みんなでつくりました。「ほぼ日手帳2012」合同ミーティング

2月も終わりに近づいてきたある日の午後、
ほぼ日の会議室で、
大規模なミーティングが開かれました。
集まった人数は、約30名。
この方々、じつは全員「ほぼ日手帳」に
なんらかの形で携わっているんです。

乗組員たちが中心となって企画・製作している
「ほぼ日手帳」ですが、
1冊の手帳がみなさんのお手元に届くまでには、
デザインや印刷をはじめ、製本、販売、
公式ガイドブックの出版にいたるまで
膨大な作業とさまざまな工程があり、
大勢の方が手伝ってくださっているんです。

年に一度、
その年の「ほぼ日手帳」が無事に発売されたあと、
関係者が一堂に会するミーティングを開いています。
その年、どんなことを工夫して、どんな成果があって、
つぎにどんな課題が見えているのか‥‥。
そういったことを、会社の垣根を超えて話し合う、
特別なミーティングなんです。
といっても、堅苦しいばかりではなく、
「1年間お疲れさま、来年もがんばりましょう!」
という、とっても明るい会合です。

内容は、専門的なことが多いこともあって、
ぜんぶはお伝えできないのですけれど、
今日はその雰囲気をざっとお伝えいたしますね。

1.糸井重里から。

ほぼ日のいちばん大きな会議室に
関係者が全員集まったところで、
ミーティングがはじまります。
ちょっと緊張ぎみの手帳チームリーダー
ムネヒロの司会のもと、
まずはイトイから挨拶が。

「こうやって『ほぼ日手帳』にかかわる方が
 一堂に会することって、なかなかないですよね。
 他の人がどんな作業をしているかを知ったうえで、
 自分の役割を果たしていくことが大事かなと思います。
 お互いに頼りあって、信じあって、
 来年も一緒にいいものをつくっていきましょう」

2.「ほぼ日手帳」の変遷をスライドで。

そして、2012年版のラインナップをスライドで紹介しました。
この会合はどちらかというとスペシャリストの集まりで、
「ほぼ日手帳」の、ある一部を担当していらっしゃる方が多いので、
このスライドショーで「ほぼ日手帳」プロジェクトの全貌を、
あらためて知ってもらいます。

続いて、これまでのカバーデザインの変遷や、
「ジッパーズシリーズ」「WEEKS」などの
あたらしい商品の開発についても振り返りました。

みんな真剣にスライドを見ています。

3.一人ひとりが今年を振り返って。

「ほぼ日手帳」の製作にかかわって大変だったこと、
工夫したこと、こぼれ話などについて
参加した方全員からコメントをいただきました。
その一部を、ご紹介します。

 

「背割れ」問題を解決できました。

(凸版印刷株式会社 吉田枝里さん)

「ほぼ日手帳」の製本に携わっています。
今年は、製作過程の中で発生していた
手帳の背が割れる「背割れ」の問題、
これを何とかしようと努力した年でした。
打ち合わせを重ね、なんども試作品をつくり、
最終的に納得のいくものができたと感じています。
大きな山を越えることができた今、
来年もさらなる発展をしたいと思っています。

 

試作に試作を重ねたWEEKSの製本。

(大日本印刷株式会社 斎田百子さん)

今年は自分で自分をほめてあげたいくらい、
「WEEKS」の製作が大変でした。
試作を重ね、やっとできた製品を
なんども修正しては直す日々。
ちょっと心が折れそうになりましたが、
いいものが完成して、
世に送り出すことができたときは、
本当にうれしかったですね。
この気持ちを忘れず、また来年もがんばりたいです。

 

遊びごころをデザインに。

(佐藤卓デザイン事務所 佐藤卓さん)

デザインに関する、ちょっとこぼれ話を。
去年まで「ほぼ日手帳」のspring版には
アロハ柄があって、サーフィンが大好きな僕は、
柄の中にこっそりと「ハングテン」という
難しい技をキメているサーファーを入れました。
2年目、もっと難易度の高い技を入れました。
3年目、どうしよう‥‥技がない、と悩んだけれど
「ドルフィンスルー」という技で切り抜けました。
そして「今年こそ、もう技がないぞ」と、
真剣に困っていた4年目。
「今年はアロハ柄はありません」って言われまして。
「セーフ!」って気持ちと、
ちょっと残念な気持ちと‥‥(笑)。
来年もがんばります!

 

アイデアで工夫した「パスポートカバー」。

(株式会社吉田 根地嶋野花さん)

「パスポートカバー」の製作に携わりました。
最も時間をかけて打ち合わせを重ねたのが、
「ペン差し」の位置についてです。
「ポケットに入れてスマートに持ち歩ける」
というコンセプトのアイテムなのですが、
通常の丸い「ペン差し」をつけてしまうと、
ポケットにおさめることが難しくなってきます。
どうすればいいかをみんなで考え、最終的に
「手帳をはさんだデッドスペースに
 みぞを設けてペン差しをいれる」という
あたらしいアイデアを使用したことで
すっきりとしたデザインにすることができました。

 

革製品特有のむずかしさ。

(株式会社三越伊勢丹 籠浦兵衛さん)

革製品を担当していますが、
布地や合皮にくらべると、
やっぱり本革は扱うのが大変なんです。
生き物なので、どうしても、日焼けしたもの、
けんかなどの傷があるものなど、
さまざまな個体差が出てくるんですね。
裁断のときにはなるべくロスが出ないよう
気をつかったり、あらかじめロス率を
どう見積るかが重要だったりします。
こういった革特有のむずかしさをふまえつつ、
「みなさまに、いいものを提供したい」
そんな気持ちで、来年も取り組ませていただきます。

 

楽しい接客ができました。

(株式会社ビームス B印 YOSHIDA 梨本大介さん)

普段は代官山にある「B印 YOSHIDA」にて
販売をさせていただいています。
今年は「ほぼ日手帳」をお使いのお客さまが
楽しんで使っている姿が印象的でした。
特に、「WEEKS」の色合いが増えたことによって
洋服のコーディネイトのような提案ができ、
お客さまに喜んでいただけたのが嬉しかったですね。
男性のお客さまで「お仕事用に」と
商品を探している方が実際に商品を見て、
最終的に明るいカラーを選んでくださる、
という傾向も多かったように思います。
来年もよろしくおねがいします。

 

少しでも早く、「ほぼ日手帳」を届けたくて。

(アドレス通商株式会社 下村善史さん)

完成した「ほぼ日手帳」をセットアップして、
梱包して、発送する業務を任せていただいています。
いつも、「ほぼ日手帳」を楽しみに
待ってくださっているお客さまに
「1日でも早くお届けしたい」と
思いながら取り組んでいます。
去年は1日3,000件の出荷、
今年は1日3,500件出荷を目標にしてきました。
来年に関しても、1日でも早く、
1人でも多く手帳を手元に届けたいと考えています。
これからも努力していきます。

 

同じ手帳にかかわっていても、
他の方がどんな仕事をしているか
意外と知らないことも多いんです。
それぞれの思いを、みんなで分かちあいます。

4.来年はもっと!

製作過程にはもちろん苦労話があるものの、
それでも全員に共通していたのは
「来年はもっといいものを」という強い思いでした。
この頼もしいメンバーとともに、
これからもみなさんに喜んで使っていただける
手帳を目指して、つくり続けていきたいと思います。

そして、いつも「ほぼ日手帳」をご愛用くださっている
みなさんからも、アンケートやおたよりを通して
たくさんのヒントをいただいています。
本当にありがとうございます!
2013年の「ほぼ日手帳」も、どうぞお楽しみに。

2012-03-23-FRI
最新の特集コンテンツヘ特集コンテンツをもっと見る