最新の記事 2006/12/15
 
「ややこしい問題。」第57回は、
就職活動を迎えるにあたって、
「好きなことを続けるために進学」するか、
「新卒という有利な条件のうち就職」するか、
というおなやみでした。

同様のことで悩まれた方が多かったらしく、
たくさんのメールをいただきました。
後半で紹介しますね。

ではあらためて、相談の内容をごらんください。

問題57 好きな道か、就職か‥‥


22歳の大学4回生の女です。
直球ですが、現在、卒業後の進路に悩んでいます。

絵を描く職業以外思い浮かばない私は、
今まで全く関係ない進路を
進んでいたにもかかわらず、
思いがそちらへ強く引かれています。
視野が狭いためか、
就職先が上手く見つからないことからの逃げか、
とにかく、他の道が見えていません。
でも絵を描くことは何よりも好きで、
大好きなご飯の時間も忘れるくらいです。

今更ですが行きたい専門学校があり、
そこで技術の向上と、何よりも自分の適性の
見極めをしたいと考えています。
ですが、私の説得不足と信用の無さから
家族からは大反対されています。
当然のことですが。

どうにかがんばって就職先を見つけ
社会に出たとしても、絵の道に未練が残りそうです。
また途中で転職するにしても、
新入社員がすぐに会社を辞めてしまう風潮を見ていると、
どうにも気が引けてしまいます。

ただ、新卒で社会に出るという経験は
今しかできません。
未熟な今のままよりも視野が広がり、
いろいろなものの考え方ができるようになるという
可能性を考えると、その道も捨て切れません。

そこで、卒業後家族の反対を押し切って
絵の専門学校へ行くべきか、
就職してから広い視点で将来を考えてゆくべきか、
みなさんのご意見聞いてみたくなりメールしました。
甘い考えかもしれませんが、
参考にさせてください。
(CT)



「社会に出る」にも、いろいろな道はあり、
きっとどれも間違いではないのですが、
できる、できないでいうと、
確かに今しかできないのは
「新卒で就職」かもしれません。

しかしやりたいことがはっきりしているのに、
別の道へ進むのも、へんな感じがします。
ややこしいですね。


というわけで、選択肢は、次の2つでした。

A:好きな絵の学校へ行く

B:就職して視野を広げる


結果を発表します!


就職して視野を広げる
   
   

でした!
まずは就職活動、がんばってください!

さて、内訳はこちらです。

投票総数:5249

A:好きな絵の学校へ行く
47.5%

B:就職して視野を広げる
52.5%

なんと! 半々に近い数字でした。

男女別に見てみましょう。

男女別

女性

A:45.0%  B:55.0%
男性

A:54.8% B:45.2%

男性は総合結果と異なり、
「好きなことを続けるために専門学校へ」が
多くなりました。

年齢別に、見てみます。

年齢別
全体


女性


男性


やはり、差は微妙で、
年齢差も大きくはありませんでした 。

じゃっかん、男性は年齢が上がるにつれ、
「好きなことしたほうがいい」と
すすめていらっしゃいました。


結果をご覧になってのご意見は、
ぜひこちらまでお送りくださいね。


最後にメールをご紹介いたします。

今回多かったご意見は、
「経済的に自活すれば、どちらでもよいのでは」
「何歳からでも、再挑戦できます」
「絵に関係のあるところに、就職する」
でした。

それにしても、
「ほぼ日」読者のみなさまには、
絵に関するお仕事をされている方や、
絵を志された方がとても多いことがわかりました。
みなさん、親身になってのメールを、
ほんとうにありがとうございました。

「絵」以外の夢や進路、
職業などに就いて語ってくださったみなさまへも、
心より感謝いたします。
掲載しきれなかったみなさん、すみません!

今週もありがとうございました!

A「好きな絵の学校へ行く」メール

=
情熱でつっぱしっては?

