1101
ほぼ日事件簿・こんなことでした



このへんないきものは
まだ日本にいるのです。たぶん。
愛・地球博では
サツキとメイの家が
公開されているのです。たぶん。

クサカベでーす! 引っ越してきましたー!
おじゃまたくしー! メイのバカ!
まっくろくろすけ、出ておいでーーーーっ!
と、いうわけで、
『トトロ』ファンのみなさまこんにちは。
ほぼ日刊イトイ新聞の永田です。
本日はみなさまに
とっておきの映像をプレゼントいたします。

すでにあちこちで報じられているので
ご存じの方も多いかと思いますが、
名古屋で本日より開催されている
愛・地球博において、
「サツキとメイの家」というパビリオンが
公開されているのです。たぶん。
いや、たぶんじゃなくて、公開されているのです。

この「サツキとメイの家」が
どのようなパビリオンであるかといいますと
これはなかなか説明が‥‥カンタンなのです!
世の中の物事がすべてこのように
カンタンに説明できるならば、
原稿を書くという仕事が
どれほどらくであるかと思われてなりません。
いえいえ、そんな話はどうでもよいのです。

「サツキとメイの家」というのは、
名作『となりのトトロ』に登場する、
あの、草壁家を、まんま、そのまんま、
再現しているのです。たぶん。
いや、たぶんじゃなくて、再現しているのです!

これがまあ、ものすごい完成度なわけですが、
先日、パビリオンの名誉館長を務める
我らが「サツキとメイのおとうさん」、
糸井重里がいちはやくこの家を訪問いたしました。
現地では、数々の取材を受けながら、
スタジオジブリのプロデューサー、
鈴木敏夫さんに案内されて
家のなかを見てまわりました。
それを、よくわからないままに、
同行した西本という男がビデオ撮影しておりました。
この、「よくわからないままに」という部分、
重要ですから覚えておいてください。

じつはこの「サツキとメイの家」、
入場するには予約が必要で、
なんと4月いっぱいの予約はすでに終了しているとのこと。
つまり、いま「行きたい!」と思っても、
5月になるまでは入れないのです。
ということは、本日ご紹介する映像は、
超貴重! ということになるのですが‥‥。

名古屋から日帰りしてきた西本という男は、
ぼくの机にビデオをどさっと置くなり、
このように言いました。
「なんか、おもしろいもの撮ったかも。
 コンテンツになるかも」
なになに? と話を聞いて、
『トトロ』ファンであるぼくはびっくり仰天!
おいおいおい、にしもっちゃん、
そりゃ超貴重な映像じゃんかよ、
見せてよ見せてよ、再生、再生。
そんなわけでさっそく映像を見たところ‥‥。

ガーーーーーーン!
し、素人だ! 素人が撮影してる!
なんだこの荒っぽいカメラワークは!
ぶつ切りの展開は!
おまけになんだ、庭の柱が映ってないぞ!
2階の壁の穴はおさえておくべきでしょう!

‥‥ひょっとして、にしもっちゃん、
『トトロ』のこと、わかってない?
「ええ、ずいぶんまえにテレビで一度観たきりです」
ガーーーーーーン!
「あと、カメラワークはどうしようもないですよ。
 取材陣の数がものすごくて、
 糸井さんと鈴木さんを追いかけるのに
 せいいっぱいでしたから」

ま、まあ、たしかに、そうだろう。
彼が機転を利かせてビデオを回さなければ、
そもそもこの映像はないわけだから、
『トトロ』ファンとしてここは目をつぶろう。

そういうわけですので、みなさま!
超貴重、かつ、超素人くさい映像を、
ここで大公開いたします!
現場でじたばた奮闘した彼の健闘を考慮しつつ、
純粋に「サツキとメイの家」の
完成度をおたのしみください!
「サツキとメイの家」の出来映え自体は、
ほんとうにすばらしいのです!

ところでさあ、にしもっちゃん。
「なんスか?」
まっくろくろすけ、いた?
「‥‥いや‥‥それが‥‥
 オレの心がまっくろくろすけだったもんで、
 見えなかったっす‥‥」

このへんないきものは
まだ日本にいるのです。たぶん。
愛・地球博では
サツキとメイの家が
公開されているのです。たぶん。
いや、たぶんじゃなくて。

↓それぞれの画像をクリックすると、動画が見られます。

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2005-03-25-FRI

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