ドワーフさんの「たのしんで、やる」ものづくり。

みなさん、もう見ていただけましたでしょうか。
ほぼ日手帳「day-free(デイフリー)」に入っている
かわいいおばけのパラパラマンガ。
このマンガとムービーを作ってくれたのが、
「どーもくん」や「こまねこ」などの作品で知られる
アニメーション制作会社のドワーフさんです。
今回はじめていっしょにお仕事をしながら
ドワーフさんの「たのしんで、やる」パワーを
びしびしと感じた手帳チーム。
人の目にとまるキャラクターやアニメーションが
日々どのように生まれているのかを見せてもらいに、
西東京・秋津にある撮影スタジオにおじゃましました。

もくじ
もくじ
  • 1:1日5秒の世界。
  • 2:どーもくん。
  • 3:ぎらついた目で。
 
 
プロフィール
プロフィール
 

3:ぎらついた目で。

ほぼ日
今回、わたしたちから
「手帳に入るパラパラマンガを描いてください」と
お願いさせていただいたわけですが、
そういうお仕事は、きっとふだんは
あまりされていないですよね。
松本
パラパラマンガの依頼は、あまりないですね(笑)。
でも、パラパラって
すごくプリミティブなアニメーションだからこそ、
いつか機会があればやりたいと思っていたんです。
合田
たのしい作業でした。
松本
最初にほぼ日さんからお話を聞いたとき、
パラパラマンガを作るということは、
「1人の作業」になるな、と思ったんです。
ドワーフでは、いつもは共同作業が多いので、
クリエーター1人だけで描きたいものを描く作業は、
みんな、おもしろがってやるんじゃないかなと思いました。
ほぼ日
最初、ドワーフのディレクターさん4人が
たくさんのアイデアラフを描いて、
見せてくださったんですよね。
そのなかから、わたしたちのほうで
今回のマンガを選ばせていただいて。
松本
スタジオに話を持ち帰って、声をかけたら
みんな「やるやる!」みたいな感じで。
合田
みんな、ぎらついた目で(笑)。
松本
「おれがおれが!」って(笑)。
なかでも合田がいちばん
ぎらついていましたね。
ほぼ日
day-freeのためのアイデアをたくさんいただいて、
わたしたちもすごくうれしかったんです。
合田
ほんとうに、ふだんは
1人ではじめて1人で終えられる仕事って
なかなかないんですよ。
だから、「たのしんでしまえ!」っていう感じでしたね。
糸井さんからも、
「好きなようにやってもらったほうが
こういうのはおもしろいんだから」
って言ってもらえたので、こちらも
「好きにやってしまうぞ」って(笑)。
松本
「いいんですね?」って(笑)。
でも、自分たち自身がたのしんでやって、
その「たのしんで、やった」というのが
伝わればいいなと思って。
ほぼ日
はい。
それがとてもよく伝わってきて、
うれしかったとともに、
うらやましい気持ちにもなりました。
おばけのキャラクターは、
どこから出てきたんですか。
合田
おばけは、なんとなく
ニュートラルなイメージなんですよね。
男の人でも、女の人でもなく‥‥
ほぼ日
ああ、そうですね。
こどもでも大人でもない。
合田
今回のムービーにも、
旅行に行く登場人物の姿は出てきませんが、
おばけが、アバターのようにして登場します。
いろんな人のアバターになってくれたら
いいなとは思っていますね。
ほぼ日
誰もが自然に、
感情移入できるのかもしれませんね。
「わたしだったら、アイスランドじゃなくて
ハワイに行くなあ」とかって。
合田
簡単なかたちなのでね。
松本
作りこまれている登場人物だけだと、
「どこかの誰か」「わたしの知らない誰か」の話に
なっちゃうんだと思うんです。
おばけくんがいることで、
自分になってくるみたいなところが
ちょっとあるのかもしれません。
ほぼ日
このおばけくんも、どーもくんもそうですが、
合田さんが描くキャラクターって、
にっこり笑いすぎてもいないし、
「わたし、かわいいでしょ」みたいな
感じがしないですよね。
そのキャラがどんな気分なのかは、
見ているこちら側が決められる、といいますか。
合田
はい。
ほぼ日
ほぼ日手帳を使うときの気分も、
なんだかそれと似ている気がするんです。
人それぞれに同じ一日があって、
「今日はたのしかった」と書く日もあれば
「今日はつらかった」と書く日もあって。
day-freeのすみっこにいる
おばけくんの表情も、
その日の気分によって、変わってくるのかも。

day-freeのムービーで最後に出てくるオーロラの絵。合田さんが水彩絵の具で描いたものです。

松本
どっちもたぶん余地というか、
隙間があるんですよね。
「わたしってこういう子で、
こうかわいいんです!」ではない。
もしかすると、なにかちょっと
物足らないぐらいの‥‥。
合田
たしかにそういうことも、
自分の中でも理想にしているところが
あるかもしれません。
その人が見るときによって、
笑ってるようにも見えるし、
寄り添ってくれてるようにも見えるし、
ちょっと叱られてるようにも見えるし‥‥
みたいなものを目指しているところは
あるかもしれないですね。
やっぱりミッフィーとか、すごく憧れます。
ほぼ日
口が笑ってるわけじゃないのに、
いろんな感情を想像できますもんね。
‥‥そうか、おばけくんは
ただかわいいだけじゃなかったんですね(笑)。
松本
意外といい仕事してますね(笑)。
ほぼ日
day-freeを使うのが、
もっとたのしみになりますね。
今日はほんとうに、ありがとうございました。
また、なにかごいっしょできたらうれしいです。
合田
ありがとうございました。
はい、ぜひ!

(おわります)

 
月間ノート手帳「day-free」発売記念ムービー
監督・キャラクターデザイン・アニメーター
合田経郎
プロデューサー
松本紀子
文字
駒﨑友海
撮影・編集
杉木完
音楽
いいのまさし
制作
平松桃