Q3
動物と暮らすうえで
いちばん大事なことはなんですか?

いちばん大事なのは、
「自分がしたいことより、
 相手がどう思っているか」
ということです。

いまどうしたいのかな、
どういう性質なのかな、
そもそもどういう習性だったかな、
ということを
つねに想像したり振り返って接すること。
これにつきます。

例えば、おしりをさわられるのが嫌な猫に
家族が「おしりさわりたーい」といって、
いつもさわっているとします。
その人といっしょにいる限り、その猫は
一生そのストレスがつづくわけです。

でも、ほんとうはおしりじゃなくて、
顔をさわられるのが好きなんだ、と気づいたら、
顔をなでてあげられますよね。
相手の気持ちと習性を
勉強して理解して、想像しながら接するのです。
これは、動物だけでなく、
どんな種類の生きものにも言えると思います。
人間でも、個人個人で性格も能力もちがうから、
わかりますよね。

いま、うちで
クワガタの高木(高木という名前のクワガタ)を
保護しています。
高木がどう思っているかを、
仕事の合間に1日ちらちら観察して、
とらえるようにしています。
ほんとうはクワガタは男らしくどんどん
木に登ってほしいのですが、
高木はぜんぜん登らないのです。
高木は、ごはんのときだけ木に登り
ある程度汁を吸ったら、
丸太の下で隠れてゆっくり休みたいようです。
そうだとわかったら、丸太の下に
高木の好きな、湿らせたふかふかの土を
つくってやるんです。
クワガタはもともとどんな生きものだったかな、
という勉強ももちろん必要です。

観察と想像と、あとは勉強です。

(Q4につづきます。ちなみに高木は
 新しい家族が決まったそうです。おめでとうございます)

2016-07-21-THU
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN