子どもたちの手にTARO MONEY。 『明日の神話』をもっと大きく。


2007年10月、
壁画『明日の神話』が展示されている
東京都現代美術館で、
「はみだせ太郎! 『明日の神話』を
 もっと大きくしよう!」
と題された、ワークショップが開催されました。

幅30m高さ5.5mの『明日の神話』を
縮小してプリントした
幅16m高さ5mのキャンバス地に
(縮小したとはいえ、それでも大きいですね)、
小学生以上の80人が参加して
『明日の神話』の外側の世界を想像し、
絵に描いてみる、という試みです。

集まったメンバーはほとんどが小学生。
子どもたちは、まず、
『明日の神話』についての
レクチャーを受け、鑑賞したうえで
壁画の前後左右に広がる世界を想像して
絵を描くことになっていました。

『明日の神話』は、大きさもさることながら
絵の内容にもたいへんインパクトがあります。
子どもたちは、もしかしたら
気圧されてしまうかもしれませんよ。
はたして、どんな作品ができあがるのでしょう?


ワークショップの制作会場に近づくと
ワーワーという子どもたちの声が聞こえてきます。





みんな大興奮です。





書きっぷりが自由。おみごとです。


思い思いの「『明日の神話』の外側」が
広がっています。



できあがった絵の前で
呆然とする女の子も!



「みんなの作品を『明日の神話』の
 壁画の前に持っていこう!」



「えっさ、ほいさ!」



『明日の神話』展示室に到着。
本物の壁画の前に広げます。



ギュゥゥー!
「私もやる」「私も!」



おおおおおおーー!



テーマは
「『明日の神話』の外側の世界を
 想像して描いてみる」
なのに、絵の中にも描いてある!
いいのか? いいのか!
しかもなんだか髪が生えています!



きのこ雲の赤ちゃんの目が
赤くなっています。



中央の骸骨も、このとおり。



ちいさな燃える人も、白いクレヨンで
書き足されています。



生ビール? かと思ったら、
「生きる」でした!



外の世界は宇宙まで広がります。



すごいすごい。



みんな、すごい!



さて『明日の神話』の前で
記念撮影。


君は撮る側でいいのかな?


自由な子どもたちのようすを見て、
岡本太郎さんの、
ある言葉を思い出しました。
岡本太郎さんがジミー大西さんに宛てた手紙の中の
「キャンバスからはみ出せ」という言葉です。
こんなにはみ出した
『明日の神話』の縮小版を見たら
岡本太郎さんは、何と言ったでしょうか?

我々TARO MONEYチームは、
このワークショップの最後に、
参加したみなさんに、おみやげとして
TARO MONEYを1枚ずつプレゼントしました。
(このTARO MONEYは、東京糸井重里事務所が購入し
 会場のみなさんにさしあげました。
 利益は『明日の神話』の修復や保管に充てられます)







中をめくって、名前を登録してね。



「たのしかった!」
「せんそうはだめ! っておもった」
「ハートをかいた!」

うれしそうにTARO MONEYを手にしてくれた
1年生のふたごちゃんのお母さんは
こんなふうにお話をしてくださいました。

「美術館に『明日の神話』を見に来たとき、
 今日の催しを知って、申し込みました。
 この絵をいま、こうやって見られることが幸運ですが、
 ちいさなこの子たちに、この絵のことを
 これから先もなんとか憶えていてほしかった。
 今日の体験をきっかけにして、
 きっと『明日の神話』のことをしっかりと
 憶えてくれたんじゃないかな、って思います」

壁画の外側にみんなで思いきり絵を書くことも
そしてたぶんTARO MONEYも、
『明日の神話』と人とを
つなぐものなのかもしれません。
東京都現代美術館で『明日の神話』を見られるのも
あと約半年となりました。
まだごらんになっていないみなさん、
ぜひ足を運んでくださいね。



2007-10-16-TUE

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