私も今同じような問題に直面しています。
私は今美大の三年生で油絵の専攻なのですが、
最近就職活動を始める友達が増えてきて
私は正直焦っています。
私は一年間くらいスランプに陥っていたのですが
最近やっと制作に打ち込めるようになってきて、
卒業後は大学院に進んで
もっと制作したいという気持ちも出てきました。
でもお金がかかるし、今借りている奨学金の返済も
あるし‥‥と考えると難しい問題です。
母親は「行かせてはあげたいけどお金がね〜」
という感じで就職してほしそうな雰囲気だし、
父親は「とにかくもうモラトリアムはだめだから
 ちゃんと決めなさい」と言っています。
でもお金の面はいざとなれば奨学金もあるし、
本気になれば何とかなりそうな気がするのですが、
決めかねている理由は、私もCTさん同様、
社会に出るべきなんじゃないかと言う気がするからです。
とにかく、どちらにしても私はこの道で行くっ!
という覚悟がもてないのです。決めることが怖いのです。
私は、「ご飯を食べるのを忘れるほど絵を描くのが好き」
という気持ちを大事にしてほしいなぁと
思ってしまうのですがどうでしょうか。
新卒で就職するより、その情熱で
つっぱしってみたくないですか?
CTさんの悩みを読んで、なんだか自分の悩みを
客観的に見ることができました。ありがとうございます。
(21歳)

=
好きなことを我慢した結果。

Aに投票しました。
私は貴女のお母さんでもおかしくない年齢になりました。
親の意見を聞き、親が誇れるような大手企業で
働いてみたり、何十年も彷徨ってきてしまいました。
それは、本当に好きなことを我慢してきてしまった
結果だと今は思っています。
今まで何をしても満足感はあまり得られませんでした。
高い評価を受けても、私には「たいしたことのない」
ことでした。
ですから、仕方なく結婚しようとしたりしたことも
あります(でも、好きなことが頭に引っかかり、
結婚にも踏み切れずに来ました)
親御さんが反対される気持ちもわかります。
新卒で働けるのは今という現実的なことも
視野に入れられるCTさんはとても賢い方だと思います。
でも、人生半分と思える年齢になってみて
この虚しい気持ちは、どうにもならないのです。
そして、この年齢からでは好きなことを勉強して
職業にすることはかなり難しい確率です。
やはり若いうちの方が断然良かったと思っています。
でも、40歳を節目に好きなことをやろうと決め
新たに大学に行こうとしています。この年で受験生です。
何十年もの過ごした時間を後悔する切なさは
はかり知れません。
だから、たとえそれで食べていけなくても
好きなことから目を背けて行くよりは
納得する形で振り返れる自分がいる方が良いと
私は思います。
親御さんとの交渉など、大変なことはあると思いますが
私はCTさんを遠くから応援しています。
(小さな後悔より大きな後悔・40歳)

=
視野は広がります。

私は現在26歳ですが、大学卒業時、
あっさりと就職の道を選びました。
就職して分かったことは、パワーがほとんど
無くなってしまい、視野は仕事ばかり向いてしまうので、
狭くなることの方が多いということです。
社会人は諦めの口実を探すだけになると思います。
やりたいことがあるなら、
若いうちにやった方が絶対いい。
視野は広げるものではありません。広がるものです。
人生のやりなおしはききますが、
やる気を出すことは難しいです。
「あの時ああしてれば」と思わないよう、
やりたいことを早めにやる方が後々楽ですよ。
(O)

=
やりたいなら初めから。

絵の学校へ行く、に投票しました。
現在私は会社で人事の仕事をしています。
新入社員が入ってもすぐに辞めてしまうので
困っています。理由として多いのが
「他にやりたいことができた」といったものです。
中途半端な志で就職するな!
と世間の若い人にいいたいです。
こちらも時間とお金をかけて面接なり、
研修なり、行っているんです。
会社をなめてもらっては困ります。
やりたいことがあるのなら、
初めからその道を選ぶべきではないでしょうか?
(29歳・女)

