シェフ 世話をかけるのう。


ミシンもなんとか踏めそうだし
型紙も完成したし、
もう、本番じゃなーい?

と、いさんで帽子教室に向かうわたくし。
新宿オカダヤで買ってきた
ウェットスーツ生地も用意いたしまして。



コーヒーも持参いたしまして。



りんごもあるし。



ん? みんなは‥‥



やばい! みんなは真剣だ!



じゃあ、せめて、
タイトルを書くぜ!
ふくろ文字だ!



と、そこに、
「シェフさん、いかがですか?」
の声。
はっ、スソせんせい!
しつれいしました!
えーとですね、スレキはこのように
うまく縫えました。



そして生地はこちらです。
ウェットスーツ生地です。



「あ、これ、厚いですね‥‥
 このミシンで、だいじょうぶかしら」

えっ?!
そんな不安になるようなことを
おっしゃらないでください。



「これは、はじっこで
 ためしてみたほうがいいですよ」

は、はい、そうします。
しかしですね、わたくし、
ミシンは、セッティングしていただかないと、
まったく、わからないのです。
ボビンがどうの、とか。

そこに救世主が!
小池です。



「あらあらあら。
 ちょっと待ってくださいね」

たすかります!



「はじっこを切って、
 縫い合わせてみましょう」

ええ、よろしくおねがいします‥‥。



けたたたたたたたたた(ミシンの音)。



「あらっ!」



けたたたたたたたたたたたたたた(ミシンの音)。



「縫えますよ! ほら!」



「このミシンで大丈夫ですよ〜。
 やってみてください」

は、はい。

と、この時点で、先週のことを
すっかり忘れ、
ミシンへの自信を失っているわたくし。

「そのレバーをあげて‥‥、
 右のダイヤルをまわして‥‥」



もう、つきっきりの指導です。

「げししししし(笑)。
 うまくいきませんように」

隣で山下が笑います。
笑うなー。



「あら? ひっかかっちゃったかしら?」

えっ!



「ちょっと待ってくださいねー」

スソせんせいも参加して
ちょっとしたさわぎになってしまいました。
「どうせなら、丸く縫う練習も兼ねたほうがいいですよ。
 これを使ってください」
と、スソせんせいみずから切ってくださった
丸い練習課題が手渡されました。



なんか、緊張‥‥。



「さあ。もう大丈夫ですよ!
 やってみてください!」

はい。がんばります。
んた・た・た・た・た・た(慎重なミシンの音)。



おお、これは!
んか・かかかかかかかかか(軽快なミシンの音)。



「縫えてます! じょうずですよ!」
と、小池がほめてくれます。



そ、そう? ありがとうございます!
ミシンで褒められるとは
思っておりませんでした!



「ほんとにじょうず!」

てれるなあ、そんなに褒めないでください。



「足のちからの入れ具合も、
 いいですね!」



かつて、わたくしが手芸まわりのことで
こんなに注目をあびたことは
ございません!



ライバル山下も偵察に。



どうです、きれいに縫えたでしょう!



「ええ、これだけきれいに縫えれば
 もう、いきなり本番に入って
 いいと思いますよ!」



えっ! もう、本番を縫うのですか!
やった! 二階級特進!
そそくさと席にもどった山下も
うらやましそうに見ています。



どうよ、このなめらかな縫い目!



そうだ、さっきのりんご食おうじゃないか。
(デ・ニーロ風に)
ところで、ヤマちゃんはどうよ?
うまくいってんの? どう?
え? なんか失敗したの?
ぐふふふふふふ!



‥‥と、遊んでいてはいけませんね。
「シェフさん!」
と、スソせんせいにたしなめられました。
「まだ、なにも、
 できあがっていないですよ?」
は、はいっ!
ここからは真剣でございます。
型紙をうつし、布を切ります。



スソせんせいに、縫う順番を
指示いただきます。



仮縫いはせず、
クリップでとめることにしました。



縫いはじめます!



さあ、どうなりますことか!
(つづく〜!)


スソ先生のアドバイス
シェフさん、ミシンが上手なので
ほんとにびっくりしました!
慎重に縫っていけば、
きっと大丈夫だとおもいますよ。
ただ、シェフさんの使う
ウェットスーツ生地は
伸縮性がとてもあるので、
2枚あわせて縫う時に
片方をひっぱりすぎたりすると
最後に合わなくなるかもしれません。
そこに、気をつけてくださいね。
ところで、痩せました?
帽子で苦労したせいだったりして!(笑)

とじる