2006年08
トマトとナスを2本づつ庭で作っています。
雨よけのハウスをして
ハウスの大きさにあわせて
苗を定植したのですが
定植間隔が短く、30cmくらいしか
間をあけませんでした。

最近、実もつき始めたのですが
想像を超えて成長しはじめ
お互いの葉っぱや茎が絡み合う状態です。
移植を行ったほうがよいでしょうか?
今の状態から移植を行う場合の
注意点などがあったら教えてください。

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諏訪さん 結構、大きくなってきてから
移植をしようとすると
苗のダメージが心配です。
基本的には出来ないと考えてください。
ぼく自身も15年作ってますが
ナスやトマトを大きくなってから
移植したという経験はありませんし、
今まで読んだ本や
見てきた農家でも見たことがないので
掘って移植するのは
根もはっていることですし、
厳しいと思います。

どうしても最初はたくさんつくりたいですし
限られたスペースにぎっしり植えてしまうものです。
苗の時は高さもそんなにないですし
それなりに植えることはできるのですが
ナスやトマトは一度作ってみて
わかったと思いますが
結構、大きくなるものなのです。

葉と葉がふれあうことで
日照や風通しが悪くなることによって
病気や虫が発生しやすくなります。
実がなったとしても味が落ちてしまう。
密植すると一見、多く収穫ができそうですが
そういうことでもないんです。

今回の経験でどれくらいの大きさになるのか
ということがわかったと思うので
最初に余裕をもって苗を植えてください。

家を買ったり借りる時も
「子供が出来るまでは
 これくらいでいいだろう」
と思ってはいても
子供が実際、育ってくると
「これじゃ狭いよ!」ということが
あるものです。
これはぼく自身の話ですが(笑)。
家の場合はなかなか変更できないですが
幸い、野菜づくりは毎年の経験の積み重ねで
一年周期で答えがでて、
学習ができるので
この経験を来年に生かして
苗を選ぶとき、買うときに気をつけてください。

ひとつだけ
「責任はもてませんが」という前提ですが
ぎりぎり間に合うかなという方法があります。
ナスは夏の終わりごろに
「強剪定」といって
全体の株の3分の1くらいの枝を
切ってしまいます。
そのほうが秋ナスがおいしいものが
とれるから行うのですが
7月の下旬などにナスが
葉ダニなどがついて
全体的に疲れているなという印象があった時に
行います。
あわせて根にスコップをいれて
根の半分くらいを切ってしまうんです。

もしかすると「強剪定」をしたものを
移植するとナスはうまくいくかもしれません。
ただ、「責任はもてない」のが欠点です。

 
© HOBONIKKAN ITOI SHINBUN