LIFEのBOOK ほぼ日手帳2017

				20人に1人がほぼ日手帳を使う島
				島根県の離島・海士町で使われるほぼ日手帳
高校生たちは、ほぼ日手帳をどんなふうに使っていますか?

実際、生徒たちは
どんなふうに手帳を使っているのでしょうか。
隠岐國学習センターに通う
高校生5人に集まってもらいました。

――
みなさん、どんなふうに手帳を
使っていらっしゃいますか?
片桐愛南
(1年生)
高校になると、中学と違って
「明日までにここをやってこい!」ってことが多い。
そういうのを、付箋にバーッと書いて、
紙に貼って、終わったらはがす、
という感じで使っています。

片桐さんの手帳。忘れてはいけない内容が
ふせんに書いて貼ってある。

米澤柊太
(2年生)
僕、これが初めての手帳なんですけど、
勉強の目標を書いています。
それが達成できないと、
「ああ、こんなこと書いてたのに‥‥」
って恥ずかしい気持ちになって、
勉強する気が起きるので、
とてもいい活用をさせていただいております。
一同
(笑)
綿谷綾乃
(2年生)
私は去年、べつの手帳を使ってました。
その手帳はスケジュールだけが書けるものだったんです。
メモは別にノートに書いたりしていて、
いつもどちらかを忘れて迷惑をかけたこともあったんです。
この手帳だと、スケジュールもメモも全部書けるので、
今年はやることを一つひとつこなしていけて、
達成感を得られています。
小林周平
(3年生)
僕は、いままで計画を立てることが
ぜんぜんなかったんです。
でも受験生なので、
今年はテスト勉強の計画とかを手帳に書いて、
「これだけはやらなきゃいけない」というのを
見てわかる感じにしています。

小林くんの手帳には学習の要点がまとめられている。赤字でスタッフからのコメントが。

青山みずほ
(1年生)
これまで、メモとか日記とか、
書くこと自体がぜんぜん得意じゃなかったんです。
でも、今日学んだこととか、部活のこととか、
メモをするのが好きになってきました。

青山さんの手帳。
週間ページには学校の授業内容が。
黄色い帯は手帳に貼れるようにと佐藤さんがつくった
1時間幅のリボン。

――
いわゆる勉強以外の、
地域交流や夢ゼミなどにも手帳を使っているんですか?
綿谷
私は学校でエストニアの高校生と交流して、
2030年のあるべき姿を考えるという
プロジェクトをやっているんですが、
それに関して調べた内容を書きとめて、
手帳をもって発表します。

綿谷さんの手帳。
プロジェクトに関して調べたことがぎっしり。

米澤
ぼくは、夢ゼミの授業で
海士町のつくった「あいがもこしひかり」というお米を
販売するプロジェクトをやっています。
そのなかで、農家さんにお話を伺ったこととか、
そのときの自分の気持ちを書いています。
これまではメモをとらずに怒られたことが多々あったけど、
書く習慣がついて、成長したなって感じです(笑)。

米澤くんの手帳には、
地域の方にインタビューをしたときのメモが。

佐藤桃子
(スタッフ)
みんな、使い方はバラバラなんです。
島前高校という、地域で学んでる高校生たちの
活動のバリエーションが
そのまま手帳のバリエーションになっている気がします。
それぞれに楽しく使ってくれているので、
使い方を決めずに使い始めて
ほんとうによかったな、と思います。

その後、どうなりましたか?

ほぼ日が海士町に取材にうかがったのは、6月のこと。
その後、隠岐國学習センター副長の大辻雄介さんには
8月に開催された
「勉強の夏、ゲームの夏。2016」
ご登場いただきました。
そのとき、おおよそ4ヶ月使ってみて、
使い方が見えてきました」
と、隠岐國学習センターでの
手帳の使い方を改めて説明してくださいました。

大辻

島前高校の生徒たちは、
島まるごとを学びのフィールドとして、
夢探究や地域学、部活動、地域行事の参加と、
さまざまな人と関わりながら学んでいきます。
スーパーグローバルハイスクール※に指定されてからは、
シンガポールやブータン、ロシアに
研修にいくなど、ますます学びの場が広がっているんです。

島前高校と連携した公立塾の隠岐國学習センターには、
夢ゼミというキャリア教育の授業があります。
そこで、自分らしい夢を描き、実現するために、
5つの目的をかかげました。

1.予定などをメモする習慣を身につける
2.PDSサイクルをまわしながら学習の質を向上させる
3.生活全般のセルフ・マネジメントができるようになる
4.プロジェクト・マネジメントができるようになる
5.ポートフォリオ(経験をもとに夢を描く)

1年生の2学期までに[1]メモする習慣を、
通常授業では[2]学習の質向上
夏休みや冬休みなど長期の休みには
[3]セルフ・マネジネメントを身につけることをめざします。
さらに、夢ゼミの授業を通じて
[4]プロジェクト・マネジメントの能力を身につけることを、 そして授業、部活、地域活動等の記録が
[5]ポートフォリオ
につながるよう、
指導しています。
5つのステップのなかで、
[5]ポートフォリオがいちばん
ほぼ日手帳らしい使い方
だと思っています。
進路や夢を具体的に描くには、
自分の興味や問題意識を明確にすることが必要です。
そのため、感情とセットで過去の経験を思い出せるように、 悩んだときに手帳を見返す習慣をつけてほしい。
なんでも書いてOKであることを伝えています。
生徒たちが楽しく自由に手帳を使えるように、
3ない原則というのを設けました。
・手帳で生徒を管理しない。
・使い方を押し付けない。
・手帳を預からない。
手帳は生徒を自由にするためにあることを
いつも意識しながら、
これからもほぼ日手帳が常にかたわらにあるような
センターの運営を行っていこうとしています。

※スーパーグローバルハイスクール:文部科学省の指定する制度。国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図ることを目的に、グローバルな社会課題を総合的に学習する高校。

(つづきます)
写真/松村隆史

2016-10-09-SUN

「ほぼ日手帳公式ガイドブック2017」にも、
海士町の記事を掲載しています。