最新の記事 2006/02/03
 
今回の「ややこしい問題。」、
ほんとうにたくさんのご投票と、
ご意見のメールをいただきました。
ありがとうございました!

同様のことで悩まれたり、
進学や進路で迷われたことが
みなさんにあるのだということがわかりました。

正解のないのが「ややこしい問題。」です。
さらに今回、どちらを選んでも、
その後思うように行くかどうかは、わかりません。
ややこしいですね。

さて、多数派はどちらだったのでしょうか。
まずは、相談の内容をもう一度ご覧ください。

問題14 浪人か現役か‥‥


ぼくは文系で現役の高校生です。
将来は、起業家になろうと思っています。
しかし、センター試験の結果が悪く、
希望していた国公立の大学には、
行けそうもありません。

そこで、もう一つ下のランクの大学を
受けるべきかどうかで悩んでいます。
たとえ浪人したとしても、
必ず来年、希望の国立大学に
受かるという保証はないですし、
ほかの大学ならばおそらく現役で入学できるという、
今せっかくあるチャンスを
ふいにするのは良くない、と思います。

そう考える一方で、
「この一年の努力はどうなる?」
というぼくのプライドや、
希望大学へ入学することを目指して作ってきた
「大学生の理想像」を捨てるには
あまりにも残念だと感じています。

あくまで人生を築いていくのは自分自身であり、
大学はそのために必要な環境だと考えています。
果たして、ぼくは浪人を覚悟して
希望通りの大学を目指すべきなのでしょうか?
それとも、今年現役で入れる大学へ入り、
着実に前へ進むべきなのでしょうか?
(HK)



いかがでしょうか。選択肢は次のふたつです。

A:ほぼ浪人を覚悟して、希望大学を受けてみる
B:今年の入学を目指し、合格圏の大学を受ける

では、みなさんの投票の結果を発表します!



ほぼ浪人を覚悟して、
希望大学を受けてみる
   
   


という結果になりました!

では、集計の中身をご覧ください。

投票総数:5869

A:希望大学を受けてみる 62.9%
B:合格圏の大学を受ける 37.1%

あとで紹介しますメールを総合すると、
試験は受けてみるまでわからないということと、
その学校に行きたいという気持ちを
優先しては? ということを考えた方が
数的に多かったようです。

しかし 「B」を選んだ4割弱の方々も、
メールを拝見しますに、
悲観的な考えではなく、前向きに検討して
選ばれた方が多かったようです。

男女別
女性

A:64.0%  B:36.0%
男性

A:60.6% B:39.5%

女性の方が、希望の大学に挑戦するほうを
多く選ばれていました。


年齢別



女性


男性


いかがでしょうか。

よろしければご感想など、お送りくださいね。

メールをくださったみなさま、
ありがとうございました。
厳しい意見でも心のこもったメールばかりで、
すべてを紹介できないことが残念なほどです。

とてもたくさん、「体に気をつけてがんばってください!」
といった言葉を見かけました。
相談者のHKさんをはじめ、受験生のみなさん、
がんばってくださいね。

=
去年私も似たような経験をしました。
そこで私が選んだのは、
合格圏内の大学に行くことでした。
別にひとつの大学にこだわる必要はなく、
ランクを下げる形であっても私は後悔していません。
大学に求めるものは入学してからわかるのですが、
勉強だけでなく友人関係やサークルなど、
たくさんあります。
浪人していいこともあるとい思いますが、
私はBを選ばさせて頂きます。
(19歳・女性)

=
僕も今、HKさんとほぼ同じ状況にいます。
模試等の判定ではいつも安全圏だったので、
センターで失敗した時のことは考えていませんでした。
合格の可能性はかなり低いです。
それでも第一志望の大学に賭けてみようと思っています。
ただ一つだけ違うのは、僕はまだ将来の夢が
決まっていません。
自分は何がしたいのか、深く考えようとしても
何かモヤモヤした気持ちがどこかにあって、
うまく自身と向き合うことが出来ずにきました。
浪人という道が見え始めてきたいま、
すこし思ったんです。
たった4年間しかない大学生活。
中途半端な意識で行ったとして、
充実した結果が得られるのだろうか。
もう1年間、バイトしたりいつもと違った
生活をしてみて、自分を見つめなおす期間が
あってもいいんじゃないか。
長い人生で、ほんの一歩みんなとのスタートが
遅れてもどってことないさ。
早めに挫折を味わったほうが、この先
ちょっとだけ強くなれるかな‥‥。
一浪くらいなら親も頼らせてくれるので、
こんな考えなのかもしれません。
甘いでしょうか。
どちらの道を選んだにしろ後悔は残ると思います。
でも、やっぱり志望を落としてあとあと残念に思うのは
いちばん避けるべきことなんじゃないかな。
(ss)

=
現役で合格圏を! と投票したら劣勢でびっくり。
私は現役で国立大に受かった人間ですが‥‥
正直どこの大学にいっても
そのときの自分に必要な出会いは必ず訪れると思います。
そして、どんな大学にいっても、自分の夢が本物なら、
かなえる努力はできます。
きっと、浪人して一年粘ったら、
その間に身につくものもあるんだと思う。
同じ学年の仲間にも浪人して入ってきた人いるし。
でも、「入ってみなくちゃ分からない」ことって
たくさんあると思うんです。
今目指している(今年は無理そうな)大学が、
本当に将来なりたい!って描く自分に合っているの?
今描いている理想の大学生像が、すべてなの?
浪人って、きっと気力も体力もいるし、
経済的にも親に負担をかけると思う。
来年は合格しなきゃッてプレッシャーもあるだろうし。
それよりも、今巡ってきた出会い、
というとらえ方をしてみては?
だいいち、そのランクを下げた大学だって
受かるかどうかやってみなくちゃわからないわけだしね。
固執してチャンスを一度のがすよりは、
チャレンジして欲しいです!
(Ks)

=
この問題は、私にとっても切実なものです。
私は「A 浪人を覚悟して希望大学を受験」を
実体験で選びました。
私は今も受験生です。今年も18歳のときと同じ
希望大学を受験するつもりです。
今も悩んでいます。が、悩みながら決断はしました。
「就きたい職業、学びたい学問、行きたい大学」を
決めたのは16歳のときでした。
どうしても諦める事ができません。
周りの友人が就職活動をしていたり、
楽しそうな大学生活の話を聞くのはとても刺激にもなり、
また辛く感じる時期もありました。
金曜日の結果とさまざまな意見を楽しみに、
また覚悟しながら待ってます。
(20歳、女)

=
「ランクを落として現役合格」に投票しました。
理由は私が高校受験のときに
志望校に入学できなかったからです。
私は中学のときガラス工芸の道に進みたくて、
デザイン系の学校を希望したのですが、倍率がとても高く
担任からも諦めるように言われ諦めたのです。
私の人生の最終目標はその学校に行くことではなく、
手に職をつけることだったので、
自分の成績の範囲で入れる工業高校に入学しました。
結果、就職難と言われていた頃に
無事就職することが出来ました。
相談者の方も最終目標は起業家になることと
言っているので、希望の大学でなくても、
最終目標は叶えられるのではないかと思います。
いま、私は会社の下っ端ですが、
少なくとも成功者というものは、
周りの環境のせいにはしていないと思うのです。
大学での生活を有意義に過ごすか否かは
相談者さんに掛かってます。
今は前に進むことを考えるべきだと思います。
(e)

=
「浪人覚悟で希望大学を受験」に投票しました。
が、実は本当は、どちらでもいいと思うんです。
意外に大人になっても
「あの浪人生活から私の敗北は始まった」とか
「あの頃、第2志望に甘んじたような
 心の弱さが自分にはある」とか
そのあたりの決断でぐずぐず言い続けている人がいます。
でも、多分ぐずる人はどこに行っても何をしても
ぐずるのかなと思っています。
今回ご相談の方は
前向きな人のように思えるので、
きっとどちらの大学になっても学生生活も
社会人生活も楽しめるのではないかなと思います。
だから、どっちでもいい。
現役で第2志望になったとしても、
浪人したあげく結局希望大学をあきらめたとしても、
もちろんすんなり第1志望になったとしても、
くさらず楽しむ気持ちで挑めば、
きっと素敵な日々になると思うので、
希望のままに行動する方に投票しました。
(会社員・女・32歳)

