最新の記事 2007/03/02
 
「ややこしい問題。」第66回は、
春らしく、新しい人を迎える、職場でのことです。

新人はみな後輩として扱え、と言われたけど、
自分より経験のある年上の人が来た時は、
どうしたらいいのでしょうか?

たくさんのご投票をありがとうございました。
もう一度、相談の内容をごらんください。

問題66 年上の新入社員に対して‥‥


私は地方の大きな病院で働いて4年目になる女です。
専門的な技術を必要とする仕事をしています。
職場は7歳年上の先輩(男)と2歳年下の後輩(男)の
3人でチームを組んでいました。

ところが、後輩が今年度いっぱいで
仕事を辞めることになり、
代わりに関東の病院で働いていた男性が
就職することになったのです。

この男性は私の2歳年上。
もちろん経験年数も彼の方が先輩です。
しかし、彼の病院と私の病院では業務内容の幅が違うので、
同じ仕事だけでなく、
こちらに就職して初めて携わる仕事もあるんです。
また医療は、施設によって手技や使用物品など、
ある程度のガイドラインはあっても、
やり方が全く同じではありません。

先輩は「何年違う病院で働こうが、
うちの病院では新人」という考えなので、
あくまでも私は彼に対して“先輩”として
振る舞えと言います。
しかし、私からするとまっさらな後輩でない分、
あまり先輩っぽい態度も取りにくく感じるのです。
2歳しか違わないのだし、
お互い足りないところを教えあって、
“同僚”ぐらいの感覚でいようと思うのですが、
先輩は「年上後輩に気を使うと
いつか必ずなめられる(言うことを聞かなくなる)」
と言います。

先輩自身、これまで何度も年上の後輩に対して
気を使って接してしまい、
うまく教育できなかった苦い経験があるようです。
だからこそ私にも上記のようなアドバイスを
くれるのですが‥‥。

私は2歳年上の彼に対し、
どういう態度で接すれば良いと思いますか?

(日花里)



職場によって違うとはいえ、
同じ職種の先輩です。
もしかしたらいろいろ教えてもらえるかも。

でも、ずっと一緒に仕事をしている
7歳上の先輩のアドバイスも
ないがしろにしたくありませんね。

選択肢は、次のふたつでした。


A:先輩として振る舞う

B:同僚として振る舞う


では、結果を発表します!


先輩として振る舞う!
   
   

でした。
日花里さん、先輩にもいろいろありますから、
自分らしく頑張ってください!

さて、内訳はこちらです。

投票総数:4002

A:先輩として振る舞う
52.2%

B:同僚として振る舞う
47.8%

だいたい半々、とも言えますね。

男女別に見てみましょう。

男女別

女性

A:52.8%  B:47.2%
男性

A:50.2% B:49.8%

女性はじゃっかん「先輩として」が多いのですが、
男性はほぼきれいに二つに分かれました。

年齢別ではいかがでしょうか?

年齢別
全体


女性


男性


若い方に「先輩として振る舞う」ほうが多く、
年齢が上がるにつれ、「同僚として」が増えました。
やはり仕事歴が長くなると、
それなりの経験やスキルを身につけている方が多いため、
お互い尊重しあうのかも?

今回の結果をご覧になってのご意見は、
ぜひこちらまでお送りくださいね!


最後にメールをご紹介いたします。

たくさんの経験談や、わたしなら、のお考えを
お寄せくださいまして、ほんとうにありがとうございます。

結果とあわせ、みなさんのメールをすべて拝見して、
検討した結果、これらの代表的なご意見を
ご紹介させていただいており、
お送りいただいたメールはひとつひとつ、
たいへん参考になっております。
心より感謝いたします。


B「同僚として振る舞う」メール

=
毎日、気を使う状態です。

微妙な問題ですよね。
私も日頃、同じ事で悩んでいます。
日花里さんの場合、2歳年上なので
私は同僚感覚でも構わないと思います。
あまり先輩ぶるのも感じ悪いと思われかねないですし。
お互い少し親しくなるまでは
様子をみるのがいいと思います。
私の場合は、私より10〜20歳位年上の先輩方から
頼られていて困っています。私の方がずっと後輩なのに、
何でも私に聞いてきたり、間違えてる事を
私が指摘しなければならなかったり。
毎日気を使って、偉そうに思われない様に
言葉を選んで話さなければならないのです。
なので、私は親しい年上の先輩に頼んで、
言ってもらうようにしています。
その方が、角が立たない気がするからです。
皆さん、同じような悩みを抱えているんですね。
良い解決方法があれば私も参考にしたいです。
(チクりんこ・女・31歳)