=
今の気持ちを大切に。

私はAの絵の学校に行くに入れました。
もし親御さんの許しが得られて
金銭的な援助が受けられるのであれば、ですが。
私の場合はいきたくてもいけなかったのです。金銭的に。
突然、2つ上の兄が美大に行った為に、
私まで美大に行くことは無理でした。
今考えると色々方法はあったかもしれませんが
その時は諦めるしか道はなく親も私に対して
苦しそうでした。
親も美大に行くのは私だと思ってましたから。
美大の道しか考えてなかった私は目標を失い
その後かなり遠回りな人生を送りました。
今の私はなかなか良い人生を送れてると思ってますが、
世間を見たほうがよかったなんて思えるのはずいぶん後、
結局は結果でしかありません。
社会経験なんて学校を出てからでも遅くないと思います
今は絵を描くことしか考えられないなら
絵を描いたほうがいいです。
今の気持ちを大切にして欲しいと思います。
ざっきぃ 33歳 女子)

=
学校の先生ですが。

Aに投票しました。
わたしはいわゆる「ガッコウのセンセイ」を
していまして、本当ならこんな進路を
オススメしたりはしません。
ましてや、順調に大学卒業して、
就職できるかもしれないのに!!
‥‥でも、なんです。
最近、「どうしてもやりたいから、
 無理してでもこれを目指します!」
っていう選択をしてくれる生徒が
あんまりいないんですよね。
でも、その少数のコたちを見ていると、
無理と承知していても本当に
すごいモチベーションで食らいついてくれるのです。
だから、そんな情熱を傾けられるものがある、というのが
うらやましいなーと思って投票しました。
こういうの、本当は参考にしちゃ
ダメなんでしょうけどね。
(リンリン・30代・女性)

=
すぐに辞めてしまわれたら。

私は敢えてAにしました。
私の同期で2人、入社1年未満で退職しました。
やりたい事があったり、本当は国家公務員を
目指していたのになれなくて民間企業に就職し、
諦めきれずにやめたり‥‥。
厳しい言い方になるかもしれませんが、
会社の側からすると
「やりたい事があるから、とすぐに辞めて貰っては困る」
という面もあると思います。
会社で役に立って貰う為には、お金だけではなくて、
周りの上司・先輩・同僚の力も、沢山掛かります。
人を育てるのも上司・先輩の仕事の一つですし、
いやいや会社に居られても辛いですが、
すぐに辞めてしまわれたら、ちょっと悲しいです。
ほんとは「やりたい事」を仕事にすると、
目指している途中でも仕事に就いてからでも、
辛くても頑張れるのかな、と思うのですが。
(仕事が嫌でめげてる奴)

=
うらやましいです。

Aの好きな絵の学校に行くにしました。
それだけ好きなことがあるのに、
それを伸ばそうとしないのは
とてももったいないと思います。
正直、そこまで好きなことがあることが羨ましいです。
好きなことを横に置いて仕事をしても
きっとずっと心残りになります。
好きなら専門学校に行ってもがんばれると思います。
むしろそれだけの覚悟も必要なのかもしれませんが。
本気でやっていくつもりならば、
今は納得してもらえなくても、
きっとご家族も納得してくれるのではないでしょうか?
また、今が未熟だと思うのなら、専門学校に通いながらも
絵を売ったり社会性がつくようなことをいろいろと
試してみたらどうでしょう。がんばってください。
(27歳・なつ・女子)

=
人生を振り返ったときに。

私にも、今進路を模索している息子(大学3回生)が
います。息子は大学院か就職か悩んでいるようです。
息子にも話したのですが、したいと思うことは
先がどうなるかということよりも、
自分の思う通りにした方がいいと思います。
数年先の世の中がどうなっているかも読めない昨今です。
ただ好きだから、ただ勉強したいからで
いいのではないかと思います。
自分のしたいこと、自分の好きな方向に進んでいたら、
将来間違ってたと思う日が来たとして
きっと後悔はしないと思います。
長い人生、振り返った時に
自分の人生楽しかったなと思えたら
しあわせでは無いでしょうか?
この選択を人生の中で損か得か、
というように考えるのなら、
違った答え出すのかもしれませんが‥‥
悩めるあなたの若さをうらやましいおばさんとしては、
好きな道を頑張って歩いて輝いて欲しいなと思います。
(息子にも同じ話をしました。51歳・女性)

=
絵を生業にしたいなら。

「好きな絵の学校に行く」に一票。
難しいですね。本当に。
私も大学4年の時に全く同じ問題で真剣に悩みました。
大学の勉強は全く絵と関係なかったのですが、
それでも独学で絵を学び、寝食を忘れるほど没頭し、
投稿をして賞ももらったり、コネを作ったり、
自分なりに絵で食べていくための準備もしました。
そして自分の出した結論は、
上の答えとは反対のものです。
絵を描くことをフリーランスの仕事として捉えたとき、
貧乏、不安定な状態で絵の情熱が維持できるか。
答えはNO。
ですから、サラリーマンになって
他の仕事に時間を差し出す代わりに、
経済的な不安を解消し、余った時間で
絵を描くことをしようと誓ったのです。
それから10年、私は普通のサラリーマンです(笑)。
ちなみにうちの兄弟が、これまた絵とは関係ないことを
学んでおきながら、私とは対照的に
絵の道を諦めずにがんばってます。なんとか食ってます。
あくまでもこれらの体験をうけての
自分の所感なのですが、絵を生業にしたいなら、
絵を描き続けないとダメです。
そして全ての体験は絵に通じると肝に銘じて
日常を過ごさないとダメです。
実はすでに答えは出ていたのです。
交換条件の情熱なんて。
私がサラリーマンになったことは、
絵のための経済基盤ではなく、絵がダメになったときの
心の逃げ道としてしか機能しませんでした。
当時の自分が今の自分を見たらなんて言うかな?
でも今、決して不幸ではないですよ。
自分の弱さを見つめるきっかけにもなったし、
絵以上に他に情熱を注げるものに出会えたことが
何よりの収穫でした。
(アンネ 30代 女)

=
職場に迷惑をかけたけど。

「好きな絵の学校に行く」を選択しました。
私は薬学部を卒業してから1年のブランクを経て、
医学部に再入学しました。ブランクの間は、
公務員試験に合格していたので公務員を数ヶ月した後、
ボーナスをもらい、上司のすすめもあって
有給休暇を全部使って辞め、残りの半年は自宅で
受験勉強をしていました。
私が医学部を再受験しようと決めたのは,
就職してからなので、ご相談の方とは
状況が違うと思うのですが、
「ここは違うんだけどなあ‥‥」と思いつつ
その場所にいるのは辛いですし、
なにより新人は手がかかるものです。
私の場合もつきっきりで先輩に
教えていただいたのですが、結局手間が
かかるだけかかって(仕事として一人前になる前に)
辞めてしまったので、職場には迷惑だけを
かけたのかなあ‥‥と反省しています.
しかし,分野が近いこともあり、職場の方は応援して
下さる方が多く(もちろん苦々しく思う方も多かった)。
無事に1年だけのブランクで合格できました.
そのおかげで今は、医師の道を歩めており、
とても感謝しています。
しかしながら,職場の方に迷惑をかけないに越したことは
なかったと思うので、意志が固いならば最初からそちらの
道に進まれたらよいのではないでしょうか?
(35歳・女性)

=
一度社会に出るべきだけど。

好きな絵の学校に行く、に投票しました!!
私は今26歳です、28歳で絵の学校に入るのを目標に、
こつこつ貯金をしているところです。
22〜23歳頃の私と同じような状況に思えて、
ひとごととは思えませんでした。
いくつになっても、好きなことに向かうのに
遅すぎることはありませんよ。
学校に行きたいなら、いけばいいと思います。
ただ、一度社会に出てみるべきだと思います。
大学を卒業してそのまま次の学校へ行ってしまったら、
ずっと「学生」のままですよね。
一度学校というところから離れて、社会に出るとは、
働くとはどういうことか、
体で学ぶことが大事だと思います。
そうすれば、憧れではなく、
絵の仕事に就くということを
もっとしっかり考えることが
できるようになると思います。
親は一生懸命な姿をみれば、
いつか分かってくれると思いますよ。
分かってくれなくても、学費もすべて
自分で貯めていけば、親の賛同なんて必要ありません。
がんばってください!!
(26歳・女)

=
必要ならば知る機会が。

本当に絵が好きなのですね。
おたよりからそのことがひしひし伝わってきました。
ひとが誰でも知っておくべき事というのは
それ自体が一人歩きするものでは
ないのではないでしょうか?
ひとそれぞれが望む方向でなんとか進むなかで、
知っていくものこそが、そのひとにとって必要なことで、
自分はある一面しかしらないけれど、
それについては確かに知っているという事が、
自信と謙虚さにつながると思います。
もちろん会社に勤めれば得られることは
あると思うけれど、それは本当にCTさんの人生に
必要かどうかはわからないし、
必要ならば必ずまた知る機会が訪れるはずです。
視野を広める=就職という方程式に縛られず、
今自分が欲しているものをがむしゃらに
つかんでいってみては?
つかむのにもすごく時間がかかるのだから。
(28歳 女)

=
何もせずに後悔するより。

私は新卒就職の道を捨て、好きな音楽の道を選びました。
もちろん、毎日フツーに後悔してます。
あの時就職しとけばなぁ、と。「食えない」ですから。
とはいえ、結局どちらの道に進んだとしても
後悔はつきものなのです。
ただ何もせずに後悔するよりは、
やらかしてしまってから後悔する方が、辛いですけど、
ものすごく辛いですけど、人間として一皮剥けますよ。
社会人になるにしろ、絵の道に進むにしろ、
大切なのは焦らず腐らずやっていくことなのです。
奇麗ごと言うようですが。
その上で、じゃ、どうせ辛い思いをするんだったら‥‥
好きなものの方が‥‥ね?
(25歳・女)


B「就職して視野を広げる」メール

=
新入社員で経験すること。

あー。分かるなあ、と思った問題でした。
でも、社会に出て数年経って
もう30歳になろうとしている今、
人生ってやり直そうと思えばいつだって何歳からだって
仕切り直しができるんだってことに気づきました。
専門学校、社会に出て数年経って入り直した子、
友達にたくさんいます。
でも、新卒で会社に入って、新入社員を経験することは
今しかできません。
新入社員で経験するもろもろのことは、
転職を2回した今でも、とても独特のものだったなあ、
と思います。
社会に出ないで何も感じずに、
その人達が手に取るかもしれない絵を描くより、
一度社会に出て3年くらい働いてみて、
それから絵を描いてみた方が、
良い意味でも悪い意味でも世の中をしっている絵を
描けるのかも、とちょっと思います。
弟が芸術分野に進んだのですけれど、
社会を知らないままに絵を描くと
どうしても独りよがりになりがちな気が、
ちょっとしています。いっぺん挫折して就職して、
そのあとの方が、弟の絵は生き生きしています。
22歳の頃は私も、何かにものすごく焦って、
今決めなきゃ、今やらなきゃ、って思ってましたけど、
人生って何かを始めようとしたときがやるときなんだな、
と今は思ってます。
先は長いです。頑張ってください。
(29歳・女)