=
Bです。
恥ずかしながら私は二つ大学に行きました。
一度目に入学した大学が志望大学でなかったので
中途退学し、親に無理を言って
もう一度受験させてもらったのです。
卒業して思うことですが、
勉強したいという意欲さえあれば、
どこの大学へ入学しようがあまり変わらないですよ。
行かせてもらった手前、親には言えませんが‥‥。
前の大学でも同じように研究できたのでは?
と思いましたもん。
入学前というのは大学に夢を抱くものなので
志望校に固執する気持ちもわかります。
その大学にどうしても教わりたい先生がいる、
充実した設備があってはずせないというなら別ですが。
それに有名大学だから就職に有利かというと
たくさん就職口は他より多いかもしれませんが、
将来自分が目指している職業に就けるかというと
そうでもないですよ。
ただ、あの時ああしていればと後悔したくない、
またはその大学というブランドが
どうしてもほしいという場合は‥‥
いちかばちかトライしてみても良いかと思います。
(an)

=
希望大学で過ごす4年間と、
第一希望ではないが滑り止めで合格した
(と本人が感じてしまう)大学で過ごした4年間では
得るものが格段に違うと思います。
たとえ同じ事を経験しても、
「とりあえず入った大学だし」という思いが
少しでもあると、せっかくの経験も
台無しになってしまうと思うのです。
長い人生、少し遠回りしてもいいのでは?
もし浪人して希望する大学に合格できる可能性が
あるのならば(たぶん、この相談者の方だったら
大丈夫!だと私は思います)、
私はそちらの道を勧めます。
大学4年間は生涯の友達、
そして様々な経験ができる場所です。
是非、たかが4年と思わず、
自分の可能性にかけてがんばってください。
(momomo)

=
私は現在、大学3回生です。
高校の時に、希望の大学に現役で合格しました。
当時から私には、ゲームクリエイターになるという
目標があり、そのために大学で
プログラムの勉強がしたかったのですが、
大学を卒業する為に必要な勉強は
ゲームとは関係ないものも多く
(役に立つものももちろんあります)、
クリエイターの為の勉強は、
大学に頼らず自分でしなければならない状態です。
3年大学で勉強してきて思った事なのですが、
既に「こうなりたい」という目標が
自分のなかにある場合、その為の勉強は
大学に頼っていてはダメなのではないでしょうか?
起業家になるというのは、
あまり詳しくないですが恐らく、経済や法律、
産業について勉強しなければならないのでしょう。
それは確かに大学でも学ぶ事はできます。
しかし大学に行けば、同じ事を勉強している人間が
山ほどいます。
その山ほどの人間と同じ事を勉強しているだけで、
起業家になれるとは到底思えません。
HKさんは、早く「大学に受かる為の勉強」から
卒業して、「起業家になる為の勉強」を
始めるのが良いのではないかと思い、
Bに投票させていただきました。
いずれの選択をされるにせよ、
勉強は大学だけでするものではありません。
HKさんが立派な起業家になれるよう、
応援したいと思います。
(P)

=
浪人どころか女子の大学受験まで反対する父親と
すったもんだの末、地元の国立大学を
たった1校だけ受験した私。
運よく受かり、卒業したものの、
「あの時落ちていたとしても、
 自分の意志を貫いていれば…」と長い間、
後悔が続きました。
私にとって地元の大学は「教育大の美術科」であって、
行きたかった「美術大学」とは
似て非なるものだったのです。
ぜひ、自分の思いを貫いたという満足感で
前進して言ってほしいと思うので、Aを選びます。
(S)

=
目的にもよると思います。
その大学のその学部でしか学べない
特殊な学問だったり(天文学とか冶金学とか、
 マイナー言語の文学、その大学にしか
 伝統のないジャンル等)、
そこに師事したい先生がいるとかなら分かります。
でも、目標は「起業家」なんですよね‥‥?
どこを出ても、どうにでもなるのでは?
それより、「実務」ではない「浪人」を
一年もやるなんて、起業家として、
「ムダだ」と思わないのかも疑問です。
(T)

=
「ほぼ浪人を覚悟して、希望大学を受けてみる」
に投票しました。
私も今、個別指導の塾で受験生を指導しています。
中には家庭の事情やその他もろもろの要因で
志望校のレベルを下げる人もいます。
それもいいとは思うのです。
ただ、本当は内心「一浪くらいしてもいい」と思います。
私自身は志望校に現役合格しましたが、
一浪した人は周囲にたくさんいます。
もちろん「あんな経験は必要ない」という人もいますが、
浪人時代に新たな親友と出会ったりして
人間関係を含め世界がとても広がったという人も
少なからずいます。その上で志望校に合格して、
希望している人生を歩めるなら
それが一番いいと思います。
ただ気になるのが、この方が
「「この一年の努力はどうなる?」
 というぼくのプライド」
を気にしていることです。
来年になると「この二年の努力はどうなる?」という
プライド(むしろこれは意地と言うべき)になります。
そのとき志望校に合格しなかったら?
きっとこの人は「この二年の努力」を気にして
また悩み、「三年の努力」に向けて
努力するかもしれません。
一年なら浪人もいいでしょうが、
人生は大学だけではありませんし、
希望の大学に行けなかったから
人生台無しになるわけでもありません。
この方に必要なのは、
(そして多くの受験生に必要なのは)
実は志望校に合格すること自体ではなくて、
そのための努力の限界を知ることと、
受験勉強における「一年の努力」が
いかにどうでもいいかを知ることだと思います。
一浪して大学に行けば、現役で「プラス一年の努力」を
せずに大学に入った人が大勢います。
そして、その人たちと一浪した自分との間に
キャリア(あえて人生とはいわない)の差は
ほとんどありません。というわけで、
「ほぼ浪人を覚悟して、希望大学を受けてみる」
に一票です。
(まる)

=
このように揺れた気持でいては
1年間の浪人生活を維持するのは、きついと思います。
どうしてもここに行きたいというほど
今の希望大学に執着がないのなら
早めに大学生になったほうがいいのでは?
(第一志望1校しか受けなかった元受験生)

=
Aに1票、です。
私は塾の講師を15年しています。
生徒の進路相談に対して、一番に考えることは
「できるだけ後悔をさせないこと。」です。
今、受験校のランクを落として合格しても
どうしても「あの時受験していれば・・・」とか、
「1年浪人していれば・・」とかの
後悔が生まれてしまいます。
「この大学に来るはずじゃなかった」
と思うのも悲しい話ですし。
現役の1年間の頑張りも評価すべきとは思いますが、
浪人しても充実した1年が送れると思います。
と言いますか、個人的には
ぜひ浪人していただきたいです。
1年間勉強だけし続けることは
人生の得がたい経験になります。
(TOM)

=
Bの合格圏内の大学を受ける、に1票です。
まだ試験を受けられる時間があるのなら、
どんどん受験した方がいいと思いますよ。
あなたの『1年間の努力』を無駄にしないために。
浪人するかしないかは、
それから考えてもよいのではないでしょうか。
私も国立志望で1年浪人しましたが、
そのとき予備校の先生に
「よほど特殊な実験や研究をする学科でないかぎり、
 大学で勉強することはそれほど大差はない。
 そして勉強する気があれば、
 どんな場所でも学ぶ事はできます。
 自分が興味を持って選んで受験して
 合格した大学なら、
 偏差値が多少低くても入学しなさい」
と言われました。
結局国立は2度目も落ちてしまい、
私立しか受からなかったのですが、
素直な気持ちで入学しました。
(親には経済的に迷惑をかけてしまいましたが‥‥)
4年間その言葉を忘れなかったので、
勉強も遊びもしっかり楽しみましたよ。
楽しい大学時代を過ごせるよう、祈ってます。
(@A.K@)

=
娘はこの春大学生活5年目に入ります。
最初、音楽系の大学を受験しましたが
合格できませんでした。
なので、1年間ずっとピアノの個人レッスンを受けていた
教授の大学へ通いました。
その一年間は技量を磨きつつ、目標の大学の受験科目を
予備校にも通いながら必死の一年を過ごしました。
いわゆる仮面浪人ですね。
万が一のことを思うと大学での勉強もおろそかには
できません。親から見ても頑張ったと思います。
翌年、通っている大学の試験と受験が重なったり、
大学でインフルエンザが流行して罹ってしまい
高熱を出すアクシデントがありましたが、
家族で一丸となって乗り切り無事希望大学に入れました。
彼女曰く
『もし、あのときにストレートに受かっていたら
 私はつまらない人になっていたかもしれない。
 あの一年は本当に辛かったけど
 自分にとっては素敵な一年だった。』と。
あの一年があったからこそ、
人の痛みもよくわかるようになったし、
親のありがたみや多くの人に支えていただいた事が
よくわかったそうです。
ご自分が後悔しないか、が、
決めるポイントだと思います。
頑張ってください!
(うろん 45歳)


このコーナーへの感想、
または、解決したいあなたのおなやみは、
メールの表題を「ややこしい問題。」と書いて
yayakoshii@1101.comに送ってくださいね。

「ややこしい問題。」は、
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どうぞよろしくお願いいたします。
 
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