われら、スジナシ応援団!笑福亭鶴瓶の即興ドラマに酔え。

アフター『劇場スジナシ』#最終回 お手伝いできてよかったです。
だから、終わってみるとね、
人選はばっちりでしたよ。
ばっちりでしたなあ。
ほんとうにもう
「東京公演大成功!」
いやもうほんとうにそのとおり。
イッセー尾形!
生瀬勝久!
広末涼子!

思ってたのと違ったかたちで成功した(笑)。
そうなんですよ(笑)。
いや、そんなもんなんじゃないの?
思ったとおりに成功してもさあ、
つまんないじゃないですか。
意外な感じでみんなの反応が‥‥。
これをさあ、同じものを
違う場所に持っていってできるかって言ったら
また違うよねえ。
いやもう二度とこの感じはできないですよ。
まえに鶴瓶さんが言ってたけど、
『スジナシ』ってやっぱり、
インタビューですよね。
インタビューです。
人間が出てるんです、全部。
これまでの経験とか、価値観とかね。
だから、これ、経験豊富でないと。
ストリップに行った経験があったら
オレもストリップの話できるし。
だから、芸能人のバリアはってたら、
こんなんぜったいできないっすよ。
あの、なんやかんや言って、
誰も見たことのないもので
人をおもしろがらせるって、
基本的にはできないでしょう?
うん。そうそう。
たとえば抽象画を描くにしても、
自然界に山があるだとか
川があるだとかを活かしていくわけだし。
誰か見たことのあるものでないと
感心できないですからね。
夢の話にしたって、
1秒ずつはリアルなんですよね。
で、これとこれが合うわけはないという
組み合わせがリアルじゃないわけですよ。
その意味では、体験みたいなものがないと
遊べないですよね。
そうですよ。
誰か見たことのあるものでないと。
うん。お客がその体験に
ついていこうとするところが共犯ですよね。
たとえば役者が困ってるときに、
お客が「それはないだろう」って引いて見てたら
あれは成り立たないですよね。
だから、人間の困る顔っていうのは
ほんとうにおもしろいんやなあと。
プロどうしがやってんねんけど、
困ってるんですよ。
芸で困ってるんやなく
ほんっまに困ってる顔って、
やっぱりおもしろいんですよね。
それを、こいつらなら、
この「困り」から突破してくれるって思うから、
そこにお金を払うわけなんですよね。
いやいや、だからほんとにね。
観終わったあとのアンケートでね、
「自分らも参加できて、芝居のあと、
 そのことに関して言いながら
 酒飲めるって最高です」
っていうことを書いてくださった人がいて。
まさにそうですよ!
だからそういう部分でのこの『スジナシ』は、
最高やと思いますよ。
なんていうの、やらせてるものね、
お客さんに仕事を。
で、「いやあ、いい手伝いをした」って。
手伝うっていうのは今、たのしいですよ。
うん。
ぼく、手伝いって基本的に好きだから。
『スジナシ』も応援団として手伝えて
ほんとにうれしいですよ。
もう、ありがとうございました。
そんなやりとりのあとも、
鶴瓶さんと糸井の話は雑談を交えて延々と続き、
最終的には鶴瓶師匠が
「もう終わりや! しゃべってたらキリない」
と叫んだところでようやく終わりとなりました。
でも、ほんとうに、
応援してよかったなあと思います。
もし、次回があれば、かならず次回も応援します!
それでは最後に、鶴瓶さんが、
関係者がたくさん集まっていた和室を出て行くときに
叫んだひと言を掲載して、終わりにしますね。
「なんぼほど靴あんねん。
 タコやないねんから!」

(おしまい)

2006-08-28-MON