翻訳前のアメリカ。
そのあたりのこと、現地ではどんな感じ?

 

第八回配信 ほうれん草の缶詰

こないだスーパーマーケットでお買い物をしていたら、
急に気になりだしたことがありました。

子供の頃見たアニメのポパイって、
ほうれん草の缶詰を食べて強くなってたけど、
あんなもの普通に売ってるんだろうか?
生野菜を缶詰にしてなんか意味あるんだろうか?
そもそも、どんな味なんだろうか?

ポパイの友達、ウィンピーの好物はハンバーガーです。
ハンバーガーのほうは、珍しくもない、
普通の食べ物であることを考えると、
ほうれん草の缶詰もありきたりの食べ物のような
気がします。

しかも、体によさそう。

ひょっとして物凄く素晴らしいものを
今まで自分は知らずに暮らしてきたんじゃないだろうか、
という不安な気持ちにすらなりました。

確かめたくなって、すぐに缶詰売り場にむけて
速攻でお買い物カートを滑らせました。
棚6段×総延長15メートルの飲料水のコーナー、
棚6段×総延長 8メートルの冷凍ピザコーナー、
棚8段×総延長15メートルのアイスクリームコーナー、
ドイツ産カマンベールやアイルランド産スイスチーズ、
さらにデンマーク市(ウイスコンシン州)産の
パルメジャンチーズなど、種類はとても豊富だけれど
てきとうな品揃えのチーズコーナー、
コーヒー・ミルク・清涼飲料水のうち、
どれの仲間にも入いれてもらえず
変なとこにぽつんとおいてある、おいしいけど高い、
スターバックスのコーヒー牛乳(瓶入)、
…などの脇をすいすいと軽快にすり抜けて
缶入り野菜コーナーにたどり着きました。

そしたらありました! ほうれん草の缶詰。
コーンの缶詰とかトマトの缶詰(丸いままのやつと
サイの目にカットしてあるバージョン有)、
ニンジンの缶詰やジャガイモの缶詰とかにまじって、
平然と棚に並んでいます。
それにしても用途不明の缶詰製品が多いですが、
ほうれん草の缶詰を見つけた嬉しさに、
そちらへの疑問は吹き飛んでしまいました。

デルモンテとかの大手メーカー製だけじゃなくて、
スーパーのプライベートブランドもありましたから、
ほうれん草の缶詰はかなり一般的な商品であるようです。

スーパーのオリジナルのほうは、
定価79セントが特売で75セントになってます。
塩味つきと塩味無しの二種類があったので、
特に理由はないのですが塩味無しの方を買ってみました。
なんだか子供の頃の謎に一歩近づいた気がして、
凄く嬉しいです。
それがちょっとお買徳の75セントですから、
ちょっとだけ優越感すら感じます。


家に着いて早速缶を開け、味見してみることにしました。
ポパイは缶からいきなり食ってた.ので、
直接食べてみることにします。

見た目はほうれん草のおひたしをだらしなくつくった風。
いやな感じで黒ずんでます。
匂いは体力尽きたおひたしみたいな感じ
どっちかっつーと見た目は体に悪そうです。

味は…ものすごく不味い(泣)。


茶殻を美味しくした感じ。


ポパイはあまりの不味さに
やけを起こして暴れてただけなんじゃないでしょうか。
くわえてるパイプから 
ずぅろぉーり! と吸い込んでましたが、
あれじゃあ茶殻と吸殻の味が混ざって
体に悪いことこの上なさそうです。
だからあんなダミ声になっちゃったに違いありません。

ローバート・アルトマン監督が
実写版映画『ポパイ』(1980)で大失敗して
ハリウッドからしばらく干されてましたが、
本当に、扱いを間違うと業界から干されそうな不味さ。

おしょうゆとか鰹節とかマヨネーズとか、
調味料もひととおり用意したのですが、
あえなく使用をあきらめました。


あとで聞いてみたら、ほうれん草の缶詰は普通、
ラザニアの具とかラビオリの具とかキーシュの具とか、
スピナッチ・クリームとかの料理に使うとのこと。
ポパイはなぜ缶からいきなり食べてたの?と聞いたら、
あっさり「知らない」と答える人ばっかりでした。

あんな不味いものを食べたのに、謎は謎のままです。

ポパイ、助けて。

2001-04-13-FRI

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