「新そば、はじめました」というポスターを
町のそば屋で見かけたことがあるでしょうか。
その多くは秋口(9月上旬から)、
ごくまれに、夏(7月下旬から)。
そばの実がとれるのは秋なのですが、
一部(たとえば秋田と栃木)では
夏に新そばを収穫する地域があります。
島田製粉では、貴重なその新そばの実を仕入れ、
製粉して、深大寺のそば屋に卸しています。
ふだんは乾めんもつくっている島田製粉ですが、
夏の新そばの実は流通量が少ないため、
乾めんとして製品化をすることは、
これまで、ほとんどありませんでした
(全国各地の製粉所でも、
つくっているところはうんと珍しいようです)。
例外が、品評会用につくったもの。
「でも、これが、いけるんです」
と島田製粉の社長である島田栄造さんは言います。
灰白色をしたなかに、ほんのりと色づく薄黄緑色。
挽きたての「石臼丸抜一本挽きそば粉」を使うことで、
フレッシュなそばの香りを
乾めんに閉じこめています。