第6回 インターネットを見てる泥棒。
そもそも、うちは、
玄関のカギってあんまりかけないからね。
糸井 ああ、なるほどね。
でも、インターネットに出すときは、
そういうことは書かないほうがいいね。
なんで?
糸井 いや、泥棒がインターネット見てると困るからさ。
ああ、そうか。
泥棒もインターネットを見てんのかぁ。
糸井 そりゃ見るよ、泥棒だって。
じゃあ、カギはちゃんとかけてることにしよう。
うちはかけてるよ。ちゃんとかけてる。
糸井 だから、やっぱり、さっきの物置の話も、
玄関にカギがかかってて、
またベランダから戻ったっていうほうが
いいと思うんだよな。
そんなこと言われても、
ただの本当の話だからさ。
糸井 オレが泥棒なら、その話を読んでさ、
「しめた」と思うよ。
インターネットを見ながら。
糸井 インターネットを見ながらさ。
泥棒なのに。
糸井 そういうところは本職だからさ。
だって、オレだって、伸坊の話を聞きながら、
「なんだ伸坊の家は
 玄関開いてるのか」って思ったもの。
オレが泥棒なら、それは覚えておくね。
泥棒側に立って、ずっと。
オレの話を聞きながら。
なんて、やつだ。
糸井 つまり、泥棒目線で見てたわけさ。
(まだまだ、つづきます)

2008-05-04-SUN


(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN