ほぼ日手帳成功物語。
ある意味で世界一の手帳をつくるバカたち。

第十回 「ほぼ日手帳」発売日発表!!

ほぼにちは、あややです。

突然ではございますが、わたくし(あやや)は、
ここ数週間秘かに心を痛めておりました。
だって、毎週木曜日に
この「ほぼ日手帳成功物語」を更新するたびに、
ポストマン宛てに、“ほぼ日手帳”の発売を
いまか、いまかと待ちわびてくださっている
読者のみなさまから、
「早く発売して下さい!」
というメールが届くんですもの。

たとえば、

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>うちの会社は10月には来年の準備してます。
>いえ もうそろそろかな?
>だから 1日でも早く手帳がほしいんです。
>だって来年の準備、
>この手帳と一緒にはじめたいんだもん。
>どうかこのお願いかなえてください。
>お願いします。Eより


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>まだ来年までに2ヶ月ちょっとありますけど、
>今から仕事で使いたいなぁ〜と思いますんで
>早いとこいいかげん発売して下さいな。

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>後生だから、おねがい早く買わせて!!

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>ご担当者様
>銀座の伊東屋で手帳のフェアをやってます。
>手帳フェチなので、誘惑に負けそうになるのですが、
>今年は、「ほぼ日」待ちです。
>日程、値段、早く教えてください。
>我慢の限界です。
>伊東屋に行ったら最後、たぶん買ってしまいます。
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誘惑に負けないでください!!
“手帳フェチ”のそんなあなたにこそ、
「ほぼ日手帳」です。

とにかく、こういうメールを読むたびに
一刻も早く発売せねば! と思っておりました。

そして、大変長らくお待たせしましたが、
ついに本日みなさまに
「ほぼ日手帳」発売日を発表したいと思います!!


●発売日はすぐそこ!

実は手帳の発売日は、何を隠そう、
ず〜っと前から10月の20日前後と決めていたんです。
でも、みなさまからのメールから見て取れる限り、
もう待ちきれない! そろそろガマンの限界だっ!!
という空気がわたくし(あやや)にも
ひしひしと伝わってきました。
なかには、「いいかげんにしてください!!」なんて
半ギレ状態のお方もいらっしゃいましたもんね〜。
そりゃ、そうですよね。
わたしがみなさんの立場でも
「で、いったいいつになったら発売するのよ〜!?」
とつっこみを入れちゃいますもんね。

そんな読者の人からの熱ーいラブコールを受けて、
手帳の発売を何とか早めにできないかという
プチミーティングが明るいビルで行われました。
前の鼠穴は3Fのソファ部屋が
もっぱらちょっとした話し合いの場になっておりましたが、
今度の明るいビルは、いわゆる“食卓”が
みんなの話し合いの場になっています。
この日もいつもの食卓でみながくつろいでいるとき、
発売日について、話し合うことにしました。

そもそも何で発売日を
10月20日前後に予定していたのかと言いますと、
カバーと手帳&メモ帳が全部出来上がって揃うのが
10月20日前後の予定だからです。
でも、よくよく考えてみると、
何も発売日をわざわざ商品の納入時期に合わせることは
ないんですよね。
だって、ほとんどの人が、
この「ほぼ日手帳」を実際に使いはじめるのは、
年が明けた2002年から。
それを考えたら、予約販売が
多少現物の納入時期より早くたって
全く問題はないんですよね。

そんな話をしながらみんなで決めた
「ほぼ日手帳」の予約販売開始日は・・・・

“10月5日金曜日”

です!!!

連休前のわきわきデーでごわんす。
あと1週間ですよ!!
巷の文房具店では、ちらほら“手帳フェアー”なるものが
はじまりつつあるようですが、
「2002年はほぼ日手帳で」
と心に決めてくださっている方はもちろん、
仕事場でも使いたいんだけど大丈夫かしら・・・
なんてちょっと迷っている方も、
もちろん大丈夫でっす!!
だってカバーは紺地でシンプルですもん。
ビジネスの場にもぴったりでしょ。
でも、このページでも発表しましたように、
シンプルな渋さの中にも
ちゃーんと中には「ほぼ日」のタブがいっぱいついている、
っていうかわいさもあるんです。
ビジネスにも、そしてプライベートの場でも
両方の場所で使ってもらえるように作られているんです。

中身のカレンダー部分からカバーのデザインまで
隅から隅までぜーーんぶひっくるめて、
自分たちでああでもない、こうでもないと
試行錯誤しながら作った、
めったに、いや世界でたったひとつの
「ほぼ日」オリジナルの手帳です。
2002年はぜひぜひ“ほぼ日手帳”で
1年間をすごしてくださいませ。


● 手帳はちゃんと180度開く“糸かがり製本”

さてさて、発売日もちゃーんと決まったし、これで一安心。
いままでこのコンテンツで、
「ほぼ日手帳ができあがるまで」を
事実にほぼ忠実にお話ししてきましたが、
きょうは、まだ話していなかった
手帳を使う上での大切な“要素”をお話ししますよ。

>手帳って毎日使うものだから
>やっぱりいろんなこだわりがあるんですー。
>ぺろんと180度開かないと
>記入しづらくないですか?

こんなメールがポストマンに届きました。
そうなんですよね。
手帳はあくまでも
「スケジュールを書き込むためのもの」。
書き込みやすくなければ、意味がない!
今回、私たちも
そのことを何より最重要に考えました。

と言っても、「ほぼ日」の手帳づくりは
今回が記念すべき初体験。
となると、自分たちでは気がつかないところも
たくさんあるんですよね〜。
そんな私たちに心強い助っ人さんがいるんです。
その方は、印刷屋の阿部ちゃん。
いつも、「ほぼ日グッズ」を送るときについてくる
darlingのメッセージが書かれているお手紙なんかを
印刷してくれているんです。
でも、この印刷屋の阿部ちゃん、
ただの印刷屋さんではありません。

「自分は印刷屋だけど、
 ひとつの商品ができあがると、
 やっぱりみんなと同じようにうれしいし、
 そこに自分の印刷屋として知識や経験を活かした
 アイデアがちょっとでも盛り込まれていたりしたら、
 もっとうれしいんですよね。
 それにここ(ほぼ日)は、
 いつも何か新しいことをやろうとしてるから、
 自分もドンドン新しいことに挑戦しよう、
 って意欲が沸いてくるんですよ!」

こんな頼もしい兄貴肌の阿部ちゃん。
今回の「ほぼ日手帳」では、
印刷屋さんとしてのアイデアを
積極的に私たちに提案してくれたんです。
そのおかげで、内容だけでなく、
素材や機能性までに心を配ることができたんです。

そんな阿部ちゃんの記念すべき最初の提案が、
さきほどご紹介したメールにもあった、
「手帳は手で抑えなくても180度開いた方がいい」
ということだったんです。

「手帳は書き込みやすい方がぜったいいいと思いますよ」

抑えなくても180度開くものって
どんなものなんですか?

「製本の仕方そのものが違うんですよ。
 普通の文庫本なんかは、“くるみ”と言って
 本の背の部分をのりづけするように
 製本しているんですけど、
 手帳みたいにページが
 ガバッと全開するようになっているものは、
 “糸かがり”という製本の仕方をするんです。
 “糸かがり”というのは、
 1つ1つ糸で服を縫うように
 ページを縫っていくやり方なんですが、
 そのやり方だと、手で抑えなくても自然と
 180度ページが開くようになるんです。
 あと、“糸かがり”には、
 “本がほつれにくい”という特長もあります。
 手帳は、やっぱ毎日開けたり閉じたりするものでしょ?
 だからほつれにくいものの方が
 いいんじゃないかなと思いますよ」

そうですよね。
たしかに、スケジュールを書き込むようなときって
電話片手に書き込むような場面が多いから
たしかに片手で抑えなくてもいいものだったら
そっちがいいに決まってる!!!

「でもね・・・ひとつ問題があるんですよ」

ええ!?
またですかー!
何でせっかくいいものに出合ったのに、
いつも何か問題があるんだろう。

「いえ、“糸かがり”は
 一つ一つ丁寧に縫っていく作業だから、
 “くるみ”製本よりも時間がかかるんですよ。
 あと、糸かがり製本は、本の背のところに
 クロスというテープを貼って補強するんですけど、
 そのクロスを貼るのも
 全部“手”で1つ1つ貼っていくんです。
 だからさらに時間がかかります。
 あと・・・コストも・・・」

時間もコストもかかるですって!?
これはいつもの「ほぼ日」のパターンだと
間違いなく、却下されるパターンだわ。
そこで、結論は急がず、
ひとまず“糸かがり”製本のものと
“くるみ”製本のものと両方のサンプルを
作ってもらうことにしました。

そして、出来上がってきた2つサンプルを見て、
みんな一様に、
「こっち!」
と“糸かがり”製本を指さします。
両方のサンプルを見たdarlingも、

「手帳は、何と言っても、
 開きがいい方がいいに決まってるよな」

と、気持ちいいくらい全員一致で
“糸かがり”製本に決まりました。


●“手帳専用紙”裏うつりしません

お次は、手帳の“紙”のお話です。
これも阿部ちゃんが、手
「手帳にはやっぱりこれでしょう!」
という“スペシャルな紙”を持ってきてくれたんです。

「手帳の紙なんですけど、
 サインペンで書いても裏うつりしなくって、
 しかも破れにくいものがいいんじゃないかと思って
 こんなの持ってきました」

と言いながら持ってきてくれた紙を見てみると、
第一印象はちょっと薄いかな、感じ。
こんなに薄いのに裏にうつらないのかしら?
と早速自分でその紙に書き込んでみると、
やっぱりこれが裏うつりしない!!
これだったら、赤や青やいろんなペンで
カラフルにしたいときも、安心して書き込める〜。
うれしいわー!!

さらに注目すべき点は、“破れにくい”ということ。
だって、手帳ってしょっちゅうペラペラめくるものでしょ?
だから破れやすいのは困るもんね。
もうここまで来ると、
“紙自慢”みたくなっちゃいますけど、
この紙、薄いのに、フニャフニャしてなくてコシがあって、
弾力性があるんです。
だからペラペラめくっても、めくりやすい!
これ、わたくし(あやや)が実験してみたから
間違いありません!
(それが一番疑わしい・・・という説もありますが)

さらにさらに、この紙、特長はまだまだあるんですよ。
超基本的なことですが、
“書き込みやすい”!!
すべすべして滑らかすぎる紙は、
ボールペンの先のボールが滑って書きづらいし、
ザラザラしててもやっぱり書きづらいでしょ。
その点、この紙は、適度な滑らかさだから
書き込みやすい紙なんです!!

ふふふっ。
どうです?ちょっとすごいでしょ??


● メモ帳はハーフ&ハーフです!

そうそう、メモ帳のお話もしておりませんでしたよね。
今回の「ほぼ日手帳」には、
手帳と全く同じサイズのメモ帳がセットになっています。
その日の気分で、
今日は手帳を、今日はメモ帳を、というふうに
自由にお好みで使い分けてもらう手帳なんです。

しかし、この「ほぼ日メモ帳」は
ただの白紙の冊子じゃありません。
ちゃーんと、「ほぼ日」らしい
“工夫”がされているんですよ。

以前、このページでメモ帳もセットになっていることを
発表したあとに、
読者の方からいくつかメールをいただいたのですが、
最も多かったのは、
「白紙の紙だと、地図とか表なんかを書くとき、
 けっこう大変なんです」
というご意見でした。

たしかに、これわかるわー。
わたくし(あやや)はとくに切実なんですけど、
絵を描いたりするのがとっても苦手なもので、
線を真っすぐ書くのもままならないんです。
だから地図とか描くのもとっても下手。
あと、字を書くだけにしても、
白紙に書くと字の大きさがまちまちだったり、
バランスが悪くて、汚くなってしまうんですよね。

そんなことを考慮して、

メモ帳は3ミリ方眼紙!!


に決定しました。
これなら私でも書きやすいわ〜!!

「ほぼ日メモ帳」の特長はこれだけではありません。
みなさんはメモ書きを人に渡したりって
シチュエーションよくありませんか?
たとえば、メモしておいたものを切り取って
別の場所に貼り付けておいたり、
得意な料理のレシピを人にあげたりするとき、
メモ用紙に書いてそれを切り取って渡したりしますよね。
わたくし(あやや)、
ただいま明るいビルの下のジムで身体を改造中なので、
見事素晴らしいボディに変身した暁には、
電話番号を書いて、そっと渡すなんて・・・
キャ〜〜!! ど、どうしましょう!!!(一人妄想中)

そんなとき、ピッ、シュッ、シャキーンっと切り取って
カッコよく渡したいじゃないっすか!
そんなご要望に応えて
(誰も要望してないかもしれないけど)
メモ帳の半分のページには
ミシン目をつけています!!
それなら、ビリビリ切り取った跡が
雑に残ることもなくて、スムーズに切り取れますもんね。

し・か・も、
これがただのミシン目ではないんですよ、おほほほほっ。
ミシン目と一言で言っても、
切れ目の部分と切れていない部分の割合の違いによって
微妙に異なるものらしいのです。

一般的なのは、
切れ目:切れてない部分=2:1くらいらしいのですが、
とにかくどんな細かいところも
自分たちでいいと思って選ぶのが“ほぼ日式”。

なので、印刷屋の阿部ちゃんに、
2:1のバージョンと1:1のバージョンと、
2種類のミシン目のサンプルを作ってもらって、
みんなで実際に“切り心地”を試してみることにしました。
こういうときの、「ほぼ日」スタッフの
盛り上がりったらないですよー。
もちろんdarlingもね。
みんな、何だかえらくノリノリで
ミシン目を一人ずつ、順番に切ってみました。
それぞれ、
「このキレ味がいいね」
とか、ほんとかよ!?みたいな、
言いたい放題言ってましたが、
正直言うと、両者には
それほど目覚ましい違いという違いはないような・・・
でも、違いはたしかにあるような・・・。
みんなの意見をまとめてみると、
「切り取った跡が、1:1の方がきれい」
っていうのが多かったんです。
でも、それでもまだ決まりかねていたとき・・・
いつものようにdarlingが
すぱっと決断を下しました。

「切るときの音がいいから、1:1で決まり!」

おおっ!?
お、音っすか!?
これは、盲点。
“切れ音”のことは、全く評価基準に入ってなかったわ。
ま、まさかそう来るとは!!
これには、何というか一同参りました。
ミシン目は1:1ということに無事(?)決まりました。

そうそう、それでメモ帳の半分がミシン目つきで
もう半分はふつうのメモ帳なので、
区別がつきやすいように、
罫線の色も色違いにしましたよ!!
もちろんその色を選んでくださったのは、
アッキィさん。
人に渡したりするミシン目つきの方は、
かわいくて、おしゃれなオレンジ。
そして、ミシン目なしの方はブルーでございます。
オレンジ&ブルーの2色のメモ帳です!!
なんだか、欲しくなりません??


● 表紙デザイン

そして、本日最後のトピックは、
「ほぼ日手帳&メモ帳」の表紙のデザイン。
えっ!?
カバーがあるから、
表紙のことは気にしてなかったわ、というみなさま。
文庫本も外側を剥げば、
何かしらの表紙がついているように、
「ほぼ日手帳&メモ帳」にもちゃんと表紙はありますよ!!
しかも、カバーがついているからと言って、
表紙のデザインをおろそかにしたりするようなことは
決していたしません!!

今回の表紙のデザインは、
カバーと同じく、darlingのラフ図を下に、
アッキィさんがデザインしてくださったんです。
もう、早速披露しちゃいますね!

↓こちらが「ほぼ日手帳」の表紙!



↓こちらが「ほぼ日メモ帳」の表紙!




カバーの渋さと対照的で、
ポップですっごいおしゃれでしょ??
このデザイン画をはじめて見たとき、
わたくし(あやや)なんて感動しちゃったもんね。
この画像からは伝わらないんですけど、
表面には“PET(ペット)張り”という
ペットボトルのような光沢のある加工が施されるんです。
さらにカッコよくなること間違いなしです。

なんか、こんな表紙を見ちゃうと、
カバーと表紙どっちも見せたくなっちゃうなあ。
チラリズムで、表紙を時々意味もなく
ちらちら見せたりして・・・

こんなふうに、「ほぼ日手帳」のほぼ全貌を
お話ししてきましたが、
いよいよ発売まであと1週間!!
とにかく楽しみにお待ちくださいませ〜。

2001-09-27-THU

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