ゼロになる洗顔。

この夏、デビューするface wash series。
シンクー初のオリジナルアイテムを洗顔料にしたのは
美容の根底には、正しい洗顔がある、と
わたしたちが考えているからです。
「顔を洗う」という、ごく日常的な行為の大切さや
きちんと汚れを落とすコツについて
岡田いずみさんに、お話をききました。

ゼロになる洗顔。

いつから自分で顔を洗えるようになったのか。
思い出せないくらい、あたりまえにしていた洗顔。



日常にしっかり根づいているものなのに、
誰かに洗顔の仕方を習った記憶もなく、
そもそも正しい洗顔とは何が重要で、どうすればいいのか、
その明確な答えを持っていない人が大半のように思います。
“美肌づくりは洗顔から”と言われるほど、
肌を清潔に保つことで、無用な肌トラブルを避けられます。
生まれたてのような透明感のある美しい肌に導く洗顔は、
美容のみならず、肌の健康という面でも、
欠かせないものなんです。



日本において、洗顔が広まったのは、
化粧文化が花開いた江戸時代。
美容意識の高まりと共に、白粉を落とすためにも、
化粧前の下準備としても使われていたようです。
その頃の洗顔といえば、
米ぬかの絞り汁に含まれる天然の美容成分で
顔や襟元を洗うことでしたが、
明治時代になり文明開化が起こると、
泡立ちが良く、洗浄力の強い石鹸が台頭して、
汚れをしっかり取り去る洗顔へと変化していきました。
農地や工場の仕事での汚れに石鹸は大変有効だったため
広く愛用されましたが、
一方でそこまで汚れない人や肌が敏感な人にとっては、
その洗浄力の強さが、肌のつっぱりや
乾燥を招くこともありました。



洗顔は、キレイになれるはずの行為ですが
正しい知識を持たずになんとなく洗顔していると、
マイナスにさえなってしまうこともあるのです。

実はわたしもそのひとりでした。
学生の頃、ホルモンバランスの変化で
肌が一気に脂性に傾き、
ニキビに悩んだ時期がありました。
そこで、学校までニキビ用の洗顔料を持ち込み
スポーツの後や昼休みに必ず洗顔をしたところ、
みるみる肌が改善し、すっかりキレイな肌に。
まさに美肌は洗顔からだと実感し、
うれしくてますますしっかり洗顔することを心がけました。
ところが、ある時から肌がつっぱるようになり、
冬にはカサついて
皮が剥がれるほどになったのです。
しっかり保湿を行っても、なかなか改善されませんでした。
理由はふたつ。
そのとき、すでに大人になっていたわたしは、
スポーツはせず、汗をかくことが減り、毎日メイクをするなど
肌をめぐる環境が変化していました。
いつの間にか肌バランスが脂性肌から
普通肌に変わっていたのに、
「自分は脂性肌だ」という認識を変えられなかったのが
ひとつめの理由です。
なのに、脂性肌用の洗顔料と洗顔方法のまま、
乾燥で敏感に傾いた肌から
必要な油分まで取り去ることになり、バリア機能が壊れて、
より乾燥を加速させてしまったことが、
もうひとつの理由でした。

そこで立ち止まり、改めて洗顔とは何かを考えました。
洗顔の目的は、肌を清潔に保つこと。
そこで大事なのは
洗顔によって肌本来のバリア機能(皮脂膜)を
なるべく奪わないように行うこと。
肌は皮脂膜という自らが作り出す潤い膜で、
外気や乾燥から肌自身を守っているのですが
洗顔で気をつけたいのは、
この皮脂膜まで取り去ってしまわず
今日汚れた分だけ落とす。
言い換えるなら“ゼロになる洗顔”を目指すことが、
洗顔の極意だと思いました。



これは、実は難しいことではありません。
肌は自分と同じものが好きで、
異質なもの、そして刺激が苦手。
そのことを知っておけば、
洗顔のコツが見えてきます。

例えば顔を洗う水の温度は、
肌と同じ人肌(36℃~38℃)のぬるま湯で。
熱いお湯では肌を乾燥させ、
冷たすぎる水も刺激になり、
トラブルを引き起こしやすくなります。
また、泡の洗浄力が必要なときは、
肌と同じ弱酸性でなるべく優しいものを。
洗浄成分は肌に乗せているだけでも効果があるので、
顔全体に広げたら、
なるべく早く肌から取り去るように洗い流しましょう。
また、洗浄成分が顔に残ると、
ニキビや吹き出物の原因になるので、
隅々まで丁寧に洗い流してください。
そして、洗顔中やタオルドライのときには、
まるで赤ちゃんに触れるように
力を抜いて優しく触ることが大切。
ゴシゴシ音が聞こえてきそうな洗顔やタオルドライは、
鱗状になっている皮膚表面を逆撫でして
皮脂膜とともに強引に剥がしているようなものなので
決してしないでくださいね。
そして、
その時々の肌の汚れに見合った分だけの洗顔料で洗うこと。
外気に触れたり、スポーツなどで汗をしっかりかいたときと
起きたての朝の汚れは度合いが違います。
肌の状態が敏感なときには、
そっとぬるま湯で洗ったり、
ベタつくポイントだけに洗顔料を使ったりと、
調整してくださいね。



これが、ちょうどいい“ゼロになる洗顔”のコツであり、
洗顔の基本です。
肌を安定的に美しく保つには
正しい洗顔を行うことが何より重要です。
洗顔のコツを掴んでいただくことで
あなたの大切な肌を守り
美肌に導く力になれたら幸いです。

2021-05-17-MON

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