タモリ先生の午後 2008。 「スロー人」のすすめ。


8回 幼稚園児のオレに訊いてくれ。
糸井 ああ‥‥でも、それは
「負けん気の弱い人間」にとっては
すごく、よくわかる話ですね。
タモリ ふつうの芸人なら
「自分の出番をどれだけ延ばすか」ですから。
糸井 ぼくの場合は「本職」じゃないんで、
テレビに出たときなんかは、
同じように
どのくらい何もしないで済むかを考えます。
タモリ ああ、それ、オレも考えるわ。
糸井 そうですか。
タモリ 「省エネ司会」とか言われながら。

糸井 (笑)
タモリ エコです。
糸井 (笑)
タモリ エコMC。

糸井 本気でそう思ってるふし、ありますよね。
タモリ そういうふし、あります。
糸井 でも、どうでもいいことになると
意地っ張りじゃないですか。

‥‥ちっちゃいボードゲームとか。
タモリ そうそう、そうなんですよね。

ここで勝ってどうすんだってとこにばっかり、
意地になっちゃうんですよ。

‥‥そこじゃないだろうと。
糸井 ああ、それってやっぱり
むかしから、そうだったんでしょうね、きっと。
タモリ うん、オレの人生で
いちばん精神レベルの高かった幼稚園時代から。
糸井 てことは、幼稚園児のタモリさんに
インタビューできたら、
それでけっこう、ぜんぶ言えちゃいそうな(笑)。
タモリ インタビューしてほしかったですね。
糸井 (笑)
タモリ すでに「偽善」ということについて
考えていました。

糸井 幼稚園児にして(笑)。
タモリ 小学校3年のときには
「友の裏切り」という行為に見舞われ。
糸井 中学・高校で「他人を解禁」し。
タモリ 同時に、「へつらい、おべっか」、覚えて(笑)。
糸井 で、早稲田の「ジャズ研」で引き受けたのは、
幹事っぽい役どころでしょ。
タモリ マネージャーですね。
糸井 それぞれが合わさって、今があるんですよね?
タモリ そうですね。
糸井 いろいろ、複雑だなぁ(笑)。
タモリ ただね、ずーっと一貫してるのは、
仲のいいともだちは
バカっぽいやつばかりだったっつうことですね。

いまだに、付き合いあるのも、そういうやつら。
糸井 そういう仲間としか、続かないんだ。
タモリ ちゃんとしたことに対する
嫌悪感があるのかもしれませんね。
糸井 批評精神。
タモリ ま、よく言やぁね。
糸井 ちゃんとしてるように見えることって、
ほんとうは怪しいじゃないかってことでしょ?
タモリ このあいだね、何十年かぶりに
クラス会があったんですけど、
その席で、それぞれ自己紹介をしたんですよ。
糸井 「どうも、タモリです」とか。
タモリ うん、で、そのときに、きちんと立ち上がって
ものすごいマトモに挨拶したやつを
何だか、キライになったですもんね。

糸井 (笑)
タモリ 「えー、ワタクシ、本日のクラス会に来るとき、
 3つのことを考えて来ました」とか。
糸井 そこんちには、あんまり
婿入りしたくないなぁという感じですね(笑)。
タモリ うん、そうそう、そういう感じ(笑)。

<つづきます>


2008-01-04-FRI