第20回 コウモリとクラゲ。
糸井 コウモリっていえばさ、
オレ、子どものときに
コウモリ捕ったことあるよ。
へぇ、どうやって?
糸井 サンダルとか上に放り投げるとさ、
スーッとついて来るんだよ。
ああ、そうだ、そうだ。そうだ。
ついて来るんだよね。
糸井 うん。で、ついて来たところを
捕虫網で、バーンっと。
あ、その部分はやったことがないな。
糸井 あ、やったことない?
うん。サンダルどまりだね。
糸井 サンダルどまりですか。
うん。
糸井 サンダルと、ボールだね。野球の。
夕方までさ、野球やってると、
暗くなって、コウモリが飛び始めるじゃない?
そうすると、野球をやってたボールがそのまま
コウモリをからかう道具になって、
みんなが上に投げ始めるんだよ。
で、ヒューンって寄ってきたところを
捕虫網でバーンっと。
ヒューンってきたのをバーンと。
糸井 それを繰り返して遊んだね。
たのしそうだね。
糸井 コウモリとオレたちは友だちだったから。
つかまえた友だちはどうするの?
糸井 捕ったやつはね、野球帽に入れて、
こうやって逃げないように抱えて、
家まで持って帰るんだ。
で、バケツみたいなものに入れて、
なにかでフタをしておくわけ。
だけど、朝になると、いないんだよ。
え?
糸井 なぜかというと、溶けちゃうんだ。
溶けちゃう?
糸井 うん。
コウモリが?
糸井 うん。
‥‥うーん。
糸井 ‥‥信じてないね?
‥‥いや、あのさ。
糸井 まぁ、信じろとは言わないけどね。
あのさ。
糸井 なに?
溶けちゃうのは、クラゲだろう?
糸井 ‥‥‥‥あ、クラゲだ!
一同 えええっ?
糸井 クラゲはバケツに入れとくと溶けちゃうんだ。
で、コウモリは溶けないんだよ。
ごっちゃになってたんだな(笑)。
糸井 ごっちゃになってた、ごっちゃになってた(笑)。
コウモリとクラゲが(笑)。
糸井 コウモリとクラゲが(笑)。
(つづくべきです)

2008-05-22-THU


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