個人的なユニクロ主義。
柳井社長に至近距離でインタビュー。

第5回 高校生の気持ちで、読んで欲しいです。
     ----糸井重里によるまえがき(5)



この本は誰に読んで欲しいかと言うと、
案外、高校生なのかなあ、と思っています。

つまり、まだ、夢も浮かんでいなくて、
自分のできることが、わからない人たち。

夢が決まっていなくて
自分のできることがまだわからない人なら、
きっと、読んでいておもしろいと思うんです。

逆に言いますと、現実的に、
「こっちの仕事のほうが、給料いいし」
とかいうことを考えすぎている人には、
もしかしたらつまんない本かもしれません。

ユニクロって、
現実だけを見ていると、
みんなが不可能だと思っていたことを、
可能にした企業なんです。

何もはじめていない
高校生のような状態だった地方のいち企業が、
当初の夢さえもはるかに超えた次元のところに、
あっと言う間に走っていっている・・・。
売り上げをアンケートのかわりにしながら、
市場と流通業とを一緒にして
ものを作って販売しているわけで。

すぐに、全国的に、というか
国際的なレベルの企業になっていくという
その速度は?のすごいもんだと思います。
いま、速度を持った仕事をしていきたいと思う時に、
ユニクロのことを思い出さない人はいないでしょう?

そんな速度の中にいる柳井さんに、
ひとつ、わざと聞いていない質問があるんです。

「最終的な目標は、何ですか?」

・・・これは多くの新聞記者の人が
聞きたいと思っていることでしょうけれども、
きっと、それって、いま言ったとしても、
たぶん、変化していくものだと思うんですよね。

だからそういう目標については、
これからのユニクロを見ていくことで
わかってくると思いますし、
例えば、柳井さんとぼくが、
「また、続編を作りたくなったね」
という気持ちになったら、作ればいいんですよね。

そんなように、まあ、
完結した物語になっていないものとして
この本があるという前提で、なおかつ、
何もしていない高校生の気持ちで
読んでもらえると、すごくうれしいと思います。

では、柳井さんの肉声を、どうぞお聞きください。


(次回から、対談に入ります)

2001-10-19-FRI

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