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革カバーをえらぶとき、色だけでなく、
革の質感、革の表情も、大切なポイントになりますよね。
2007年版の革カバーは、
色によって、革の表面の仕上げを3種類を用意しました。
「ガラス加工」「エンボス加工」「タンニン仕上げ」です。
どれも、それぞれまったく別の個性になりました。
革の質感や表情のちがいを、おたのしみください。
表面に深みのある光沢があり、
端正な高級感の漂うガラス加工。
ガラス加工は、なめし終わった
革の表面のざらつきを
サンドペーパー(やすり)で
きれいに細かく擦り落として、
そこに薄く染料を吹きつけていきます。
そもそもガラス加工の“ガラス”とは、
ご想像どおり、窓ガラスなどに使われる
ガラス板のこと。
その昔、革をなめし終わり、
塗料を吹きつける前に、
ガラス板の上で、
革を広げて平らに伸ばしていたため、
「ガラス加工」と呼ばれるようになったそうです。
いまでは、実際にはガラス板ではなく、
琺瑯板(ほうろうばん)の上で革を伸ばして、
染料を吹きつけているのですが、
昔の手法のなごりで、
現在も「ガラス加工」と呼ばれています。

「ガラス加工」の革ができるまでについて、
 くわしくはこちらをどうぞ
 
エンボスは、革の表面に、
型押しで、微妙な模様をつけています。
この微かな模様が、革の質感を
やわらかにしてくれます。
模様があまり深くはっきり出てしまいますと、
男性的で、堅く重い雰囲気になるので、
今回の革カバーは、型押しを浅めにして、
やさしく、軽みのある表情が出るように
仕上げました。

「エンボス加工」の革ができるまでについて、
 くわしくはこちらをどうぞ
 
「タンニン仕上げ」
タンニン仕上げは、すっきりした表情の奥に
渋味や深みを持っているのが魅力です。
今回の革は「フルタンニン」ではなく、
原皮の段階では、クロムなめしを施し、
最終的な革の仕上げの表情をつくる際に
草木の樹液でやわらかくする、
「タンニン仕上げ」を採用しています。

「タンニン仕上げ」の革ができるまでについて、
 くわしくはこちらをどうぞ





2004年版、2005年版、2006年版と、
「ほぼ日手帳」の革カバーは、
高級革小物を専門とする、
日本の職人さん数名につくっていただいておりました。
ご好評をいただいていた一方で、
革カバーの人気が高まり、昨年の2006年版では、
2005年版の4倍にもなるご注文をいただき、
お願いしていた職人さんのチームでつくる数量を
大きく越えてしまいました。
手帳のアンケートでも厳しいご指摘をいただきましたが、
数量の面でも、品質の面でも、
ご期待に添えないことがでてまいりました。
たいへんもうしわけなく、重く受け止めております。

そのため、2007年版の製作準備に入るにあたり、
製品を高品質に保ちながら、
たくさんのみなさまのご注文にも
自信を持ってお応えできるような
生産体制をつくりなおすことを、
最大の課題として追求してきました。

その結果、「ほぼ日手帳」の革カバーを
ご希望くださっているみなさま全員に
お届けできるほどの数を、
ある一定の期間内で製作することができて、
品質の責任が持てる体制がつくれることになりました。

2007年版の革カバーの製作は、
株式会社伊勢丹・外商統括部のチームと、
タッグを組むことになりました。
この伊勢丹のチームは、高級革製品を、
中国の信頼できる工場で製作しつづけています。
もともとその実績には目を見張るものがありましたが、
さらに互いに慎重なやりとりを続けました。
ミーティングを多数重ね、
サンプルの製品を何度もつくり、
完成した商品見本の品質を手にしての判断でした。
これまでに「ほぼ日手帳」の革カバーを
お使いになっている方にも、これまで以上の
満足をさしあげられることと思います。

現在、全国のロフトの店頭では、
革カバーのサンプルを手に取っていただくこともできます。
お時間がありましたら、ぜひ、現物をごらんください。


株式会社伊勢丹 外商統括部
籠浦兵衛さん


「ほぼ日手帳」のお客さまは、
手帳をとても大切に思って買ってくださる方が
多いと思いますので、
今回、私どもは、たくさんのご注文をいただいても、
個体差がなく、高品質の革カバーをお届けすることが、
使命だと思っております。
今回、製作を担当している中国の工場は、
高級革製品をはじめ、
百貨店の店頭に売っているブランドの
革製品を多くつくっています。
私自身、この工場との付き合いは非常に長いのですが、
この工場の漉きの技術、きざみの技術が
私の知っているかぎり、圧倒的に高いので、
ぜひご紹介したいなと思いました。


きざみといわれる四隅の処理

とくにご理解いただけるといいなと思っているのが、
革の「漉き(すき)」の部分です。
漉きとは、革を裏を削って
紙のように薄くして、
それぞれの製品に加工しやすくする技術です。
漉きひとつとっても、
この工場は、使用する場所ごとに
漉き具合を細かく変えています。


使用するパーツによって、
革を少なめに漉くか、かなり薄く漉くか、
異なります。

たとえば、通常のガラス加工の製品は、
ペタンとした印象になりますが、
今回の「ほぼ日手帳」のガラス加工は、
全体的に、ふんわりと丸みが出るような
仕上がりになっています。
そのふんわりとした丸みは、
革の端をていねいに漉いているからです。
この工場は、カバーの中の芯材を漉いたり、
見えないところに、ものすごく手をかけています。
他の工場の製品とくらべると、
「はっきりとはわからないけれど、
 なんだかこっちの方がいいな。」
なんてことがよくありますよね。
それは、見えないところにかけている技術の違いなんです。

この工場の社長さんは、モノをつくるのがすごく好きで、
通常社長は経営の得意な人がなるのですが、
この工場の社長さんは、職人出身で、
自分が納得できるモノづくりをしたいために、
いまの工場をつくった方です。
誇りを持って仕事をしている方なんですよ。
ですので、この工場でつくる革カバーの
あったかい感じが伝わるといいなと思っています。
手に取っていただけたら
きっとご満足いただけると思います。
図解! 手帳カバー丸わかり
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