『月刊やさい通信』
これをみればゴールデンウィークから
自宅でも永田農法の野菜が作れます!

再放送はBS-2で5月2日、総合テレビでは5月8日。
はじめて作る夏野菜は「きゅうり」がおすすめ!


お話をうかがった人:諏訪雄一さん
(NHKエンタープライズプロデューサー)
2004年夏に放送された
『糸井重里のおいしい野菜つくっちゃいました』の
プロデューサー。
この番組がきっかけで10年以上、趣味で続けていた家庭菜園を
全て、永田農法にきりかえた。
野菜も番組も作れるという稀有なプロデューサーである。


休日にお知らせしたせいもあってか
「見逃しちゃいました!」というメールが
いくつも届いた『月刊やさい通信』。
夏野菜の植え付けに間に合うまでに再放送があります。

NHK衛星2(BS-2)では
5月2日(月)深夜3時25分から。
NHK総合テレビでは
5月8日(日)午前4時30分から。

どちらも極端に遅いか早い時間ですから
録画予約はお忘れなく。

この『月刊やさい通信』が
生まれるもとになったのは
昨年、夏に放映された
『糸井重里の
 おいしい野菜つくっちゃいました』
という番組。
再放送やDVDソフト化を望む声が多かった、
この番組が一冊の本になったのです。


野菜作りの現場で使える本になりました。

諏訪 『糸井重里の
 おいしい野菜つくっちゃいました』

という番組は35分という限られた時間に
さまざまな要素が
詰め込まれていた番組でした。
放送後にはDVD化を望む声が
「ほぼ日」にもNHKにも
たくさん届きました。

映像というのはリアルタイムで
観ているぶんには臨場感がありますが
実際の野菜作りの現場では
ビデオやDVDで確認するよりも
本が手元にあったほうが
いいみたいなんです。
それでNHK出版から
昨年、夏の番組では
詳しくお伝えできなかった所も再編集して
市民農園が一番の農繁期を迎えるこの時期に
出版することになりました。

今まで永田先生については
いろいろな本が出てますが
この本はこぐれひでこさんや
新宿にあるオフィスビルの
ベランダ栽培に参加してくださった方の
実体験をベースにしたマニュアル本です。
こういうマニュアル本は
ともすれば教科書的に
なってしまいがちです。
どういうところが難しいのか?
楽しいのか?ポイントなのか?
がわからないものが多いものですが
この本に関しては実践的な
ハウツーを元にしているので
リアリティーをもって利用できると思います。
ほぼ日 表紙だけをみると
ちょっとオシャレなかわいい本に見えますが
中を開くと骨太な内容であると?

諏訪 ええ。(笑)
表紙だけをみると
よくあるガーデニングとか
家庭菜園のやさしいかわいい本ですが
いきなり石ころだらけの畑から
石を取り除く作業ですし、
「こんな土砂捨て場みたいな所から
 本当に野菜ができるのか?」
というようなところから始まります。
でも、できちゃうんですよ。(笑)


畑から石を取り除くこぐれさん

去年の番組で知って
一番驚いたのは
「苗を植える時に
 根を切ってしまうということ。」
この事は今まで出た永田先生の著作にも
一切、書いてないようなことなんですけど
「苗を植える時は
 とにかく根を大事にしろ!」
という今までの農業の常識と
全く違ってて永田先生のやり方では
根をばっさりと切ってしまう。

ぼくも10年以上、
家庭菜園をやってますから
当初は
「このやり方だと、
 枯れてしまうんじゃないか?」
と思っていたんです。
それが実際やってみたら、
ものの見事に根が復活して
むしろおいしい野菜ができてしまう。

「どうして根を切って
 おいしい野菜ができるのか?」
ということは番組でも
細かく説明が出来なかったので
この本では新たにコーナーを設けて
説明しています。
その他にも
「どうして肥沃な土地じゃなくて、
 石ころだらけの荒れ地がいいのか?」
「どうして水で薄めた液体肥料だけで
 これだけおいしい野菜が育つのか?」
ということも永田先生に再取材して
詳しく解説を入れてもらいました。

時間の関係で番組では放送できなかった部分も
番組収録で使ったハイビジョン映像を
取り込んで編集しました。
番組では伝えきれなかった部分を
本当にあますことなく
この本につぎ込めたと思います。
ゴールデンウィークの
夏野菜の種まき植え付けと
ぴったしにできてますから
この本を読んで園芸店で苗と種を買えば
夏にはおいしい野菜ができちゃうと思います。


昨年、番組で収穫した野菜たち
ほぼ日 はじめて野菜を作るとしたら
どれから始めるといいですか?
諏訪 はじめてやる方だったら
きゅうりやミニトマトですね。
ナスやトマトは病気がでやすいんですが
きゅうりは病気になっても
根性が強くて、実がたくさんつくんです。
全滅して全く収穫できないということも
ないし、短期間でできます。
永田農法でやると
きゅうりも糖度があがるし
香りと甘味が強くなりますよ。

きゅうりは露地なんかだと
夏のピークは7月末からお盆にかけて。
何株植えるかによりますけど
お盆のころなんかは
朝、晩、2回とってもいいくらいですね。
とってもとっても
食べきれないくらいにできます。
きゅうりは夜、成長するんですよ。
夕方タバコくらいだったら
朝には一本のきゅうりになります。

きゅうりはトマトやナスに比べて
日照時間が短くても大丈夫なので
日当たりの悪いベランダで
一日3時間くらいしか日が
当たらないという場所でも
トマトやナスに比べ、
実がいっぱいとれると思います。

余談なんですが永田農法で作った
きゅうりは猫が食べるんですよ。
以前、先生に聞いたんですけど
どこかの畑で永田農法で
きゅうりを作っている時に糖度があがって
動物がかじった後があると。
そこは山じゃないので
たぬきとかが出てきてかじるわけがないし、
原因が解らなかったんで
定点カメラを設置して調べたら
野良猫がきゅうり畑にあつまって
きゅうりをばくばくかじっていたらしんです。
その話しを聞いた時は
「猫がきゅうりを生かじりしないだろう」と
あまり信じていなかったんですが(笑)
去年、自分で永田農法で
きゅうりを作ってみたときに
結構、背の低い場所にあるきゅうりばかりが
かじられていたんですよ。
もしかして‥‥と思って
夜中に畑にいってみたら
うちのきゅうりの畑から
野良猫がたくさん逃げていったんですよ(笑)
きゅうりもかじられた後が残ってて。
永田先生の言ってたことは本当でした(笑)
露地で作る時は
野良猫に気をつけた方がいいかもしれませんね。
ほぼ日 野菜作りをすぐにでも始めてみようと
思っている人はまずは何から揃えればいいですか?
諏訪 プランターで育てる方には
鉢や土と液体肥料ですね。
土は栄養分の無い赤玉だとか
鹿沼土、日向土を選んでください。
『花と野菜の培養土』といって
あらかじめ栄養が入った土がありますが
永田農法で野菜を作るのだったら
全く肥料の入っていないものを
つかってください。
要するに栄養分については
ゼロの状態にすることが大事なんです。
栄養の入っている土よりも安いですし(笑)

液体肥料はいろいろ出てますが
基本的に永田農法だと
窒素、リン酸、カリという
植物を育てる三大栄養素が
入っていれば大丈夫です。
それは園芸店で聞けば
教えてくれると思います。

もっとスペースがあって、
畑が使える場合は
ビニールマルチというシートをはりますから
これだけはあった方がいいでしょう。
あとは種か苗があれば良し(笑)
お金もかかんないものばかりですし、
これから収穫まで半年楽しめますよ。

(つづきます!)

お知らせ
「月刊やさい通信」をご覧になったご感想を
ぜひ、postman@1101.comまで
件名を「やさい通信」としてお送りください。
ご感想をいただいた方の中から
抽選で5名のみなさんに
『糸井重里のつくって食べようおいしい野菜』を
差し上げます。




『糸井重里の つくって食べよう おいしい野菜』

著者
糸井重里・永田照喜治・こぐれひでこ 著
NHK「糸井重里のおいしい野菜つくちゃいました」
制作班 著
定価   1,260円 (本体1,200円)
ISBN   4-14-040212-1

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2005-05-02-MON