これを知っておくと三木鶏郎がよくわかる。
井原高忠

「『巨泉前武ゲバゲバ九十分』の演出者ターサマこと
 井原高忠は昭和四年生まれ、
 〜中略〜
 完ぺき主義、時間に厳しいウルサ方、
 音楽に何かプラスアルファして、
 みんなにわからせようという啓蒙家、
 頭の悪い連中と戦う反骨精神、
 たえず新しい視聴者を開拓するフロンティア。
 ソックリ。
 『まず開拓者が一人馬で行く、
  その後に道が出来て幌馬車が走る。
  最後に町が出来る。その時すでに開拓者は
  さらに道を進んでいて、
  明日の道を求めながら荒野に一人たたずみ、
  夕日の沈むのをじっと見ている』
 と彼は私に言ったが、職業がらチャンと絵になっている。
 私はこれを聞いてヨクニタツヤツがイタモンダと
 つくづくターサマの顔を見直した。
 私も今の彼と同じ年だったころ、
 全く同じことを言ったし、言われもした」
(三木鶏郎著「冗談紳士録」より)(竹松)
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