結論の微調整。
方眼サイズは3.7ミリ方眼に。



それまで4ミリ方眼だった方眼サイズを、
3.45ミリに変更した2009年。
手帳によりたくさんの文字を書けるように、
グラフィックデザイナーの佐藤卓さんが
試行錯誤して導いた方眼サイズでした。
この新しい方眼サイズの使い勝手をうかがった
手帳アンケートの回答は、
「ちょうどよい」を含む肯定的な回答が、
「小さいと感じた」を含む否定的な回答を
わずかに上回りながらも、圧倒的な支持を得たとは言えず、
次年度の方眼サイズについて、検討を重ねました。
佐藤卓さんと糸井重里が聞き手となって、
ユーザーの方の生の声をうかがう「方眼座談会」を経て、
辿りついた結論は、4ミリでもなく、3.45ミリでもない、
「3.7ミリ方眼」です。

方眼に関する佐藤卓さんと糸井重里の対談は、
こちらからお読みいただけます。

1日のはじまりは何時から?
早朝の予定も書きやすくなりました。



「朝が早い仕事についているので、
私の1日は午前5時からはじまります」
「日帰り出張が多いので、
朝5時台に家を出る日もしょっちゅうです」
あらゆる時間帯の予定を書けるようにと用意した
「24時間の時間軸」ですが、「午前5時」は
ちょうど方眼が途切れる位置にあたっていました。
生活スタイルが早朝型の方々からのリクエストに応え、
時間軸の数字の位置をひとマス下にずらし、
午前5時台の予定を書き込むスペースを作りました。

じつは必要とされていました。
時間軸のタテの破線。



2008年版まで入っていた、
時間軸の数字の中心を通るタテの破線。
2009年版の改訂時、数字がより見やすくなるように、
その破線を取っていました。
すっきりと見やすくはなったのですが……
「数字がない時間帯の予定は、時間軸のタテの破線に
点を打って、そこから線を引き出して書いてました。
そのタテ線がなくなって、書きづらいんです」
そんなご意見をいただきました。

試してみると、なるほどです。
とりたてて用途を意識していなかった線1本にも、
使われている中で、ちゃんと存在意義が
与えられていたんですね。
ということで、タテの破線を復活しました。

ボックスの数をもうひとつ。
「TO DOリスト」が5行に。



「いつも自分で増やして書いていますが、
せっかく1行空いているので、
チェックボックスをもうひとつ、
最初から加えておいてもらえませんか」
アンケートの回答に、そんなリクエストをいただきました。
「やるべきこと」が増えるのはうれしくないから、
これを増やすのはやめよう、
そう考えていた「TO DOリスト」の数でしたが、
あらためて、考えてみました。
「自分のことでいうと、仕事と家庭と両方あって、
この日忘れないように! っていうことが
5つくらいある日は、けっこうあるなぁ」
「ここに書いてることって、
いやなこととは限らないんじゃない?
友だちの誕生日プレゼントを買いに行くこととか、
たのしみにしてる本の発売日とか、
私は『忘れなメモ』に使ってるよ」
そんな意見が集まりまして、
チェック用のボックスをもうひとつ、
5行めにも加えることにいたしました。

目安にも、自由にも使えるように。
「秘密の縦ライン」をやや細くしました。



「秘密の縦ライン」とは、
時間軸から9マス目に平行に走る、細い縦線です。
ユーザーの方の使いかたにヒントを得て、
2004年版にはじめて登場しました。
以来、「予定を書く欄」と「メモや日記を書く欄」など、
スペースを分けて使うときの目安になると、
多くのユーザーの方々に利用されています。
秘密の、と名づけたのは、
自由に書きたいときにも気にせず使えるように、
うっすらと入れているからなのですが、
「スペースを分けずに使っている身としては、
まだ少し目立ちすぎる気がしています」
そういうご指摘をアンケートでいただきました。
利用している方はこれまで通り便利に使えて、
かつ、使わない方は気にならない、
そのバランスを探した結果、線の太さを
2009年版よりも0.05ミリ細く、
ミクロの世界の微調整を施しました。

さらにちょっぴり控えめに。
祝日の色を少し、うすくしました。



たびたび微調整を重ねている、祝日の色の濃さ。
またほんの少し薄くして、
書くときのじゃまにならない濃さに調整しました。

新しい年を、まっさらな気分で。



「ささいなことですが、1年のスタートは
新しいページではじめたいなぁと思います」
そんなご意見をいただきました。
2009年版の元日のページは、左ページに12月31日があり、
往く年と来る年が、ひとつの見開きになっていたのです。
たしかに! というわけで、元日を左ページに移動しました。
新しい年を、まっさらなページでお迎えください。

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