あたらしい綿のこと。

 

2016年秋発表の「4人の絵描きたち。」シリーズから、
「やさしいタオル」のパイル面の糸を
ヴィーナスシードという糸にかえました。
この糸は、生産量のすくない稀少綿。
ひざしのあふれるギリシアで育った糸で、
GMO(遺伝子操作の種)は使っていません。
超長繊維綿ではありませんが、
一般的な綿にくらべると繊維長が長く、
また、織度(糸の太さ)が太いのが特徴。
いままでの糸が、メーカーによる生産が終わったのをうけて、
タオルをつくる工場である今治の藤高さんの
「やさしいタオル」チームといっしょに探した糸です。
選んだポイントは、タオル(パイル)にしたときの
適度なハリとコシでした。
そして、上撚りを8回にすることで、
やわらかさを確保し、ボリューム感をふやしています。
さらにそのヴィーナスシードにLA加工をほどこしています。
これは、いままでの「やさしいタオル」でもおなじみだった、
液体アンモニアを糸の細胞壁(セルロース)にしみこませ、
「よぶんな緊張をほぐし、やわらかくする」もの。
そのあとに液体アンモニアを抜くと、
細胞壁が形状記憶されます。
洗って水分を吸ってぺちゃんこになっても、
乾くとまたふっくらともとどおりになる
「やさしいタオル」の特長は、
撚り方や織り方とともに、
この加工によるところも大きいのです。