その2 コンベンション参加レポート


いってまいりました!
われら、男子あみぐるみ部、
「日本テディベアコンベンション」へと
勇猛果敢に参加してまいりました!

今回は、そのイベントの模様を
たくさんの画像とともにレポートさせていただきます。

まずはご覧ください。
タカモリ先生率いる、
こちらが、われらブースの全貌です!



陳列台は、ダンボール箱です。
頼れる部長・きはらようすけさんが製作いたしました。
台ぜんたいが「クマの顔」になっているという、
まさしく「テディベア祭り」にふさわしい
デザインといえるのではないでしょうか。

そう、参加したのは「テディベアのお祭り」。
現地はクマ一色にいろどられておりました。
巨大な催事場を3フロアつかった会場には、
300近いブースが立ち並んでいます。

クマ、クマ、クマ、クマ、どこまでもクマ。
大量に陳列された、
エレガントにかわいいベアーたち‥‥。
それはたとえば、こんな雰囲気でございます。



こうした雰囲気のなかに突如としてあらわれる
「ダンボール箱の男城」
それがわれらのブースなのでありました。



‥‥強く、異彩を放っております。
クマ大会なのに、火星人。
クマ祭りなのに、世界最大の花・ラフレシア(未完成)。

聞くところによると、なんでもこのコンベンション、
「アジア最大のテディベア・イベント」なのだとか。
初日の朝には、受け付けからビルのそとまで
開場を待つファンで長蛇の列ができておりました。

そんな熱心なテディベアファンの方々に、
われら「男子あみぐるみ部」は
いったいどんな作品を提示したのか‥‥。

ご覧いただきましょう。
トップバッターは、やはり部長から。
きはらようすけさんが、コンベンションのために
つくった作品は、こちらです!



手のひらサイズのクマ。
カワイイですね、とてもカワイイ。
きょとんとした目は、まぎれもなく部長の作品の特徴です。
コンベンションのテーマをおさえて
きちんとクマを編んでくるあたりも、さすが部長。
責任感があります。

そしてもちろん、
あみぐるみ街道をひた走る熱き部長が、
これだけで編むことをやめるはずがありません。
われらがブースのシンボルとするべく、
部長は大きなツキノワグマも出品しました!



手のひらに対してこの大きさ!
僕・山下も経験者だからわかるのですが、
ここまで大きなサイズを編むのは、たいへんなのです!

さらに、部長の編む腕はとまりません。
こちら、パンクロッカーです!



じつに男子っぽい!
右に並ぶPちゃんたちの困り顔との
コントラストもいい感じです。

これらにあわせて、
大きなラフちゃん(未完成)、
そして火星人くんとPちゃんをそれぞれ複数体。
部長は、ほんとにたくさん編みました。

身内がいうのもあれですが‥‥
うちの部長は、すごい! すばらしいです!!

部長以外の部員たちの出品作も、
引き続き、ご覧いただきましょう。

デビュー作で個性的なクラゲくんを編んだ
ぼうたたかしさんの2作目は、これです!



お、クマだ。
意外といっては失礼ですが、
ぼうたさんはきっちりクマを編んできました。
何ものにも縛られぬ自由な編み方が特徴のかたですので、
よもやテーマに添ってくるとは思わなかったのです。
しかも、これ、なんだか、愛らしいじゃないですか!
腕を組ませてみましたら、ラッパーみたいになりました。
ふてぶてしさがチャーミングですね。
毛糸の色の組み合わせも、相変わらず絶妙ですし。

続いて、
部員のなかで最も初心者のトリバタケハルノブさん。
彼は2作品を編み上げ、やってきました。
まずは記念すべき処女作からお見せしましょう。



いぬ。
オーソドックスなスタートです。
立派なものではないでしょうか。
タカモリ先生からみっちり基礎を教わっただけあって
処女作としてはたいへん上々のできばえです。

そしてトリバタケさんは、
コンベンションのために2作目をも編んできました。



マレー熊。
ただのクマではありません、マレー熊です。
ベロがベローンと長くのびてます。
2作目にしてオリジナルに挑戦とは、
しかもこんなに面白いものを編んでくるとは、
さすがはイラストレータさん。
編むことで精いっぱいだったはずなのに、
コンベンションのテーマのこともちゃんと考え、
きちっとクマを提出するなんて、えらい!
協調性があります。

それでは部員の最後に、僕のあみぐるみを。
1作品のみ、編みました。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
いや、あの、クマを編もうとは思ったんです。
途中まではシロクマを目指して編んでいたのですが、
どうしても、手がうさぎをつくってしまいました‥‥。

ですがこれ、すこしはテーマにも添っているのですよ。
手足のつけかたとか、
自分なりにテディベアっぽくしてみたのです。
とはいえ‥‥やっぱり、テーマからはズレてますね‥‥。
部員のみなさま、申し訳ありませんでした。

というわけで、なにはともあれ、
部長がたくさん編んでくれたということもあり、
男子あみぐるみ部員のスペースは、
それなりの作品数で埋めることができました。



さりとて‥‥。
一応にぎやかになったとはいうものの、
僕ら部員はまだまだ、あみぐるみをはじめたばかり。
つまりは「初心者中年の発表会」です。
こころぼそいこと、この上ありません。

そこで、
あみぐるみの総本山、タカモリ先生にも
作品をいくつか展示していただきました。

さあ、こちらをご覧いただきたく!
手のひらのなかの、このかわいさを!



ちびくまくん。
‥‥にぎりしめたくなるほどの愛らしさです。

大きなクマさんも、このように。



JTBキャラクターのルックン(先生の作品です)と、
やわらかなてざわりがたまらないミミズクくんも。



そのうえタカモリ先生は、
今回のコンベンションのために、
とんでもない新作を編まれました。
ブースの横にちょこんとたたずむ、こちら。



わんわんです!
わんわんといっても、
単なるイヌのあみぐるみではございません。
もう、びっくりしました、すごいのです。
なにがどうすごいのか‥‥。
ええとですね、
ほら、電池で動くイヌのおもちゃ、ありますよね?
よちよち歩いてワンワン鳴くやつ。
それを買ってきて、先生はまるごとあみぐるんだのです。
だから動くんです! 鳴くんです! たぶん世界初です!
‥‥説明、わかりにくいでしょうか。
それでは動画でご確認ください。
下のわんわんをクリックです! しっぽの動きに注目!



こうした先生の保護のおかげで、
僕らのダンボールブースは、
なかなかどうしてみごとにできあがったのでありました。

さて、ところで、
そんなわれわれのブース、
当日の人々の反応はどんなものだったのか?

間違いなく言えることがひとつ。それは、
「みんな、なんか気にしていた」
ということです。

周囲とはあきらかに違う空間でしたので、
みなさんつい足をとめてしまうのでしょう。
「人だかりができる」
といううれしい状況も何度か起こりました。

「‥‥え? あみぐるみ? なんで?」
「へえ〜、男のひとが編んでるんだ(笑)」
「あ、タカモリ先生の‥‥それはすごい」

というのが、偶然いらした方々の平均的な反応。
やはり僕らは先生に守られていたのです。

それにしても、緊張しました‥‥。
イベントふつか目にはだいぶんなれましたが、
初日などは目の前に誰かが立ちどまるたびにオロオロ。
人が集まれば、心は静かにパニック状態。
そんななかで、思わぬ才能をみせた部員がおりました。
ぼうたさんです。
ぼうたさんの、接客の上手さよ!
くったくのない笑顔で、するするとお客様に歩み寄ると
明るく楽しく、あみぐるみの魅力を解説していきます!



華麗な接客に、わんわん↑もみとれております。

また、印象的だったのは、
わりと多くの男性が、あみぐるみに興味を示していたこと。
こんなふうに、じっくり見入るおじさんもおりました。



わんわん↑が猛烈に吠えております。

「ほぼ日」読者の方々もたくさんいらしてくださって、
それはほんとに心強くもうれしいことだったのですが、
なかでも特にすばらしかったのが、30歳のある男性。
このような作品を持ってきてくださいました。



い、いったい、これは‥‥‥‥。
ご自分でも「なにを編んでいるのかわからない」とか。
当コンテンツを読んで、とにかく編んでみたくなり、
気がついたらこんなかたちになっていたのだそうです。
部員たちは勝手に、
「ざぶとんに座るキノコ」
「仏像のあたま」
などを連想していましたが、果たして何になるのでしょう?

そんな意表をつく作品の登場に
部員一同盛り上がっておりましたところ、
ふと気がつけば、ブースの横ではこんな光景が。



‥‥‥‥参加して、よかった。

タカモリ先生のあみぐるみは、
当然ながら女性と子どもたちに大人気。
わんわんなどは、何人のちびっこに、
いいこいいこをしてもらったことやら。

ちびくまくんも、ほら。



絵になります。
子どもとあみぐるみ、すばらしいです。

そして、なんとみなさん!
僕ら部員の作品も、
一部のちびっこに受け入れられたのです!
みてください!!



自分の作品をなでてもらうことの、
よろこびといったら、もう‥‥‥‥。
完成した部長の大きなラフちゃんも、ほら!



‥‥感無量でありました。
僕ら男子あみぐるみ部は、しあわせものです。
のっけからこんな体験ができるなんて‥‥。

こうして、二日間のイベントは盛況のうちにぶじ終了。

先生を中心に記念写真を撮りました。



撤収後、
僕らはそのまま近くの竹芝客船ターミナルへと
てくてく歩いて向かいました。
そぼふる雨の中、遠くにかすむはレインボーブリッジ。
先生と部員たちは、かぎ針をすっと取り出し、
海に向かって掲げます。
先生が、静かな声でつぶやきました。
「みなさん、この海の向こうがパリですから」


左上/二日目に欠席したトリバタケさん(自宅にて)


以上、
「テディベアコンベンション」への
参加の模様をお届けいたしました。

次回は、そのコンベンションに対する
「反省会」の様子をお伝えいたします。

今回かけあしになってしまった、
各部員の新作の詳細をあらためてていねいにご紹介。
部員同士のたのしい会話も
もちろんたっぷりお届けいたしましょう。

どうぞご期待ください!


先 生 & 部 員 プ ロ フ ィ ー ル
タカモリ・トモコ
職業/あみぐるみ作家・かぎ編み研究家
 言わずもがな、僕らの先生。
 「アメとムチ」ではなく「アメとアメ」で、
 やさしく指導してくださいます。
きはらようすけ
職業/イラストレータ(48)
【あみぐるみスタイル/目玉重視派】
 わが部の、部長です! 頼れます!
  「ポンキッキーズ」のコニーちゃんを
 描いたその腕で、あみぐるみと格闘中。
ぼうたたかし
職業/ウェブ・デザイナー(40)
【あみぐるみスタイル/なりゆき重視派】
 自転車と釣りを愛する
 アウトドア派のあみぐるみスト。
 きはらさん&タカモリ先生とは旧知の仲。
トリバタケハルノブ
職業/イラストレータ(31)
【あみぐるみスタイル/へんなフォルム重視派】
 静かに燃える最年少部員。
 ひっそり溢れる闘志に感銘した山下が推薦。
 そのポテンシャルはきっと計り知れません。
山下哲
職業/文筆業(43)
【あみぐるみスタイル/手ざわり重視派】
 このページを執筆するレポート係です。
 でも、可能なかぎり編む所存!
 こちらもよろしくお願いします。

タイトルロゴ&似顔絵/きはらようすけ

タカモリ・トモコさんと男子あみぐるみ部への激励や感想などは、
メールの表題に「あみぐるみ」と書いて、
postman@1101.comに送ってね。

2006-06-23-FRI

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