=
頭ごなしは、危険。

「同僚として接する」に投票しました。
私もよく直面する問題で、悩ましいところです。
部下と後輩とは違うと思いますが、
リーダーである以上、統率力を求められ、
時としてその立場を誇示しなければいけないことも
あるかもしれません。
でも、相手のキャリアをないがしろにして、
頭ごなしに後輩扱いすることは、
わかっていらっしゃるとは思いますが、
危険だなと感じました。
年上で、ある程度キャリアのある方への接し方は、
相手の出方もあると思いますが、
同僚として接しながら早く連帯感や職場の雰囲気に
なじんでもらいつつ、業務指導など
シチュエーションによっては
きちんと先輩として振舞うのが
一番自然ではないでしょうか。
チームワークとは上下関係が明らかであることから
作られるものでもないと感じます。
先輩は、チームリーダーとして年上の後輩を迎える
日花里さんが萎縮しないように、気を使って
先輩として振る舞うよう助言したのかもしれませんね。
(もうすぐ39歳の女子技術職)

=
人柄を把握してから。

私は同僚として接するに投票しました。
医療に限らずどの職種においても、
細かい手技や物品が違う事は当然ですので
新人さんはその辺りは重々承知しておられると思います。
また、仕事をしていて身に付いた経験や
技能というものに対して、
だれしも誇りをもっていると思うのです。
今からどんな態度にするかなど悩まず、
まずその新人さんの人柄を把握してはいかがでしょうか。
言う事を聞かせようとするからなめられるのであって、
なめられるというのは、
同僚として認められていないという事だと思います。
相手の意見を尊重した上で自分の意見を
きちんと伝えるのであれば何も失礼はありません。
新人だからといって、下手に先輩風吹かして
足をすくわれないように
気をつけていただきたいです。
(マキ)

=
女性からの後輩あつかいは‥‥。

自分の苦い経験から、
「同僚として振舞う」に投票しました。
日花里さんは専門的なご職業のようですし、
その仕事内容や職場の雰囲気も違うとは思いますが
やはり、「女性」「年齢」という厄介な問題は
どんな職場でも普遍的だと思ったからです。
私の場合、新規オープンの職場に10名程度のアルバイトと
3名の社員が新採用され私はその中の社員であり、
アルバイトの中のリーダー的役割でした。
問題となった男性は私より3つほど年上で、アルバイト。
つまり、立場が明らかだったのにも関わらず、
私に指示を出されたりすることに
我慢がならなかったそうなのです。
だんだん私の指示を小馬鹿にしたような顔で聞き始め、
仕事後は同僚のアルバイトに私の悪口を言いだす始末。
確かに同時入社だったので厳密に後輩には
当たらないとは言え、指示を出す立場上、
なあなあになってはいけない! と、他の人たちと
同じように接しようとしていた私にとっては、
本当にショックでした。
すべての男性がそうとは言い切れませんが
えてして、男性は女性よりも
よっぽど「誉められずき」です!
女性に頼られるならまだしも、後輩として扱われ、
しかもそれが年下なんて
きっといい気分がするものじゃないと思うのです。
だからといって日花里さんが気を使うのはおかしな話、
と思われるかもしれませんが、
それは、仕事や職場関係を円滑に進める
やむをえない手段だと私は割り切っています。
私の体験は、最後には「器の小せぇ男だな!」と
笑い飛ばしましたが、正直、本当に不愉快で
哀しい出来事でした。
そしてそれよりかは、最初にこちらから
「譲ってあげて」、同僚のようなムードで、
教えるところは教え、助け合えるところは助けて
やっていかれるのが得策だと思います。
先輩の男性は渋い顔をされるでしょうが、
その方は7歳も年上、しかも男!
私たちの立場には決してなれないじゃありませんか。
世の男性陣をじょうずに立てて、おだてて、
働きやすい環境を作っていくのは
我々女性にしかできない才能なのです(笑)!
そして新しく入られるという男性社員さんが、
そんな日花里さんの気遣いに気づいて
一緒に楽しく働ける方であることを、お祈りしています。
(3982・30歳・女)

