やわらかくてあたたかい素材の秘密は?
自信を持ってお届けします、
“集大成”のハラマキ。!


ご無沙汰しております。
ハラマキを作っておりますハシレトノサマです。

ただ今、「ほぼ日back to SCHOOLハラマキ」の
生産の真っ最中。
ハラマキを作っている現場でこれを書いています。
編み機が音を立てて動いています。
みんな、忙しそうに走り回っています。


真ん中に立っているのがぼくです。

「ほぼ日ハラマキ」は
毎回、製品を一から作り上げます。
前に作ったものを少しでも越えたいと思い、
糸、染め、編み‥‥いたるところで、
とことんまで突き詰めて、
自信を持って「最高のものだ」と言えるものを
お届けしています。

前回のハラマキはどうだったのか?
---やわらかくて良いようだ。

では、なぜやわらかいとよいのか?
---肌触りがよくて、しめつけ感がないからだ。

肌触りが良いとはどういうことなのか?
---肌に触れる部分が細やかで緻密、
 汗を吸い、肌とよく馴染んで、
 アレルギーを起こしにくいことだ。

こんなふうに、自分の中で問答をくりかえしながら、
「では、次回のハラマキは、
 どうしたらいいのだろう?」
と、実際にサンプルを作っては、
その都度、気になるところを改善して、
また作り直して‥‥と、
何度も何度も試行錯誤をくりかえしながら、
最終的に自信を持って、
お客様の前に出せるものを作り上げています。
「伸びの具合と締めつけ感」
「サラサラの触感となめらかな絹のような触感」
「厚さと保温性」
など、
実現させるのがむずかしいようなことも
たくさんあるのですが、
それぞれ一つずつクリアしていきながら、
グレードアップしています。

では、今回のハラマキについて
具体的に説明させていただきますね。
個人的には、今回のハラマキは、
これまでの“集大成”だと思っています。

まず「糸」です。
僕たちは数十点というサンプルを作り、考えました。
“どこまでも伸びる、やわらかい糸”はないものか。
この“どこまでも伸びる、やわらかい糸”が、
快適に巻いていただけるようなハラマキを作るためには、
必須なのです。
ハラマキは長時間巻くものなので、
できるかぎり、巻いていることを忘れてしまうくらい、
しめつけ感がないようなものにしたいですから。
そして、僕たちがたどりついた糸は、

「中心がポリウレタン(ゴムのように伸びる素材)で
 その周りにやわらかい素材をまとわせたもの」


でした。
ここで使われるやわらかい糸とは
元々は「わた」でできていて、
そのやわらかい糸を、ゴム製の芯の上に、
ふわっとかぶせるように、「まとわせる」のです。
この「まとわせる」のが最大のポイントです。
「巻きつける」と糸が堅くなってしまい、
やわらかな風合いが出ないんです。
ですので、無理に巻きつけるのではなく、
中心のポリウレタンの周りを、
一番やわらかい「わた」の状態のまま、
ふんわりかぶせるようにカバーして、
「わた」のやわらかさを残したまま生地にした
そういう特殊な糸なんです。
ちょっと、わかりづらいですかね。
つまり、簡単に言いますと、
中心のゴムが“伸び”を担当し、
周りの「わた」が“やわらかさ”を担当する

そういう糸です。
生地にするには、いくつものとても複雑な条件を
クリアしなければいけないのですが、
ハラマキのために何度も研究して、
ようやく、形になりました。

これらの方法を見極めた上で、
たくさんの糸の中から、
ハラマキに最も適した、最高の糸として、
この2つをリニューアルすることにしたのです。

●欠点は、技術で解消!

昨年の「元気ハラマキ」でも使用した素材です。
「わた」の部分は軽く保温性の高いアクリルと、
細く緻密でしなやかなレーヨン「モダール」。
あの肌触りは健在で、緻密で、
薄いのに暖かい。
寒い冬のアウターとしても最高の糸です。
さらに上の部分が伸びきってしまう欠点を、
編みの技術で解消しました。

●前回のShareonaハラマキに使った
 “のびのびタオリン”をもっと使いやすく!


夏のハラマキではすっかりおなじみの
“のびのびタオリン”を
今回は冬仕様でお届けします。
「わた」の部分は綿の中でも
もっともやわらかい「最高級超長綿100%」、
使うたびにやわらかくなるあの肌触りはそのままに、
丈の長さをやや伸ばして
お腹の上の方から腰の下までしっかりとサポート。
綿ですから、汗を吸い、直接肌にあてても
アレルギーが出にくい素材です。
インナーとしてこれ以上の素材はないといえます。


これらの糸を2つ同時にご用意しました。
どちらも一度、以前のハラマキで用いた糸です。
新しい糸もたくさん試しました。
しかし、現時点でハラマキの糸として、
この2つを上回るものはない
という結論に達して、
この2つの糸をえらびました。
さらに、技術などで、工夫できることは工夫した、
つまりは“集大成”のハラマキです。

以前買っていただいたハラマキは元気でしょうか?
今回のものはお邪魔できるでしょうか?
みなさんの日常にハラマキが溶け込んでいたら、
僕らはそれが一番嬉しいです。
よかったら、お使いいただいた感想も
お聞かせてください。
うれしいメールも、改善のご意見も、
毎回、製作チームのみんなで
楽しみに読ませていただいて、
ハラマキ作りの励みにさせていただいています。

それでは、新しい「ほぼ日back to SCHOOLハラマキ」が、
みなさまを、あたためますように。

ハシレトノサマ


2003-11-21