TORIGOE
3分間で、
最近のニュースを知る。

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第798回

ほぼ日編集部様

5月12日のニュースから

ほぼ日編集部様

5月12日のニュースから

昨日、お休みにしたので書き残したことが一つあります。
11日の毎日新聞社会面に囲み記事で出ていたのですが、
先日分らなかったある政治家の名前が分りました。
先日もこの欄で取り上げたものです。
個人情報保護法案や人権擁護法案など
所謂メディア規制法案に反対している作家、
城山三郎氏のことを自民党内部の会合で
「城山さんはぼけてるんじゃないか」
という趣旨の発言をした政治家の名前が
ようやく分ったのです。
先日新聞に報道されたときはある政治家というだけで
誰なのか分りませんでした。
毎日新聞によれば、この人の名は
自民党衆議院議員、村上誠一郎氏(50)
記事によれば、城山さんが
テレビ朝日の「ニュースステーション」に出演したとき、
もし法案が成立した場合は、
小泉首相と全賛成議員の名を刻んだ「言論の死」という碑を
建てると発言したことについて
村上議員がこう言ったんだそうだ。
「こうした発言自体が言論統制じゃないか。
 城山さんは多分ぼけているから
 (反対論を)言ったんだと思う。抗議すべきだ」

毎日新聞はこの発言が村上議員のものだと確認して、
本人に取材したらしい。
その結果、
村上議員は自分の発言だったことを認めたうえで、
さらにこうも言ったそうだ。
「城山さんは法律の中身を熟知しておらず、
 マスコミにヨイショされている」

村上議員のこの発言に対し、当の城山氏は9日、
民主党の鳩山由紀夫・代表とともに開いた会見で
「腹が立つことが多くてぼけている暇がない」
と語ったそうだ。
以上が毎日新聞が明らかにした「ぼけ発言」に関する
事実関係だ。
なお、村上誠一郎議員は愛媛2区選出で、86年初当選。
小泉内閣発足時は副財務相。現在は自民党副幹事長。

私は城山さんの「言論の死」という碑を建てるという
言葉の強さにも驚いたんですが、この村上議員の
「ぼけ発言」には別の意味で驚いたんですばい。
自民党内部の会合だから気を許して
政治家が普段に使う際どいというか、ま、はっきり言えば
品のない表現を使って話していたんでしょう。
それをその会合に出ていた議員のうちの誰かが、
やはりこれはあまりにもひどかと思い
記者に漏らしたとでしょうね。

最近思うことですが、昔の日本と違って
これは内部だから大丈夫なんてことはないんですね。
たいてい外へ漏れてしまう。
そういうある意味で風通しのいい
社会の空気になってきたようですばい。
官庁だろうが、警察だろうが、検察庁だろうが、
会社だろうが、勿論全部内部の情報が
外へ出ているわけではないが、
絶対出ないという保証はもはやない。
そういうことでしょうね。
しかし、同時に漏らしてはいけない
個人的なプライバシーに関する情報まで
出てしまうということでもあるんでしょう。

そのへんの危うさがあるので
個人情報保護法案なるものが
国会に出て来たという事情もありますし、
善意に解釈すれば村上議員が力説する
「城山さんは分っていない」というのも
そのあたりのことを指しているんでしょう。
しかし、いくら仲間内だとはいえ、実績のある作家に対し
「ぼけ」呼ばわりはあまりにもひどくはないですかねえ。
それに「言論統制」という言葉は
権力機関に対して使うもので、
たとえその人が有名な作家であっても
個人に対して使うものではないでしょう。
つまり、「言論統制」を出来るのは
政府とかの権力機関が行使するのであって、
作家が国民に対し行使できるものでないということです。
ましてこの場合、城山さんが相手にしているのは
国会議員や官僚ではないですか!!!

ところで、例の中国・瀋陽で起きた
北朝鮮からの家族5人の亡命者の連行事件ですが、
これまでのところ日本外務省と中国政府の言い分が
真っ向から食い違っています。
私の勘ですが、どうも日本側の言い分は
くさくないかあ??・・・という感じです。
日本側の言い分が最初2転3転したことがおかしいんです。
こういうふうに言い方がくるくる変わる時には
必ずと言っていいほどウソがあるんですね。
なんかおかしい・・・・・
そういう目で見ていたせいですかねえ、
スポニチの社会面の小さな記事で合点が行きましたばい。
2段見出しで余り目立たない記事です。

「当初は不審者扱い!? 住民入館を『侵入』記録」

これだけでは何のことか分らんでしょうが、記事によれば、
事件が起きた8日に北京の日本大使館や外務省が
報道陣に発表した資料では、北朝鮮からの亡命者とみられる
問題の住民5人が瀋陽の日本総領事館へ入ったことを
「侵入」
と表現し、また中国の武装警官の入館を
「立ち入り」
と表現していたらしい。
これだとやはり日本大使館や外務省は住民の行為を
「亡命」
ではなく
「不法行為」
と見なす一方、武装警官の行為については中立的な
「立ち入り」
という判断をしていることになる。
記事によれば、その後外務省は
「侵入」を「入館」「突入」などと
表現し直しているという。
現地の総領事館ではあの事件が起きた時も、
そして起きたあと暫く経っても「亡命」ということに
気がついていなかったんではないだろうか。
それを日本国内で特に自民党のタカ派の議員達に
「主権の侵害だ」と頭ごなしにやられて
ありゃあ、こりゃいかんと
慌てて修正したんではないだろうか。
外務省のウソつき体質がここでもまた
裏目に出た可能性はないだろうか??
本当はどうだったのか?
まだ分らないのであまり軽々には言えんばってんが・・・・
なんかおかしかねえ・・・・

というところで今日はお休みなさい。
また明日・・・・・

2002-05-13-MON

TORIGOOE
戻る