺はそんなこと考えんねん」と思いながら。
夜考えて、寝られなくなったりもするんですけどねぇ。
いや、だから永ちゃんっていう人も……。
糸井 きっと自分の一部分が永ちゃんに反応してるわけだよね。
松本 反応してますねぇ。
糸井 それが僕は普通のことだと思うんだよ。
で、反応してる自分を全部にして表現したほうが、
近所でモテたりする人は、
全部にしちゃうんだと思うんだよ。
つまり「永ちゃーん!」って言って泣いてる人が、
家に帰ってきて彼女にさ、
「俺はさぁ、絶対やってみせるから!」って言うと、
永ちゃんがその人にダブるじゃないですか。
それはそれで、そういう生き方はあるってことはわかる。
松本 そうですね。
僕は矢沢永吉という人は好きやし、
尊敬もするし、ものすごく認めてるし、
でも、あの人のある部分をパーツとして
ひとつ取り入れただけであってね、
全部を取り入れるとそれはちがうし。
糸井 取り入れる部分がなにか
っていうのがわかればいいわけだ。
松本 でね、僕が矢沢永吉という人を好きになったのは
周りから考えると意外と遅いんですよ。
みんなは中学か高校で完全にハマって。
僕はその当時はぜんぜん
そんな感じじゃなかったんですよ。
で、本当にけっこうコンサート行ったり、
CDも聴くようになったのは、
自分がデビュー後の25歳くらいですね。なぜか。

それで、その間いろいろ取材されたりとかすると、
特に今よりもかなり言うてましたよね、
ガンガン言ってましたからねぇ。
「ほかのヤツはアホや」と、
「俺以外はボケなんておらへん」
みたいなことも言うてました。
糸井 今も言ってるけどねぇ(笑)。
松本 ま、言うてるんですけど。
で、けっこう言ってきて、
矢沢さんのビデオを観るようになると、
ものすごくかぶってることに気づいて、
まったく同じようなことも言ってるんですよ。
「芸能界にはいつまでもぶら下がるな」
みたいなことをね。
「いつまでも、形かえてまで生き残ろうとするほど
素敵な世界じゃないぞ」みたいなことをね。

あっれぇー? と思うて。
これは、矢沢永吉ファンが聞いたら、
「松本は昔からものすごい矢沢ファンで、
矢沢さんが言ってきたこととかを
ビデオでいっぱい観て、かなり真似とるな」
って思われるんちゃうかって思うと、
それがすごくいややったんですよ。
いややったというか……。
糸井 それは今回発表したほうがいいね。あえてね(笑)。
松本 「あ、俺みたいな考え方の人がいるんや!」ってことが
ものすごく衝撃的やったし、
それが矢沢永吉やったというのもすごく衝撃で、
「ああ、この人ってものすごく俺に近いところと
一緒のとこにおるなぁー」って思ってね、
で、聞いたら、
あんまり関係ないんかもわからないですけど、
乙女座のB型なんですよね。
糸井 関係あるのかなぁ?
松本 関係あるのかなぁ? 僕もそうなんですよね。
糸井 じゃ、今月誕生日なの?
松本 えー、一昨日でした。
で、やっぱそういうの関係あんのかなぁ。
糸井 俺は外から見てると、影響受けたっていうふうには
思わないんだけど、同じタイプだなって思う。
松本 ああ、それはすごくうれしいんです。

(つづく)

1999-09-29-WED

HOME
戻る