ありがとうが爆発する夜
矢沢永吉バースデー記念
スペシャルイベントまでの日々。

第10回
矢沢永吉49歳・糸井重里50歳
ありがとうが爆発する対談



6曲目
「俺もコンピュータで曲を作る!」
矢沢: ところで、訊きたいんだけど、
このイトイ新聞ってのは俺わかんないんだけど、
どういうことを新聞にしてるわけ?
糸井: たとえば、僕の周りの人たちに原稿を頼んで、
ただいろんなものを毎日毎日載せてるんですよ。
僕がいちばんいっぱい書く。毎日。
矢沢: どういうこと訊いてくる? イトイ新聞の読者は。
糸井: 読者はねぇ、
ちょうどみんな苦しい時期なんだよね。
で、なんか言葉とかヒントがほしいんですよ。
僕はエーちゃんとは生き方がちょっとちがうから、
僕は迷いをそのまま表に出しちゃうタイプなんですよ。
「こう迷いました、今こう思いました」
ってことを書いてると、
読者とピタッとジャストフィットする時があるんですよ。

いちばん多いのは20代、30代の女の人じゃないかな、
会社にいると女だからってことで、
いろんなことさせてもらえないよね。
だけど、学校のときには女の人のほうが
できたりするじゃない。
もっとこうしなきゃ、これじゃ会社ダメになっちゃうよ、
って思いながらも、相変わらず楽なことさせられたり、
なにか文句言われるときには自分も言われたりしてる。
今、迷ってる人が何か見つけたってことを
僕は毎日やってるつもりなんで、それを読むと、
歌聴くのと同じで、気持ちがいいんですよ。
たとえば、エーちゃんの話を、
公式のコメントで聞くことはできても、
俺が訊くエーちゃんの話って、またちがうじゃない。
それが伝えられる場所なんですよ。
矢沢: イトイは今日僕と話してて、いろいろ思うじゃない、
わかったことをイトイなりに書くんだよね。
こういう生き方もあるんだよね、とかさ。
糸井: だから俺もやってておもしろい。
原稿書いてくれる人たちも、
みんな会社で仕事してる人なんですよ。
だけど、手伝いたいって言ってくれて、
タダで書いてくれるんです。
いずれは、銀座通りみたいな場所にしたいんですよ。
で、僕は大勢の人にいつでも問いかけることができる。
だけど、俺ってビジネスにしていく才能がないんですよ。
弱点だよねぇ。
矢沢: でもさ、それでイトイがビジネスバリバリだったら、
イトイじゃなくなってくるから。
糸井: それは、もう公言してるの。
ボランティアで楽しいからやってるだけじゃなくて、
ちゃんとビジネスにしていくつもりです、って。
でも、なんか俺に欠点があるんですよ。
矢沢: イトイは道を創ってるわけだ。
それはひとつのメディアになっていくよね。
俺はタダで載っけてね(笑)。
糸井: エーちゃんはバーター(笑)。
やっぱり「ウチはタダですよ」って言いながらも、
出てくれたり、書いてくれる人がいてくれるってことは、
今まで考えられなかったと思わない?
矢沢: やっぱ発想がよかったんじゃないのかな。
そこに魅力を感じてくれてるんだろうね。
糸井: エーちゃん、どのくらいインターネットやってる?
メールはやってるよね?
矢沢: うん、やってるよ。
俺は仕事で情報交換バンバンやってる。
あと、音楽創ってるから。
糸井: コンピュータには、もうなじんでるんだよね。
矢沢: 音楽やったから。
僕はコンピュータで音楽やったの3年前だよ。
3年前に「よしっ、俺もコンピュータで曲作る!」って。
糸井: いや、そういうときは早いねぇ。
矢沢: 必死だったもん、俺。
目の下まっ黒よ、クマで。
「だいたいオタクがカタカタやるんだろ?
まともなやつはいねぇんだ」
ってあれだけ言ってた俺が、カタカタやってんの(笑)。
もう、しょっちゅう間違えたよ。
でもやったおかげで、
コンピュータってものがわかったよね。
糸井: こわくないしね。
矢沢: うん、コンピュータは必要だよ(笑)。
矢沢の考え方がいいのはね、
コンピュータオタクにはならねぇ、ってのがどっかにある。
もうひとつ。
コンピュータで何をやりたいのか、ってことを
はっきりさせてから入ったのがよかったね。
音楽をやろう、と。
俺はグラフィックはやらない。
俺は音楽だから、音楽についてはマスターしよう、と。
あと、仕事の書類のファイルうんぬんはやろう、と。
でも、わからなくなることばっかりよ。
そしたらすぐ電話して
「あそこどーなってんの?」って訊いて、
そーかそーか、パタパタ、なるほど、直ったじゃん!
で、必要なことだけ取り入れる。
そしたらコンピュータはすごく身近なものになっていく。
糸井: ウチの新聞、毎日やってるから、ぜひ観てよぉ。
「毎日やっててエライなぁ」とか、
「イトイはどーしてるかなぁ」とかたまには思うじゃない。
矢沢: (笑)わかった、わかった。
ところで、イトイ新聞に携わる時間って
1日どれくらいかかる?
エブリデイでしょ。
糸井: 間接的な時間含めたら5、6時間かなぁ。
ある意味、24時間。
矢沢: サイテー。そんなんだったらしないよ、俺(笑)。
たいへんじゃない。
糸井: でもさ、そーやって人に言うけど、
エーちゃんが腕立て伏せしてる時間もステージだよ。
自分のことを考えてごらんよぉ。
矢沢: ……いっしょだね。
でも、たいへんだね、毎日毎日、ネタ考えて、書いてさ。
イトイさ、毎日オレのアルバムのタイトル入れといて。
「矢沢永吉ニューアルバムいいよ!」って。
言葉、毎日変えるの。
「矢沢永吉ニューアルバム聴いたほうがいいかも!」
2日目。
「聴くべきだ!」3日目。
「すごいみたいよ!」4日目、とかさ(笑)。
オレ書くから、パタパタって(笑)。
糸井: ホントにやるなら、本当にコーナー作るよ(笑)。
矢沢: いやいやいや(笑)。
糸井: (笑)毎日やるつらさって、わかるでしょ。
矢沢: わかる、わかる。
でもまあ、イトイらしいよね。
(つづく)

1999-08-16-MON

YAZAWA
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