第7条:液体肥料は1週間に1度あげる
ほぼ日 永田農法の基礎をまとめた10か条、
続いて第7条をお願いします!
諏訪 はい。第7条は、
「液体肥料は1週間に1度あげる」
ということです。
一般的な農法だと、最初に土の中に
固形肥料をドバッと入れてしまうので
追肥といって後から肥料をあたえることは
あまりしないんですが、
永田農法は1週間に1度、
液体肥料を追肥する必要があります。
ほぼ日 一般農法に比べると
こまめに世話をしなければいけないんですね。
諏訪 そうですね。
たしかに、肥料の回数でいうと
永田農法のほうが手間がかかります。
あ、でも、誤解しないでいただきたいのは、
永田農法は肥料をあげる回数は多いですけど、
トータルとしてあげる肥料の量は少ないんです。
こまめにちょっとずつあげていくので
回数が多くなるというだけなんです。
ほぼ日 なるほど、なるほど。
一度にたくさんあげるのではなくて、
1週間に1度、ちょっとずつ
あげていけばいいのですね。
諏訪 はい。
ただ、「1週間に1度」というのは
あくまでも原則的なペースです。
このペースを軸にして、
植物の状態を見ながら、
コントロールしていく必要があります。
ほぼ日 そのあたりは、経験を重ねながら
わかっていくしかないんでしょうか。
諏訪 正直、その加減は難しいところですね。
文字と写真だけでは伝えづらいので、
DVDにある実際の映像を参考にして
さぐってもらうしかないんです。
1年、2年と、やっていくと、
緑の濃さとか成長の具合とか
花のつき方とか実の大きさなどを見て、
適正な肥料の量と頻度を
判断できるようになっていくと思います。
ほぼ日 DVDを販売した最初の年度は
1週間に1度というペースでは
液体肥料が足りないケースが多くあったようです。
諏訪 そうそう。おととしの夏は、
すごく雨が多くて冷害に近かったんですね。
そういうときは肥料の吸収力が落ちてしまうので、
液体肥料を500倍に薄めていたのを
300倍にしてみるとか、
それでも成長が悪いときは
3~4日に1度あげるとか、
そういう調整が必要になってきます。
ただ、基本的には1週間に1度が原則なので、
週末を利用して家庭菜園で育てるという方でも
十分に育てることができると思います。
ちなみにぼくはテニスコート1個大の畑を
一人でやってますけど、
週末農家、週末菜園という感じで
ぜんぜん問題なくできるので
みなさんも大丈夫だと思います。
ほぼ日 液体肥料をあげるペースは1週間に1度。
では、水をあげるペースは?
諏訪 畑で育てる場合は、
基本的に水をあげる必要はありません。
ほぼ日 あ、そうなんですか。
諏訪 ええ。
種をまいたときや、苗を植えたとき以外は
液体肥料をあげるだけで大丈夫です。
畑の保水力というのはすごいもので、
たとえば炎天下の日が続いても、
梅雨明けから2~3週間後くらいまでなら
30センチほど土を掘れば土は湿ってます。
家庭菜園などで
地植えの野菜を育てる場合は、
液体肥料をあげるだけで大丈夫です。
ほぼ日 プランターで育てる場合は?



諏訪 プランターの場合は水やりが必要です。
プランターは、畑にくらべると、
当然、土の量が圧倒的に少ないですから、
土が乾きやすいんです。
永田農法は余分な栄養を与えないのが原則ですが、
水分がなくなってしおれて枯れてしまっては
もともこもありません。
とくに夏場の西日が当たるようなベランダでは
コンクリートの反射熱も強いですし、
プランターが小さかったりすると
朝晩2回ぐらい水をあげないと
枯れてしまうことがあります。
ですから、プランターで育てる場合は、
しなっとしてきたなと思ったら水をあげて、
1週間に1度ぐらいに液体肥料をあげればいいです。
ほぼ日 ちなみに、諏訪さんは
プラスチック製のプランターよりも
素焼きのほうを推奨してましたよね。
諏訪 そうですね。素焼きの鉢は
重いとか割れやすいといった
マイナス面もありますが、
プラスチックはどうしても温度も上がってしまうし、
プラスチック自身が水を放出できない。
素焼きの鉢というのはよくできたもので、
水分を多少吸収するし、夏なんかは鉢を通して
気化熱で水が蒸発してるときに温度が冷えるので、
夏場の暑さ対策にはすごくいいんです。



(つづきます)
2008-04-27-SUN