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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第450回


ほぼ日編集部様

4月19日のニュースから

奈良県で奈良県警の元警視(58)が
乗用車内で焼身自殺したという記事が各紙に出ている。
朝日新聞は社会面に4段。
恐らく大阪本社発行の新聞は
もっとでかでかと社会面トップの大ニュースだろう。
関東地域ということで
社会面であまり目立たない扱いなんだろうが、
この事件は深く掘り下げていくと、
毎度いわれながら一向に改めることが出来ない、
警察という組織が内包している病理の部分を
見事なまでに表しているようだ。

「奈良県警 元課長自殺
 40ページもの『遺書』」
「検察幹部は『解明遠のく』」


こに事件についてはこれまで何度か報じられているので、
ご存知の方は多いと思いますが、
簡単に言うと奈良県警の元警視だった
中野英平元交通企画課長(58)が
収賄側の被疑者で、
贈賄側の奈良佐川急便の元社長らから
1200万円を受け取って
便宜を図ったという容疑の汚職事件だ。
調べの過程で今年1月には奈良佐川急便の
経理担当の女性社員が事情聴取後に自殺しており、
捜査のあり方は適切だったのかという
指摘が出ていたという。
しかも今回自殺した警視についても
収賄という容疑がはっきりしていながら、
逮捕して調べることをせずに
書類送検というやりかただった。
これだけの容疑なのになぜ逮捕して調べないのか、
身内に甘いんじゃないか、
という疑問が奈良県警には突きつけられていた。
書類送検したときの記者会見では証拠隠滅、
逃走の恐れはないので身柄を確保せずに
自宅で事情聴取して
書類を検察庁に送るだけにするという言い分だった。
汚職事件ではほとんどのケースが逮捕だ。
やはり警察官だから手を緩めたと言われても仕方がない、
そんなやり方だった。
この容疑者の警視は
結局2月に亡くなった母親の墓の近くで、
車の中で焼身自殺してしまった。
直前に妻に
「おふくろのところに行く」と電話して自殺したという。
結局奈良県警は容疑者に「逃亡」されてしまったわけで、
結果的には容疑者を保護することも
出来なかったということになる。
我々一般人には厳しくても
身内の警察官には何処までも甘い、
長年の警察の悪弊が裏目に出た瞬間だったと
言えるでしょうね。
自殺の現場近くで40ページにわたる
遺書のノートが発見されている。
「焼死体は中野英平58歳です。
 体は兄に引き渡して下さい」
地元の中吉野署に宛てた遺書にはこう書かれていたという。
贈収賄事件は事件としてチャンと見ていかねばならないが、
ここまでの覚悟を見せられると、
同じ人間としては悲しいねえ。
いい加減な取り扱いをした結果、
世論の反発で奈良地方検察庁が乗りだし
再捜査を始めてところだった。
警察のこうしたウエットな対応が
悲劇を生んでしまうんですね。

さて今晩はこれで・・・・
また明日・・・・・・・

2001-04-20-FRI

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