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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第741回

ほぼ日編集部様

3月15日のニュースから

15日の夜は原稿を書く時間がなかった。
そこでまたまた4時起きを利用して
編集部にご迷惑をかけてしまうことになってしまいました。
15日の朝刊でこれだけは書いておいたほうがいいなあ、
と言う記事がありました。朝日新聞も毎日新聞も
形は違うけど伝えていることは同じです。
まず朝日新聞の8面、国際面。

「報道より 娯楽? ABCの硬派番組『ナイトライン』
 米メディア、存廃で騒然 視聴率低迷でバラエティーを計画」


毎日新聞の見出しも紹介しておこう。
毎日は2面のコラム「発信箱」で中井良則・北米総局長
が書いている。

「負けるなテレビニュース」

記事から問題になっていることを紹介していこう。
アメリカで「良質の報道番組」としての評価を得ていて、
しかも22年続いているABCテレビの
「ナイトライン」。
80年にスタートしたときから、
アンカー(日本ではキャスター)はテッド・コッペル。
この20数年の世界の激動の中で
直接世界中のどこかに中継でつないで
誰であろうと遠慮会釈なく鋭いインタビューを
することで知られた。
アメリカの良心みたいな番組だ。
これが今娯楽番組に差し変えられようとして
大騒ぎになっているんだという。
記事によれば、ABCを経営するのはあのディズニーである。
ディズニーは娯楽の王様、ディズニーランドだけでなく、
放送、映画、音楽、出版など
150社以上を傘下に置く総合メディア企業だ。
今回発覚したのは、ABCがこの「ナイトライン」を打ち切り、
その裏番組で人気のあるトークショー番組(CBS)の司会者、
デビッド・レターマン氏を年収3100万ドル
(約39億円)で迎え入れようとしたことだ。
テッド・コッペル氏はアメリカでもっとも尊敬されている
ジャーナリストの一人だけに、
今回のABCのやり方に批判が沸き起こった。
CBSの大御所アンカー、ダン・ラザー氏が
ニューヨーク・タイムズ紙に投書を寄せるなど
コッペル氏擁護論が沸き起こっているそうだ。
結局は肝心のレターマン氏の方が
「コッペル氏は望むだけナイトラインを続けるべきだ」
とCBSとの延長にサインしたことで
ひとまずは一件落着となったようだ。
しかし、朝日の記事に最後の締めはこうなっている。
「しかし、背景には、世論の硬派ニュース離れと、
 報道界で進む買収・再編劇の結果、
 収入が上がらない報道が切り捨てられる風潮があるだけに、
 根は深い」

毎日新聞の中井記者はコラムなので、
朝日ほど他人事のようには書かない。
コラムの後半の部分の引用を許してもらおう。

「ナイトラインのアンカー、テッド・コッペル氏が
 昨年10月の会議で、こんな話をしていた。
 『60年代初めにはテレビのニュース部門は
 もうけにならかった。
 いまでは利益を出すよう求められる。
 経営者の圧力は政治的ではなく経済的な理由からだ。
 外国のニュースはカネがかかるし、
 視聴者が見ないので最近はあまりカバーできなかった。
 親会社がニュース部門の価値を(同時多発テロ後)
 再発見したのは悲しい事実だ』
 経営者のニュース再発見も半年も持たなかった。
 不要論がおおっぴらになった以上、
 コッペル氏の番組はいつ切られるかわからない。
 テレビ・ジャーナリズムよ、負けるな」
 
ざっと言うとこんな話だ。
アメリカではこういう社会的な変化が起きているんだねえ・・・
改めてテレビとは何かを考えてしまいますね・・
というのは実は日本でもにたような状況にあるんでしょうから。
私のやっている「ザ・スクープ」も桶川の事件報道で
社長賞や日本記者クラブ賞をもらうなど
番組としてはよくやったと認められて、
その半年後には関東ローカルの番組になっています。
正直に言ってテレビ局の内部には
常にこの番組を切ろうという意思が感じられます。
もちろん続けようと言う強い意思も同時に
感じられるんですけどね。
テレビ局には娯楽ではない、
こうした報道番組が必ずしも好きではない人たちが
相当数いることだけは確かなようです。
それも年代の若い層に。
4月からネットワークに復帰という話もつぶれました。
すみません、私は4月から復帰と言ってしまって
約束が果たせませんでした。事情はいろいろあるんですが、
結果がすべてですからねえ。
あーあ、これから放送に向かうのに
こんなことを考えていていいのかいなあ、と思いますが現実は現実。
ちゃんと見つめていきたいんですね。

ではまた明日・・・・

2002-03-16-SAT

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