=
枠にあてはめなくても。

同僚として振る舞う、に投票しました。
新卒の場合は状況が違うかもしれませんが、
一般的には、職歴や年齢、同じ職場にいた年数などから
先輩後輩の位置づけをして、それに則った上下関係を
維持していくのは意味があまりないと思うんです。
私は新しく入られる方と日花里さんの立場と、
両方の立場に立ったことがあります。
自分が新しく入っていく立場だった時は、
お互い同僚として接することのできる相手とは
それぞれの経験を基によりよい結果を出せるよう
前向きに仕事が出来ました。
逆に、先輩後輩の枠にあてはめて
考えようとする方とだと、
より生産的な手法を考えついても波風立てないよう
黙っておこうかなって思ったり、
権威的な態度に反感を感じたり、
仕事に負の影響が出ました。自分の今までの経験を
否定されたように感じたのも不愉快でしたし。
私が日花里さんの立場だった時は、
その職場特有の件について説明するのは
先輩の立場からでしたけど、後はその方には
「他のところで別の経験をしてきた先輩」として
接していました。外で学んできた知識は
全部共有してほしかったということもあります。
‥‥とはいえ、実際は、その新しく来られる方の
姿勢次第、というのもありますよね。
もしその方がいつまでたっても
「前の職場はこんなに便利なシステムが入ってた」
だのなんだのぐちゃぐちゃ言っている場合のみ、
「今アナタはどこで働いているのか」
という点をはっきりするべく
「先輩」として君臨するのはいかがでしょうか?
(こ)

=
経験のある方なら‥‥。

Bの「同僚として振る舞う」に投票しました。
日花里さんが働いていらっしゃる病院では
新人かもしれませんが、日花里さんよりも
経験はある方なんですよね?
仕事の幅があり、やり方に微妙な違いがあるとはいえ、
他で経験を積んだ年上の方を
まるっきり新人扱いするのは失礼ではないかと‥‥。
もし、日花里さんが他の病院に転職することがあって、
そこに年下の同業者がいて、
日花里さんが新人扱いされることがあったら、
「あたしの今までの経験は何だったの?」
って気になりませんか?
先に職場にいたものとして教えるべきことは
当然あると思いますが、「あなたは後輩、私は先輩」
という立場をとる必要はないような気がします。
ちなみにうちの職場には、まるっきり業務内容を知らない
年上の新人がいますので、
私は彼らに対し、先輩として振る舞ってますけどね。
(30代 乙女)


A「先輩として振る舞う」メール

=
プラスとマイナスを切り換えて。

「先輩として振舞う」に投票しました。
私は、職場ではなく、
教育系の大学院で最上級生をしています。
いったん社会に出て、教職経験を積まれたあと、
大学院にいらっしゃる年上の方も多く、
人生の先輩、教職の先輩、
ほとんど私の先生のようなお年で職歴をお持ちの方が、
「後輩」として入学していらっしゃることがあります。
そういう方は、もちろん実際の年齢も上ですから、
研究やディベートの場でも、当然のように
イニシアチブを取られることがあります。
しかし、いくら職場で長い経験があるからといって、
学生としては、やはり後輩。
専門分野や研究法の知識や発想力は、
先輩に及ぶものではありません。
何十年と教職に携わってこられた方でも、
ご存知ないことはご存知ないのです。
私は、日常的には年上の方に失礼でない程度に
礼儀を持って振舞い、研究の場では先輩として
意見をはっきり言うように努めています。
もちろん、よくない顔をする方もいますが、
教授に間に立ってもらったりしています。
2歳くらいの差なら、実年齢としては
大したことないのですから、日花里さんは
むしろ専門知識を持つ先輩として
堂々と指導するといいと思います。
その上で、向こうの得意分野に関しては敬意を払い、
相手の知識や技術を吸収しようとする態度を見せれば、
きっとうまくいくと思います。
へたにプラマイゼロにして、同僚感覚になってしまうより、
プラス2とマイナス2を場合によって切り換えたほうが、
こちらの威厳も向こうのプライドも保てると思いますよ。
(24歳 女 みつか)

=
普段から敬語を使う習慣。

特許を扱う会社に新卒で就職して7年になります。
当然、最初の1年は最年少&一番の後輩でした。
数年のうちに先輩が何人か辞めていき、
辞めた以上の人数が後輩として入ってきました。
が、みんな中途採用だったために、
私より1歳から30歳も年上だったのです。
専門知識を必要とする仕事なので、
違う業種から転職してきた人には、
新卒なみの指導を行わなければならず、
いろいろ接し方に悩んだことも、悔やんだことも
ありましたが、厳しい内容(注意・指導など)でも、
うわべは丁寧に、というと言葉は悪いかもしれませんが、
とにかく丁寧に、ということをこころがけました。
あくまでも会社はビジネスの場、と考え、普段から
上司・先輩だけでなく、同僚・後輩に対するときも
敬語を使う習慣にしていました。
それさえ押さえておけば、なんとかなると思います。
意見が対立するような時には、先輩だから、とか、
年上だから、とかではなく、年上の新人には
「経験年数の長いあなたの意見は傾聴に値するけれども、
それを考慮した上で私はこう考える」と言い、
年でなくチームのリーダーという権限(?)で
物事をすすめていけば、おのずと、
立場というものはできあがってくると思います。
(最年少お局 28歳 女性)

