糸井 しかし、南さんも、
もうちょっと仕事を早くしてもらわないとね。
うーん、頼まれたことはまだしも、
自分の絵となると、遅いねぇ。
糸井 まぁ、みんなそうかもしれないけど。
いや、和田(誠)さん、早いよー。
糸井 あ、すごいんだってね。
もう、どんどん描いちゃう。
なんであんなに仕事が早いんだ。
糸井 ほんとだよ。
陰口を叩くように、
オレたちいましゃべってるけど。
あはは、ほめてるだけなのに。
糸井 (ひそひそ声で)
まったくすごい人だ。
和田さんが実際に描いてるところを
撮ったビデオがあってね、
見ると、ほんとうにすごいんだよ。
こう、話しながらさ、
下書きしてるなと思ったら、
いきなりこう、絵の具を塗りだして。
糸井 ほう。
ずんずん、できていっちゃうんだ。
その場で。
糸井 早送りじゃなくて。
早送りなし。
しゃべりながら、どんどん描いてく。
あんなに早くできちゃうんなら
いいよなぁって思う。
糸井 南さんも、お早いじゃないですか。
いや、ぼくはそんなにお早くない(笑)。
糸井 はははは、妙に照れるね(笑)。
いや、でも、あれは見たら驚くと思うよ。
とっとと描くんですよ。
糸井 とっととね。
どんどん絵ができてく。
糸井 陰口ですね、いまの。
いやいやいや(笑)。
糸井 和田さーん、
南さんがこんなこと言ってますよー。
ほめてんだよ(笑)!
だってね、和田さんの絵って、
時間がかかってるように見えるじゃない?
糸井 それは、絵の具を使ってるほうの絵?
そう。
絵の具が早いんだよ、なにしろ。
だって、線だけだったら、
その‥‥こっちだってさ。
糸井 「こっちだって」ね。
一同 (笑)
線だって、難しいんだよ、
でも難しいとはいえ、簡単だからさ。線だから。
絵の具がバッチリ塗ってあるのはね、
そうはいきませんよ。
それを和田さんはどんどん塗るんだから。
糸井 週刊文春の表紙みたいな絵も。
そうそうそう。
あれを週刊誌でやってるわけだからさ。
糸井さんも、和田さんの展覧会のときに
文章を寄せてたじゃないですか。
糸井 うん。あの品質のものを
当たり前にあれだけ長く続けてるというのに、
あきれるんですよ。
ねぇ。
糸井 うん。なにあれ。必ず愛があるし。
だって、
ほかににいろんな仕事もしてるんだよ?
糸井 レミの夫もやってるし。
そうだ、そうだ(笑)。
そのうえ毎週表紙を描いてる。
糸井 しかも、ぜんぶ歌のタイトルとからめて。
そうそうそう。
糸井 もうね、その、とんちぶりも含めてね。
驚くね。
糸井 陰口のようだけど。
ハハハハハ、
なんで陰口なんだ。
糸井 本人がいないところで、小声でしゃべると、
陰口みたいになるんだろうか。
はははは。


(さて、ぼちぼち。もうちょいつづきますが)

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2010-11-03-WED