届いたばかりの
une pincée を囲んで


ジュエリーには
“好き”と“物語”が
あふれてる。

届いたばかりの une pincée を囲んで


ジュエリーには
“好き”と“物語”があふれてる。

「ユヌパンセ」は、
ほぼ日の鶴見の、さり気なく、
素顔まで美しく見せるジュエリーを
作りたいという思いから生まれました。
鶴見が、ほぼ日のスタイリングでも
おなじみの髙品逸実さんに、
「いまつけているピアス、素敵ですね」と
話しかけたことがきっかけで、
偶然にも、ふたりが20代から通う
大好きなお店があることがわかりました。
そのお店とは、SOURCE objects。
杉山慎治さんがオーナーを務める、
ジュエリーのセレクトショップです。
髙品さんのセンスと、杉山さんの眼、
そして、鶴見の想いが出会い、
ファーストコレクションが完成しました。

03

日常の平均値をあげる

杉山

これ、今聞いちゃっていいかなあ。
そもそもなんですが、どうして僕、というか、
SOURCEに依頼してくださったんですか。

鶴見

ほぼ日の「hobonichi + a.」というブランドの
洋服のスタイリングを、髙品さんが担当されていて、
その中で、ちっちゃいパールとか金のピアスとか
使っているジュエリーが素敵だなと思っていたんです。
洋服を売るためのサイトだったんだけど、
ジュエリーがあるのとないのとでは、全然違う。
髙品さん自身も、いつもシンプルなジュエリーを
付けていらっしゃるのが、私、すごく好きだったんです。

それが、SOURCEの商品だったんですね。

鶴見

そうなんです。私もSOURCEの商品が好きだったから、
好きなものの感覚が近いかもと思ったんです。
私が作りたいジュエリーを、
髙品さんなら分かってくれるはずと思って、
新宿の喫茶店にお呼び出ししたんです。

髙品

ふふ(笑)

鶴見

そのときに髙品さんが、
ご自分のジュエリーを一式持ってきてくれて。
それを見ながら、ファーストコレクションのイメージが、
ほぼその場で固まっていったような感じです。

実際の制作はSOURCEの杉山さんしかいない、と。

鶴見

私も髙品さんも、20代の頃からこのお店に来ているんです。
いつ来ても新しい発見がありつつ、
古びないジュエリーの良さみたいなものも、
このお店で知ったんですよね。

どんなときにジュエリーを買っていたんですか?

鶴見

私はどちらかというと、記念日や転機というよりは、
日常の平均値を上げたいっていう気持ちで
ジュエリーを買っていましたね。

平均値。おもしろいですね。

鶴見

いつもの日常なんだけど、これを付けることで、
昨日よりもちょっとだけ変わるかもしれない、というか。
それがユヌパンセのコンセプトでもあるし。

だから、ゴールドも、ギラギラではなく。

鶴見

世の中にはもっとツヤのあるものが多いと思うけど、
今回、髙品さんと話しあっていくなかで、
「フラット」とか「プレーン」みたいな表現が
繰り返し出てきたんです。
こういう感覚も、
杉山さんならきっとわかってくださるだろう、と。

チームになるわけだから、大事ですよね。

鶴見

ジュエリーの知識とか、頼れる技量もお持ちだし、
なにより、汲み取り力がすごいんですよ。
それは、いちお客さんとして通っていた頃から、
信頼している点でしたね。

髙品

私も鶴見さんと同じような感覚で、
SOURCEで買い物をしてきました。

鶴見

どんなに小さなジュエリーでも、
付け忘れると、心もとなくて、
家に戻りたくなること、ありません?

しょっちゅうです。
お守りに近い感覚かもしれません。

鶴見

道行く人を見ていても、
「この人の耳に、小さなジュエリーがあったら、
すごく素敵なのに!」って。
お節介にも、思ったりします。
そういうジュエリーに出会えたのが、
SOURCEだったりするんです、私にとって。

杉山

それは、うれしいですね。
決してきらびやかではなかったりするんですけど、
ダメージジーンズには似合ったりとか、
すごいシンプルな装いにも似合うような、
さらっとしたピアスやネックレスが
あったらいいなあと思ってはじめたお店なんです。
「いままで欲しいものがなかったんです」
ってお客さまに言っていただくこともあって、
いまの鶴見さんのお話と重なって、
自分のなかで答え合わせができたような気がします。

杉山さんはあまりジュエリーを付けないからこそ、
冷静に見られる視点があるんじゃないでしょうか。

杉山

そうですね。僕は自分では使えないので、
ジュエリーの構造だったり、
きれいに見える素材を考えて、
選んだり、作ったりしています。

お客様におすすめする目線も、客観的に?

杉山

よくお客さんとお話して思うのは、
人って同じものを買いがちなんですよ。
突き刺すタイプのピアスが好きだと、
ずっと同じタイプばっかり買っちゃうとか。

それ、私です。耳が痛いです(笑)

杉山

せっかく耳にホールがあるんだったら、
いろんな楽しみ方ができたほうが
いいのになあと思って。
ぶら下げるタイプもいいんじゃないですかとか、
フープのタイプもいいんじゃないですかっていうふうに、
アドバイスができるように商品をそろえています。

それってまさにユヌパンセで提案してくださっている、
「いろんなチョイス」に通じますね。

杉山

そうですね。
こういうのがあるんだったら、
こういうのをつけ加えたらいいんじゃない?とか、
1サイズじゃなくて2サイズあったほうがいいとか、
お客様が買い物するための、
ちょっとステージを用意するような感覚ですね。

ユヌパンセのファーストコレクションは、
すべて日本で製作を?

杉山

はい、ぜんぶ日本で作っています。
東京近郊の、いろんな職人さんにお願いして。

当然、職人さんが、こう、叩いたり曲げたり?

杉山

そうです。
チェーンはある程度量産できるんですけど、
指輪なんかは、1個ずつ輪にして作っています。
それから、髙品さんが希望する色の仕上げ具合が、
本当に絶妙なところなので、
それにはそれ相応の職人さんじゃないと、
形にできなかったと思います。

次のコレクションの準備は、始まっているんですか?

鶴見

基本的な日常をワンランク上げてくれる、
という部分は変えずに、
アイテムや素材が変わっていく予定です。

髙品

ワクワクした気持ちも欲しいなと思うので、
「私がこれが好きだから作っちゃえ」
みたいな勢いも大事にしつつ。

杉山

いろんな選択肢を揃えるというお話をしましたけど、
デイリーなものも用意してるけど、なんかこう、
「それ、どこにつけていくの?」
みたいなジュエリーがあっても面白いですよね。
日常には、お祝いの席もあれば、
お悔やみの席もあるし。

鶴見

朝ジュエリーを選ぶのって、
外に出るための大事なスイッチでもありますから。
いろんなシーンを想定するのは、
大切なことかもしれないですね。

今日はみなさん、ありがとうございました。

(おわります)

©HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN