第23回 東京の子は有名人によく会う。
糸井 有名人を見た話でいうと、
やっぱり野球選手は別格でさ。
子どものころ?
糸井 うん。うちの近所の
野口さんっていう家の三番目の娘の
すえちゃんっていう人は
国鉄の二軍の選手と結婚してさ。
けっこう、遠いね、関係が(笑)。
糸井 とはいえ、野球選手なんだよ。
もう、オレなんかは「すっごいなー!」
って思ってるのに、うちの親とかは
「二軍だろ」なんて言ってるんだよ。
もう、なんて失礼なこと
言うんだろうと思って。
子どもながらに憤慨。
糸井 憤慨してたよ。
二軍だってすごいじゃない?
オレはその人のことを
ちょっとだけ見たことがあるんだけど、
ものすごい憧れの目で見たね。
憧れ光線が出まくってたと思う。
その奥さんのすえちゃんにさえ、
「おおー」って憧れてたね。
その人は、試合に出たりしたの?
糸井 出なかったと思う。
その後、どうしたかも知らない。
でも、十分尊敬できますよね。
野球選手だもんね。
糸井 野球選手だもん、すごいですよ。
そのあと、東京でいろんな人見たけど、
あのときの輝いて見えた感じは
あんまり、なかったなぁ。
東京で見ると、
あんまり驚かないのかもよ。
糸井 あー、そうかもしれないね。
あと、思ったんだけど、
いまの東京の子のほうが、
昔の東京の子よりも、
有名人に出くわす可能性は
高いんじゃないかな。
あ、そう?
糸井 っていうには、子どもたちが
昔よりも出歩いてると思うんだよ。
とくに高校生くらいになると、
伸坊が言われていた
「あっちの喫茶店に行っちゃダメ」
みたいなことってほとんどないでしょ。
あー、それはそうかもしれないね。
糸井 うちの子どもがね、
有名人にしょっちゅう会うのよ、昔から。
で、あるとき、
「なんでそんなに会うの?」って
地方出身者の父として訊いたらね、
「地方の人は、有名人がそのへんを歩いてると
 思ってないから会わないんだ」
って、偉そうに言うんだよ。
ああー、それはあるかもしれない。
気がつかないっていうか、
目に入ってこないんだよな。
糸井 そうそう。うちの子が言うには、
「あたしは、有名人って
 そのへんを歩いてるって思ってて、
 歩いてると思ってる目で見ながら
 いつも歩いてるから、会うんだ」って。
うん、うん、そうかもね。
糸井 東京の子ならではの説得力があるよね。
ちなみにうちの子は、
道で好きな俳優を見かけて、
「好きです」って告白したらしいからね。
ふっふっふっ、すごいね。
糸井 言われたほうは困ったと思うけど。
ふっふっふっ。
(最近、誰か見かけました? つづきます)


2010-06-25-FRI