=
ご両親は応援している。

この秋の私の息子と同じ状態だと思いました。
うちの場合は絵ではなく別の道でしたが
結果はお嬢さんの親御さんと同じく反対し、
働いて世の中で勉強しなさいという引導を渡しました。
‥‥一度しかない青春を、思うとおりにやってごらんと
私だって言ってあげたかった。
でも、一度しかない新卒の機会を逃せば、
就職の道はもっと狭くなる日本です。
2年でも3年でも社会で揉まれ
それでも絵の勉強をしたかったら
貯金して自分のお金で勉強なさい。
あなたの情熱が2〜3年で冷めてしまうものなら
それまでなのです。
4年間大学に通わせてくれたご両親を
恨んではいけません。
社会に出て「歩きながら」
将来をじっくりみつけてください。
あなたのご両親は陰で応援しているはずですよ。
(あんこ母さん)

=
会社勤めが役立った。

自分の経験だけでBにしました。
私も同じように、絵が好きだったけれど、
普通高校から大学に進学して、結局就職したのです。
その後、5年勤めた会社をやめ、
現在イラストレーターの仕事1本で生活しています。
イラストを仕事にするようになってから、芸大出の人や、
デザイン事務所の経験者をみると
「やっぱりそっちにいけばよかったのかな」
と思うこともありますが、でもそれ以上に
就職して会社勤めを5年やったほうのスキルが、
自分にとって役立っていると思うことが多いのです。
それは、仕事というのはどうやって動いているのかとか、
お金はどこで発生するのかとか、
相手の言いたいことを的確に判断して
アウトプットすることとか、
もっと簡単に「社会人として信用される行動」とか、
そういうものです。
それから、私がイラストの仕事に入りはじめたときに、
会社員時代に貯めた貯金が非常に助けてくれたことも
はずせません。イラストの仕事は、
いきなりたくさんもらえるわけではないし、
デジタルで描く人ならパソコンもソフトもいるし、
営業費や交通費も結構出て行きます。
そのときに「お金がない」と、結局バイトしながらとか、
不安を抱えながら、ということになるかも。
ただ、会社にいる間は、その後イラストの仕事に
つこうとは考えていなかったので、
全力で会社員をやっていました。
CTさんが、就職そのものに真剣になれそうもない、
どうしても気持ちがイラストにいってしまう、
と思うようなら迷わずイラストの道をめざしたほうが、
ご自身にも、会社にも、いいと思います。
がんばってください!
(ほわいと 36歳 女性)

=
働いてても、こころは絵描き。

私も今現在似たような状況にあります。
というより、ありました。
今まではアルバイトをして絵を描いていましたが、
来年から正社員として働きます。
でも、絵描きになる夢は諦めていませんよ。
正社員になることイコール挫折のようにも
思っていましたが、正社員になることが決まった今、
収入は得られるし(絵を描くって結構お金が
かかりますよね)、家族は安心させられるしで、
これでよかったのだと思っています。
もちろん、働いていたって絵は描き続けられます。
専門学校に行けば、絵の技術を学べたり
絵描き仲間が得られたりとそれなりに
プラスになるものはあると思います。
しかし、CTさんは、大学に行き自由な時間を
四年間も過ごしたことですし、そろそろ社会に出て
学校では学べないことを学ぶのも
アリではないでしょうか。
夢を諦めたくないという気持ちは、
私もそうなのですからよくわかります。
働いてたって、こころは絵描きです。
おたがい頑張りましょう。
(障子・30歳・男)

=
就職は厳しい状況だから。

私は「就職する」に投票しました。
就職して「視野が広がる」かどうかは怪しいものですが、
景気回復が喧伝されている現在でも、
新卒以外の就職は厳しい状態が続いています。
だから、まず働く。今後専門学校などで絵の勉強をするに
しても、学費は自分で出すことになると思います。
だったら経済的・社会的にある程度の保障が
見込まれる正規雇用の形で就職し、
同時に絵の勉強をするのが確実だと思います。
こんなあまりに一般的な考えでは満足できないとしたら
‥‥岡本太郎さんのように「芸術は爆発だ」
という信念で、絵の道に進むのがいいと思います。
自分ひとりだけだったら、
バイトしながらなんとかやれるはず。
(いつも、こんな相談受けてます。
 産業カウンセラー 49歳)

=
新卒だから教われることも。

就職して視野を広げるに1票投じました。
まず、大学まで卒業させてもらい、更に学校に
通いたいなら、自分でお金を稼いでください。
自分のお金で生活できて、それから絵を勉強するなら、
親御さんも信用してくださるのではないでしょうか?
それに絵が好きと、絵で仕事ができるかは別です。
適正や技術のため学校に通っても、
好きでいることはできても、仕事にすることは
できないかもしれません。
けれど、仕事をしながらでも、適正(?)がなくても、
良い絵を描く方はたくさんいらっしゃいます。
それに、新卒でしか入れない世界や、
新卒でないと教えてもらえないことは多いです。
CTさんが思うように自分が関わる仕事が将来、
絵や人生にどんな影響を与えてくれるか計り知れません。
なので、まずは絵より仕事を選んでみてはと思いました。
就職する前に辞めることを考えても仕方ありません。
どんな好きな仕事でもやめたくなることはあります。
私も大学時代好きなことを勉強させてもらい、
それでもそれとは別にやりたいことがありました。
そして来年から好きな仕事を続けながら、
やりたいことを勉強しに大学に通いなおします。
(あゆた)

=
ほんとうの志望を忘れずに。

僕も今大学4年生。
本当は報道の道に進みたく、フリーでもいいから
ライターになりたいとすら考えていました。
しかし、大学時代に借りていた奨学金の返済や、
親のすねをかじる現状からの脱却などを考慮すると、
やりたいことだけをして許される
限度というものがあると実感しています。
来年度からは、造船というまったく報道とは
関係のない分野に就職します。
離職率が非常に低い職場だと聞いてはいますが、
社会の波にもまれながらも
今現在の本当の志望を忘れないように、
そのときそのとき冷静に自分の人生設計をしていこうと
考えています。つまり、すきあらば転職も
視野に入れているということです。
それでも、20代のうちに具体的に動き出そうとは
考えています。
(S)

=
叩き上げにかなわない。

就職して視野を広げる、にしました。
しかし、「なんでもいいから安定した職場に就職しろ」
ではありません。
デザイン事務所とか印刷所とか看板屋さんとか、
「絵に関した職場に就職してみる」ことを
なさったらどうかと思います。
絵がたいそうお好きとのこと。
今までまったく関係ない学校で
学んでおられたのであっても、
作品をいくつも作ってこられたはずです。
その作品を持って、とにかく「絵」を描く力を
求められている職場めぐりをするのです。
「美大や美術系専門学校を出た人でないと採用しない」
という、即戦力を求められる職場ももちろんありますが、
そうではないところだってあります。
新卒ということで、現在の技術よりも、
若いセンスややる気をアピールすることも出来ます。
私は芸大を出ました。
そのあといろんなアルバイトなどを転々としながら
作品を作り続け今に至りますが、
正直、技術力やセンスでは、
「絵を描く力を求められている職場」で
叩き上げられたひとにかなわないと思っています。
本当に社会で通用する絵というのは、
社会で揉まれてみないとわかりません。
実地訓練は、勉学に勝る知恵と経験の宝庫です。
(30代の絵描き女)

=
好きなことを仕事にすると。

私はデザイン科のある高校へ行き、
デザインの専門学校へ行きました。
そしてデザイン事務所に1年ちょっと勤めましたが、
あえなくリタイア。
実は、高校からうすうす気がついていたのですが、
私にはデザインの仕事は向いてなかったのです。
そして思ったのですが
「好きなことを仕事にするとつらいだけ」。
せっかく「好き」なことがあるのに、
いざ「仕事」となると嫌でもやらなくてはいけなくなり、
「好き」なことでも嫌々になってしまうのです。
本当に好きで、本当にそれを仕事にしたいと思うなら、
特に絵なんてセンスの問われるモノは、
たとえ他のことをしていても、機が熟せば
自然とそちらに向いてくると思います。
なので「就職して視野を広げる」に一票!
やりたいことはいつでも出来ます!
(匿名・32歳独身女‥‥とほほ。)

