好きなものを集めたら、
ちょっぴり奇妙な「雑貨」が集まる店ができました。
店の名は『HOBO SUPER OMISE SHOP』。
自分の人生に必要かと言われたら、
そんなことはない。
でも、所持したい。
コレクターになるというよりも、これは所持欲。
自分が買わないで誰が買う。
自分が買わなかったら誰かに買われてしまう。
買わねば。
そして家やお気に入りの場所に飾ることを、
たのしみたい。
バイヤー経験もある目利き店主、
塚本太朗さんが集めた品々を
ひとつずつ見せていただく連載です。
週に2回、火曜と金曜にお届けします。
1月の「生活のたのしみ展」にも出展するので、
どうぞおたのしみに。
次は、古賀充さんの作品をご紹介いただきます。
一見、絵のように見えますが、
立体作品なんですね。
はい。額装された、立体作品です。
古賀さんとは、どういう出会いだったのですか?
20年ぐらい前、知り合いを通じて、
古賀さんの個展に行ったんです。
そのとき、すでにいまのような作風で、
「どうやってアイディアを出しているのかな」と、
すごく興味を引かれました。
古賀さんの作品は、
段ボールや、テープ、エアパッキン‥‥と、
実際の素材を使ってものを表現しているんですね。
そうです。ふしぎですよね。
身近な素材を使って、立体作品を作るんです。
以前、木彫りの「刷毛」を再現した作品を
見たんですけど、それもふしぎでしたよ。
毛の部分は本物の毛で、ふさふさなんですか?
ふさふさです。
ほんとに、レプリカのように、
精巧に作られています。
仏像と同じように、
ひとつの木片から彫り出しているとうかがいました。
そうです、そうです。
すごい‥‥。
ほんとうに古賀さんは、
いい意味で「ヘン」です。
ヘンという言葉で称賛したいです。
このあいだ、
無印良品でも展示をなさっていて。
そこにあった作品のひとつは、
お住まいの茅ヶ崎の海の石を、
一輪挿しに見立てて制作していました。
波が石を削るのに近い方法で削ったそうですよ。
気の遠くなるような作業だと思うんですけども、
見ているとすごくおもしろかったです。
自然と同じやり方で、
作品の形をつくるのですね。
無印良品の展示には、
たまたま流れ着いた流木でつくられた、
鹿の頭蓋骨のオブジェもありました。
ほとんど加工せず、流木のそのままの形を活かして、
鹿の骨の形にしていました。
重ね重ね失礼ですが、
「ここまでやるなんてヘンだよ」
と思ってしまうほど、
細かいところまで精巧につくられていました。
きょう見せていただいている作品も、
展覧会に合わせて制作されたものなのでしょうか。
はい。僕がうかがったときは、
ほかの作品はほとんど売れてしまっていたので、
購入できてよかったです。
塚本さんはこちらの作品も、
これまでにご紹介いただいたものといっしょに、
おうちに飾っているんですか?
はい、もちろん。
ということは、うすうす思っていたのですが、
塚本さんのおうちには、
ものすごくいっぱいいろんなものが。
います。
もう、飾るところがないくらい。
だけど、平面でも立体でも、
個展で実物を見たら買いたくなっちゃう‥‥。
その気持ちはわかります。でも、大変ですよね。
ほんと、大変ですよ。
しかも古賀さんも、今回のために、
あらたにおもしろいものを作ってくださったと
聞いています。
え! あらたに。気になります。
たのしみですね。
他にもきっとたくさん買ってしまって、
また家にものが増えます。
はー、たのしみだなぁ‥‥
じゃなくて、大変だなぁ(笑)。