2006年04
3坪ほどの畑に野菜を植えようと計画しています。
収穫後には、枝や根が残ると思うのですが、
これらはどう利用したらいいですか?
それとも処分するのでしょうか?
category:
諏訪さん 枝や根は、
基本的に全て取り除いてください。
土の中に残すと、
いずれ分解して
まさに有機肥料となってしまいます。
不耕起栽培のように、
あえて根などを残す方法もありますが、
永田農法は、
極力余分な栄養分がない土壌で
液肥だけでそだてますので、
取り除いてください。
とった根などは、堆肥をつくる場合は、
堆肥の材料にしますが、
永田農法では、その必用もないので、
野積みして乾燥させて燃やすか
(草木灰になるので、
 ジャガイモの切り口などに
 つけても良い)
可燃ゴミとして処分します。

ただ、畑からの撤去は
あまり神経質にならなくて良いです。
私も、大きな根は取り除きますが、
ふるいにかけて、
細かいものまでとるようなことまでは
していません。
本格的な菜園シーズンが始まります。
おいしい野菜をつくってください。

昨年育てたサトイモの親イモを
今年使ってみたいのですが、
どのようにすればいいですか?(アカイモです。)
今、土の中に逆さまにして埋めて保存しています。
注意点、コツなどあれば、おしえてください。
category:
諏訪さん お気に入りのイモは上手に保存して、
毎年使いたいですね。
逆さに入れてあるので、
良い状態で保存されていると思います。
基本的には、市販の種イモを選ぶ時と同様に、
形がよく、丸くてふっくらとしているもの、
つまり病気に冒されていなく、
また
保存中の傷みなどないもの選んで植えます。
春先になるべく早く芽を出し、
生育期間を長くするほど
沢山のイモができますので、
植え付け時には、
透明のマルチーシートなどで地温を上げて
初期の成長を早めると良いです。
梅雨以降は、マルチを外して、
土寄せをしたほうが、
良質のイモができるようです。
また、同じ場所で連作をすると
サトイモを好む土壌線虫が増えますので、
輪作してください。
液肥は、一週間に一度。
梅雨明けの高温乾燥がひどいときは、
3、4日に一度あげても良いです。
DVDにあるように
茎の根元の窪みに
溜めるようにあげると効果的です。
それでは、おいしいサトイモを作って、
晩秋にはイモ煮鍋をお楽しみください。

昨年まで、畑に堆肥をいれていました。
少し酸性に傾いているとおもいますが
肥えた土だとおもいます。
永田農法では、余計な土になっている気がします。
どうすればよいでしょうか?
category:

諏訪さん 確かに肥料分が全く含まれていない土の方が、
液肥の量などが計算しやすいので理想です。
しかし、それは、恒常的に
良質な製品を大量に作らなくてはならない
プロの農家の場合であって、
家庭菜園では、
あまり気にしなくて良いようです。

実際に私(諏訪)の畑も、
永田農法に切り替える前まで10年間、
堆肥や有機肥料を入れていたので、
肥えた土になっています。
それでも、永田農法にしてから、
全て液肥のみとすることで、
実際にはおいしい野菜ができていますので、
問題ありません。
あとは、育てながら、
土が肥えているので肥料が
だいぶ効きすぎているなと思ったら、
(成長の勢いが良すぎる、
 葉の緑色が濃すぎる、
 スイカやサツマイモなどつるボケしている)
液肥の割合をさらに薄くするなど、
多少は抑制してください。
また、トウモロコシを植えると、
土に残存する肥料分を吸収してくれるので、
輪作の中に、トウモロコシを
入れることをお勧めします。

いずれにしても、
液肥を与えるタイミングや
商品に記されている希釈倍数は
あくまでも基準です。
基準を参考にしながら、
自分の畑の状態に合わせて、
つまり野菜の表情を見ながら
調整してください。
それができるようになれば、
おいしい野菜ができます。
自然には、
いろいろなゆらぎがあるため、
画一的には行かないようです。

トマトの苗作りのため、 種をたくさん植えました。
2週間近くたちましたが、 未だに、芽がでてきません。
小さなビニールハウスにはいれているのですが、
毎日このまま水をあたえ続けてよいものか心配です。

また、接ぎ木の苗は永田農法で育ててよいのでしょうか?
category:

諏訪さん トマトやナス、ピーマンなどの
夏野菜の発芽・生育には
10度以上の温度が必要です。
お使いのような小さなビニールハウスでは、
日中の気温があがっても、
夜間は下がるため、
少し温度が足りなかったかもしれません。
また温度差が激しすぎる
という懸念もあります。
また、ポットに撒いた場合、
毎日水をかけると
過湿になりすぎる場合があるので、
乾いたら水をあげる程度がよいと思います。
もう種が腐ってしまったのか、
ただ温度が足りないのか
その判断は難しいですね。
一つ、掘ってみて、種をよく観察し、
痛んでなければもう少し待ってみる
という方法もありますし、
駄目そうだったら撒きなおししてください。

そろそろ
トマトなどの苗がお店に出てきますが、
農家や種苗メーカーは、
温室に電熱などをいれて暖かくして、
2月、3月に種まき・育苗をします。
こうして育てた苗が、
これから園芸店に出てくるわけです。
4月の中旬になれば、
電熱や温室などがなくても
発芽・育苗できますが、
畑に下ろす状態に育つまでには
一ヶ月以上かかるので
それだけ栽培期間が短くなり
当然、収量も少なくなります。
そこで夏野菜の苗は、
人工的に暖かい環境(夜間も)つくり、
霜が降りなくなった連休の頃には、
既に大きくなった苗を
畑に植えられるように育てるわけです。
(夏野菜の原産地は、全て暖かい地方です。)
こうすると例えば、トマトでは、
7月中旬から9月一杯、
収穫ができるわけです。

私も以前は4月になってから
自分で種を撒いていましたが、
それだと収穫期間が短くなるので、
最近は、トマト、ナス、ピーマンなどは、
全て苗を購入しています。
ただし、キュウリは収穫期間が短いので
直播も組み込んでいます。
また、永田農法は
特別な品種を使うわけではありません。
一般の種や苗です。
ですから、病気の予防もあって、
私は接木苗を買います。
 
© HOBONIKKAN ITOI SHINBUN