=
おのずと変えざるをえないかも。

「先輩として振る舞う」にしました
理由は簡単、あなたの先輩(チームの中では
リーダーですよね)が、受け入れ体制として
新人として扱うという方針を決めているからです
チーム長の方針が決まっているのですから
対応は統一された方がうまく行きますよ
その方が入ってきた時点で最初にその先輩に
釘を刺してもらってもいいと思います。
能力のある方なら、そういう空気も読んだうえで
適応していってくれます。
実際力量のある方なら、おのずと廻りの対応も
変えざるをえなくなりますから、
あまり心配する事はない思います。
最初は堂々と指導する先輩として振る舞うのがベストです。
ただし、それはあくまでも仕事の上だけの話。
雑用などを押し付け回たり、仕事以外でのタメ口、
命令口調など間違った先輩風はNGですのでご注意を。
(40代前半 女性)

=
今いる先輩の意見を尊重。

後輩だけど年上。
とてもやりづらい立場だと思います。
私の浅い経験からなので、なんとも言えませんが、
やはり今いる先輩の意見を尊重することは
大切だと思います。
今から入ってくる方は、経験者で年下かもしれませんが、
新しい仕事の一年生という点では
まだ不安もあるでしょう。
そんなとき、たとえ年下であろうと
自分より経験を積んでいる日花里さんは、
頼れる存在ですよね。
それにだんだんと、仕事をするときの年齢の差は
さほど関係なくなってくるのではないでしょうか。
もし何か困ったことがあっても、
きっと今の先輩が助けてくれると思います。
だから仕事上の先輩として、
でもそこまで態度にとらわれることなく、
同じチームの一員として頑張ってください。
(15歳・女・ユイカ)

=
堂々と指導してあげて。

「先輩としてふるまう」に1票入れました。
派遣ゆえ転職の多い私は、
必ず現場の人を先輩として扱っています。
だって、その現場では相手が確実に「先輩」。
例え私の方が社会人経験が長いとしても、
現場ではそんなこと、関係ないです。
仕事を覚えるまでは、その現場で一番使えないのは
自分なんですから。
そういう気持ちでいないと、
自分も仕事も覚えられないですしね。
堂々と「後輩」を指導してあげてください。
その方が「後輩」としても勉強になると思いますよ。
(iguigu 34歳 女性)

=
意味が分かってもらえるまでは。

Aを選びました。
私はたぶん日花里さんと同じ仕事なのではと思います。
ですので思うのですが、この業界は
しばしばそういう事が起こりますし、
年功序列が微妙に生きているところもあります。
しかし、4年ほどお勤めならお分かりかと思いますが、
実力とその施設での経験が何より大事です。
どんな業務でも、その業務での手順には
ちゃんと意味があり、それに沿って仕事を進めないと、
互いの認識不足などからミスが誘発されやすくなり、
結果の信頼性も落ちると思います。
先にこの業界に入った人を見ると、
先輩として振る舞うのは難しく感じられるかもしれません。
しかし、しっかり手順を覚えてもらって、
その意味が分かってもらえるまでは、
はっきりとした態度で教えるべきです。
(偉そうにする必要はありませんが、
 大事な事には頑固なくらいで)
そうして仕事を一通り覚えてもらった時から、
態度を同僚くらいにしても遅くないと思います。
その人がちゃんとした人ならば、
必ずその事の意味を理解し、仕事に慣れたときから、
今度はその人の経験を生かして
日花里さんたちには気づかない事を
提案してくれると思います。
私は職場を変わった事がありますが、
「年下の先輩」がちゃんとしてくれたおかげで、
ずいぶん助かったもんです。しんどかったですけど、
そうじゃなきゃ覚えられません(笑)。
自分が、相手が、この資格に恥ずかしくない仕事が
できるようしっかり見てあげてください。
あなた一人ではありません、
大変でしょうが頑張ってくださいね。
(札幌・匿名希望)


このコーナーへの感想、
または、解決したいあなたのおなやみは、
メールの表題を「ややこしい問題。」と書いて
yayakoshii@1101.comに送ってくださいね。

「ややこしい問題。」は、
毎週火曜日に投票を開始し、
金曜日に結果を発表します。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
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