=
社会に出て身につくもの。

わたしも就職か専門に行くか悩みました。
わたしは就活前に色に関わるなにかをしたい、
という気持ちがありました。
その時は漠然としていたのでまず事務OLをやりながら
色彩関連の資格をとったりしました。
そのうちに「色を強みに人をきれいにすることが
したいんだ」と結論がでました。
実は、仕事を辞めて1月からメイクの学校に入ります。
学費はすべてこれまでの稼ぎから出します。
親もこれまで働きながら夢に近づけるように
がんばってる姿をみてか、
応援してくれるようになりました。
社会に出て人を説得できる言葉、
思考力がついたので遠回りしてよかったと思っています。
私もその一人ですが、3年で辞めてしまう若者の
風潮のひとりになってもいいではないですか。
辞めるまできちんと礼儀正しく働いていれば
恥ずかしい気持ちはないですよ。
(ナオミ)

=
人のせいにしない覚悟。

私はBに投票しましたが、AとB中間な感じです。
働いて自分で稼いで、絵の道に進んだら
いいのではと思ったからです。
まず、どちらを選ぶにしても選んだことを
人のせいにしない覚悟がいると思います。
私の家は、あまり裕福とはいえず、加えて父親が
「女は大学などに行く必要はない」という
極端な思想の持ち主で、私は19歳から家を出て
一人で暮らし働いてきました。
本当は勉強がしたかった。
周りの人たちのように当たり前に大学に行きたかった。
諦めたことを親のせいにして
高卒という学歴をひっそりと恥じてきました。
でも、違うんですよね。本気でどうしてもしたいことが
あるのなら、自分で稼いで死ぬ気で努力して
成し遂げればいい。ただ、それだけのことだったんです。
簡単なことではないけれど、挑む価値はあったはずです。
どちらを選ぶにしても、「誰かに反対されたから」とか
「環境が」とか言い訳をよそに持っていかず、
これは自分自身で考え決めた道だと
堂々と言える覚悟を持ってください。
素晴らしい人生を歩めますように。
(30代・やまもん)

=
自分の道はいつでもやり直せ。

来春卒業という同じ状況で、
まったく同じナヤミを抱えていることに、
とても親近感を感じて、メールしてしまいました。
私も、本当は絵の仕事がしたくて、
今もその気持ちは変わりません。
でも、現在の進路は、まったく違う方向に向いています。
とても悩んで、大学を辞めようかとも思いました。
結論をさきに言いますと、私は就職を選びました。
もちろん、絵の夢をあきらめたわけではありません。
そのキッカケをくれたのが、
イラストレーターとして働いている方です。
どうしても、絵の道に行きたくて、
思い切ってメールで相談しました。
そのときに、現実として、絵だけで食べていくのは、
難しいことを教わりました。
私は、まず、絵で生きていくための基盤を
作ろうと思って、就職を選びました。
仕事をすることで、多くの人とかかわりをもって、
経験をつんで、そのことは、きっと、
絵の仕事にいった時にも大きく役に立つと思うのです。
それと、なにより、好きなことをする以上、
経済的に自立する必要も感じています。
仕事をする中でも、少しずつ絵をかきためて
(資金もためて)、家族が納得するような
作品を作り続けてみてはいかがでしょうか?
絵の学校にいかなくとも、絵の仕事にはすすめますし。
自分の道、レールは、いつでもひきなおせるんです。
すすんでみて、やっぱり、あきらめきれなかったら、
あたらしく、レールをひけばいいんです。
お互い、夢に向かって、がんばっていきましょう!
(ひなこ)


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