湯村輝彦×糸井重里  ごぶさた、ペンギン!  『さよならペンギン』復刻記念 なつかしはずかし30年振り対談 湯村輝彦×糸井重里  ごぶさた、ペンギン!  『さよならペンギン』復刻記念 なつかしはずかし30年振り対談
#3 飲んだくれで、薄着で、ソウルミュージックが大好きで。 #3 飲んだくれで、薄着で、ソウルミュージックが大好きで。
湯村 だけど、糸井にはさ、
いろんなことを教えてもらってさ。
糸井 そうでしたっけ(笑)。
湯村 ギターとかさ。
糸井 「ギター」?
湯村 「部屋にギターがあるといいですよ」って。
楽器屋があってさ、そこに行って、
ギター、選んでもらって。
糸井 ほんとですか? 憶えてない(笑)。
湯村 で、楽器はけっきょくダメだったんだけど、
部屋に置いとくだけでもいいって言われて。
糸井 そうでしたっけ。
恥ずかしいなぁ(笑)。
湯村 あとね、つけ麺の食べ方とか教わった。
当時つけ麺が出だしたころでさ、
どっかの店に連れてかれて。
糸井 あったあった(笑)、中野だ。
湯村 そう、中野。
注文の仕方とか、こうやって食べるんだとか。
なんでも知ってるからさぁ、
いろんなこと教わったよ。
糸井 この近所に、
「黒うどん」みたいな店、ありましたよね?
湯村 うん。新潟かどっかのね。
糸井 そうそうそう。
湯村さん、つくるものは、
ものすごくアメリカなのに、
食べ物はけっこう和風好きなんですよね。
この部屋も、こーんなにポップだけど、
お茶菓子は、おいしそうな最中(もなか)。
湯村 そうそう、
オレが最中とか食べてると、
気持ち悪いって言われるんだよね。
「あずきなんて食べるんですか!」
みたいな(笑)。
一同 (笑)
糸井 食べ物に関してはアメリカじゃない(笑)。
湯村 そう。
あずきとか食べちゃうんだ。
糸井 意外と食べる。
酒と音楽は、完全にアメリカだけど。
湯村 そうネ。
糸井 けっこう、飲んだくれでしたよね。
湯村 飲んだくれだよ。
飲んだくれで、痔だからね。
糸井 はははははは。
飲んだくれで、薄着で、
ソウルミュージックが大好きで。
湯村 もう、黒人になりたくてさ。
顔に醤油塗って、
日焼けするように、日なたばっかり歩いてね。
糸井 ははははは。
日なたを歩いてたのは、ほんとう?
湯村 いや、これ、ほんと。
黒人音楽を聴くんだったらオレも黒人に、
って、なんでもすべて近づけてったから。
糸井 好きでしたよねぇ、ソウルミュージックが。
そこは、もちろん、いまも変わらず。
湯村 うん。
糸井は、そっち、行かなかったね。
お互いに、いろいろ影響させ合ったけど、
黒人音楽だけは、まったく影響されなかったね。
糸井 あー、そうですねぇ。
湯村 ずいぶんコンサートに誘ったんだけどさ。
糸井 うーん、嫌いじゃないんですけど。
湯村 一回、ウィルソン・ピケットの
コンサートに行って。
糸井 そうだ、そうだ。
あれは、ちょっと困りましたね(笑)。
湯村 そうそう(笑)。
たまたまなんだけど、
ウィルソン・ピケットが
ステージから下りてきてね、
なぜか、マイク持って、
糸井のとこに来ちゃったんだ。
「いっしょに歌え」って(笑)。
糸井 あいたたたた。
湯村 それがすごくヤだったみたいで。
糸井がオレと会わなくなったのは、
あれが原因じゃないかな、みたいな。
一同 (笑)
湯村 ‥‥‥‥違う?
糸井 違いますよ(笑)。
湯村 いや、なんか、あれは、
悪いことしちゃったなぁと思ってて。
糸井 いや、会う回数が減ったのは、
たぶん、ぼくが家庭を持ったからですよ。
湯村 あー、そうか。子どもネ。
糸井 それがひとつと、
いろんな仕事をなんでもやってたぼくが、
完全に広告のほうに行っちゃった。
それが大きいですよ。
湯村 あーーー、そうだねぇ。
そんなふうにして、気づいたら、
会わなくなってたんだよな。
糸井 そう。
湯村 で、30年。ほぼ30年。
30年っていうのは、そうとうだネ。
糸井 そうですねぇ。
湯村 だけど、こうやって会うと、
ぜんぜん、パッと、戻れる。
糸井 うん。
湯村 最初、糸井の顔を見たときは、
ヒゲも白くなっちゃったし、
インパクトあったけどサ。
糸井 ふふふふふ。
湯村 あ、オレ、
頭、こんなに短くしてるけど、
ハゲたわけじゃないからね、ほら。
糸井 (笑)
2011-04-01-FRI