山下 トントン拍子じゃ
ないですか?


ラクに作れる帽子を作ろう、
そんなことを思ったつもりは毛頭ないのですが、
結果的にぼくの帽子の型紙は、
たいへんシンプルな構成になりそうでした。
枚数でいうと、3枚あればオーケーみたい。
「切腹」やら「エイ」やらに比べれば、
ずいぶん単純なつくりですもの。
だってほら、これだけですよ?



まずはこれのりんかくを、模造紙に写しとるのですね。
やりましょう。
たったこれだけのパーツですから、
ゆっくり、ていねいに、やりましょう。

‥‥この作業をテーブルでするのはちょっとせまいかも。
床でやります。



周囲に7ミリの「ぬいしろ」も描くんですね。
描きましょう。
でも、どうして7ミリなんですか?
スソ先生に質問しましたら、
「あとでミシンで縫うときに、
 布の端から7ミリのところで縫い合わせるからです」
とのことでした。
なるほどー、たいへん納得。

1時間ほど集中して取り組んで、
なかなかスムーズに写し終わったのでありました。



ふー。
早期老眼の身には、じゃっかんこたえましたけれど、
このさきの針仕事のことを思えば、
このくらいで弱音をはいてはいられません。
序の口、序の口。
目薬、目薬。

写しとったパーツが、こちらです。



これをばチョキチョキとていねいに
切り抜きましたのが、こちら。



ご覧のように、なぜだかパーツが1枚増えております。
これ↓です。



これはいったいなんなのか?
くちです。
仮の型紙を作りながら、ふと思いついてしまったのです。
「ここをこうすると、うさぎのくちになるんじゃない?
 それってなんだかナイスじゃない?」
つまりは、こういうことでございます。



帽子の先端をこんなふうに縫い合わせれば、
ウサギのくちのような様子になるのではないかと。
‥‥余計なひとくふうかもしれません。
しかし、なんと言うか‥‥
ここまで誰よりも早くスルスルとできてしまったので、
「簡単で、ちょっと物足りない」
そんな感想を抱いていたのです。
(これがとんでもない思い上がりであることは、
 のちのレッスンで明らかになりますよ! お楽しみに!)

それはともかく、今回は、もうワンステップ。
ついに「布」を使った工程に取り組むのです。
あれですね、布が登場すると、
がぜん「手芸なきもち」になってくるものですね。
目の前にある、この白い布は、
「スレキ」という名称なのだそうです。
スレキ。
おお‥‥。ちょっと業界用語っぽくて、
さらに盛り上がる「手芸なきもち」。

スレキに、切り抜いた仮の型紙をのせて、
チャコ(布地にしるしをつける道具)で、
仮の型紙の外周をトレースしていきます。



紙がズレないように、重りをのせると便利なんです。
この日はコップで代用。

すいすいすいと、チャコをあやつり、
すべてのパーツを、ちゃちゃっと写しとります。



そのまま、ハサミでこれらを切り抜きましょう。
ジョキジョキジョキジョキジョキーン。
ほらー。



ね?
なんだかずいぶんトントン拍子じゃないですか?!
すこぶる調子がいい感じ。
このままだとぼくだけ最初に帽子ができちゃって、
ほかの生徒たちを慌てさせてしまいそうです!
(これがとんでもない思い上がりであることは、
 のちのレッスンで明らかになりますよ! お楽しみに!)

スソ先生のアドバイス
スソ先生のアドバイス
いい感じですね。
すくないパーツでシンプルにできるのは
良いことだと思います。
シルエットがたいせつな帽子なので、
微妙なところもていねいにすすめましょう!

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