2007年04
住まいは山の方にあるので、
街の方より虫の被害が多く、
色々な虫たちが永田農法のおいしい野菜に
集まってきていました。
農薬を今回は使わずに様子をみようと
あえて対策をしなかったということもありますが、
天然成分のものは
あまり効果が無かったようです。
そこで質問です。
虫の被害を少なくするためには
どの農薬を使ったらいいですか？
category:



諏訪さん 農薬の問題は、本当に皆さん、気にされています。
私も、15年前に野菜づくりを始めたときは、
無農薬栽培にこだわりました。
ただ、ＤＶＤ制作や番組づくりなどで、
仕事として野菜に関わるようになり、
かなり農薬や有機栽培の勉強はしました。
その上での結論です。

むやみに農薬を恐れる必要はありません。
日本で、農薬として販売されているものは
かなりの厳しい検査、
研究を重ねて認可されていますので、
説明書に書かれたとおり、
正しい使用法を守れば安全です。

最近では、天然農薬といって、
植物が本来持っている毒性の方が強い、
という研究データもあります。
例えば、コーヒーのカフェイン、
トウガラシの辛味成分のカプサイシン、
またシップ薬に使うインドメタシンなどの毒性は、
通常の農薬の10倍以上、あります。
どうしてこのような例を持ち出したかというと
これら天然農薬が危険だということではなく、
それくらい、農薬は安全なものです。
ということなんです。

レモンの皮の防カビ剤は、
レモンの果汁に本来含まれている
フラボン化合物より安全ですし、
ジャガイモの新芽が出るのを防ぐために
農薬を使うことがありますが、
これも、新芽が出てしまった時に、
その新芽に含まれるソラニンよりも
安全性が高いのです。
ようするに、リスクの比較の問題なのです。
ちなみに食塩だって、
一気に飲みすぎたら、死亡します。

さて、品種に対する農薬ですが、
オクラの新芽の時のアブラムシ、
トウモロコシの収穫前のアワノメイガの幼虫、
トマトのアブラムシやコナジラミは、
ぜひとも防除したいですね。
ただし、これはこれで沢山の薬品があるので、
お近くの園芸店の専門家に相談されるか、
このホームページが役立ちます。
それぞれの品種や病気にあわせて
検索してみてください。

 
© HOBONIKKAN ITOI SHINBUN