TBS徳川埋蔵金ライブに向けて。
ヘルメットをかぶった
経済番組をご一緒に。

第13回 怒涛の予習篇(その1)

こんにちは。今回からは予習篇です。
放送はじめての人も、埋蔵金にとり憑かれた奴らを、
これからきっちりきっちり、まくっていきましょう。
「はじめてだったけど、これで大晦日も安心だ」
という会話が交わされることでしょう。たぶん。
そして上級者の人はまた、思い出に浸れるよ。
「いやあ懐かしいな、こうだったこうだった」って。

で、この予習ペースですが、
ちんたらやらずに2回でばしっとしめます。
そのかわり1回の量が長くなっちゃいますんで、
さっそく具体的に予習をはじめてしまいましょ。




[1&2回目発掘]

これまでに発掘は10回行われているので、
それを簡単に紹介していきます。ちなみに各回ともに
平均視聴率はほぼ20%前後を記録していて、
同時刻の視聴率1位を獲得してるみたい。すげえな。

埋蔵金プロジェクトといってまず大きく分けられるのが、
第2回目発掘以前と第3回目発掘以後ですね。
第2回目までは、いわゆる超能力番組だったんっす。
「超能力者を使って埋蔵金を探そう」
という軽い思いつきで企画されたんですね。

外国からジムとキャロルという超能力者が参加。
赤城山埋蔵金伝説にまつわる場所を訪れて、
彼らの透視能力を発現させてもらったんだよ。
埋蔵金に深く関わったとされる
3人の人物の墓をそのふたりが透視して、
強く感じるところを掘った……けど、
何も出てこない。何かが出はじめた、というところで
急に岩盤が崩れ落ちてしまったのです。
ここまでが第2回目。

こんな中で、スタッフには欲求不満が残り、
だんだんとこの埋蔵金というテーマに関わる
意気込みが変わっていくんですね。

「山が怒ってるのか! 
見るまでは、やめないぞ!(darling当時談/以下d)」


第1回目発掘が90年3月開始、
第2回が90年11月開始でした。
これはちょうど、ぼくが小学校を卒業して
中学生になった前後の頃ですね。
ブラスバンドに入部しはじめてたな。



[3回目発掘]

第3回目(91年9月開始)からは、
重機投入を加えた本格的な土木作業になっていった。
物証と思われる炭が出土するなど盛り上がるなかで、
何と高さ1メートル奥行き7メートルの空洞、
ぽっかりあいた洞窟が発見されたんっすね。

「穴のなかに入ってみると、
たまらない感動があるんですよ。
もともと超能力者の実験みたいな、
冗談のような話ではじまった発掘が、ようやく
こんな空洞にまで至ったかと思うとね。
こんな地下10メートルのところに、
誰かがこれを掘ったわけでしょう。
埋蔵金じゃなくてただの穴を見つけただけなんだけど、
俺たちはついにやったぞとジーンときちゃって。
望月さん(建設会社社長)とふたりでそこに座りこんで
これは何だろうって考えていたら、自分とは思えないような
清々しい、きれいな気持ちになりましたね(d)」

「何だか、ありがたい気持ちになっちゃったよ。
にっちもさっちもいかなくなった(d)」

このあと次々と洞窟が見つかり、
現場は直径50メートル、深さ15メートルに達するのだが、
しかしこの回の探索も時間切れになっちゃったのだった。

「約10メートルほどの地下の奥深くから、
大遺跡のようなとんでもないスケールの大洞窟群を
見つけてしまいました。この洞窟群のなかに埋蔵金を、
あるいは埋蔵金の手がかりになるようなものを発見しようと
努力したのですが、穴は増えるばかりです。
現在のわれわれの力では、ここまでが精一杯でした。
埋蔵場所としては、
9分9厘9毛までここだと言えるのですが、
あまりのスケールの大きさに圧倒されつつ
今回の発掘を終えることになりました(d)」

このような形で、発掘作業が中心になってきたようです。
想像を超えるスケールの穴が次々と出てくるんで、
「この穴は何?」「何のために?」「どっちを掘る?」
現場の穴だけを見て推理したり作業したりするのには、
魅力とかやりがいがあったろうなあ。
あ、そうだ、「この穴は絶対こっちにつながる」など、
当時は穴掘り仲間内でいろいろな推理が出たみたいだけど、
「絶対」という言葉を使ってはいけなかったんだって。

「これは絶対こうだって決めつけていくと、
何かを形づくることはできるんだけど、
それが逆に『違う像』を
浮かばせてしまうこともあるんですよ。人間はつい、
ドラマチックに物事を考えちゃうものですから、
穴があれば
『この下に金が埋まっている』
とか、木組みの跡があれば
『これで何か重いものを吊り下げた』
とか、そういう言い方をすぐするわけです。
『何か重いもの』と自分では
冷静に表現しているつもりなんだけど、
もうその人の頭のなかには
金しか考えられてないんだよね。
もちろん、その場その場で何かを判断していくことが、
こういう現場の作業では励みにもなるけれど、
あまりにも絶対絶対って言いすぎると、
ほんとに探しているものが
見えなくなっちゃうんですよ(d)」

もう、気持ちとしては考古学者だね。
これが今度の大晦日特番にもつながってるのかな。
堀さんが言っていた「地層を見て掘る」
みたいな現場の知恵も見えはじめてきたんでしょうね。
この頃のぼくは中学2年です。まだひきつづき、
毎日毎日クラリネットをプースカ吹いてました。



[4回目発掘]

第4回目発掘(91年11月開始)でもいくつかの
新たな穴、それに茶碗や木片が出土しました。
同じ地層にあるにも関わらず石の種類が違うなど
(つまり、自然に堆積したのではなくて
 外部から持ちこまれた可能性がある)、
もう一歩で見つかるという雰囲気はあるのだが、
どうしてもその何かが出てこない。
またたくまに発掘期限が来てしまったのでした。

「全国3000万人の徳川埋蔵金ファンのみなさま、
誠に申しわけありません。現在、まだ
作業は終わってません。ユンボで掘っているところは
非常に複雑な仕掛けをした横穴で、
今までで一番くさいんですけど、
あまりにも土砂の量が多くて、
全貌を見極める前に時間がきてしまいました。
この穴を見極めるまでは、みなさんのため、
自分自身の男の意地として、
発掘作業はやめられません(d)」

「赤城山埋蔵金発掘を91年から92年にかけての
テーマとして追いかけたい(d)」


もう、こいつらを、誰もとめられなくなった。
だって「意地」「やめられません」だもんね。
そのへんで、次回予習篇その2につづく。

1999-12-14-TUE

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