だって、ことしもおいしいに決まってるもの。おらがジャム・あんず2018糸井重里インタビュー

こんにちは、ほぼ日ジャムチームです。
毎年夏になると販売がはじまる、
ほぼ日の定番「おらがジャム・あんず」は
8月28日(火)午前11時発売。
食べることが大好きな糸井重里が
趣味として作っていた
「本気めんどくさ仕込み」のジャムを、
長野のサンクゼールさんの力を借りて
製品化したものです。
すでに食べたことのある人も
いるかもしれませんが、
作る量が多くないため、
まだきっと知らない人も多いはず。
そこで、発売から7年目のいま、
あらためて「おらがジャム」の魅力を
糸井重里に聞いてみることにしました。

──
というわけで、今日はあらためて
「おらがジャム・あんず」のことを、
糸井さんに語っていただけたらと
思っています。
まずはできたばかりのものを
食べていただいて‥‥。
糸井
いや、ことしもおいしいに決まってるもの。
(と、トーストにジャムをのせてがぶり)
‥‥これ、もう、何も文句ないけどな。
──
(一同笑)
糸井
うちのジャム、圧倒的に
よそよりうまいよね。
──
「このジャムを食べたら、
ほかのジャムを食べれなくなった」
という話もよく聞くんです。
糸井
そういう人もいるだろうね。
そしてこのジャム、
どんどん食べちゃうんだよね。高いのに。
──
はい、値段はどうしても高いんです。
旬のくだものをたっぷり使って、
原価も手間もかかっているので。
糸井
オーブンドライしてから煮込むから、
あんずの嵩が減っちゃうし(笑)。
──
そうなんです(笑)。
糸井
だけどこのジャムって結局、
こういうものを自分が食べたいとか、
友達にあげたいという理由で
作りはじめたものだから、
そもそもが原価とか関係ないんだよね。
商品にしようと思って作ってないから。

長野県千曲市の旬のあんずをオーブンドライしておいしさを凝縮し、惜しみなく使っています。

──
「商品開発」みたいなことじゃなく、
純粋に食べたいものを作ったジャム。
糸井
そう、だから
「値段を考えて材料の価格を抑えよう」
とか、そういう要素を入れずに
純粋に好きな味を追求できてるんだよね。
──
このジャムを「ほぼ日」で売るように
なったきっかけについても、
あらためて教えていただけますか?
糸井
まず、自分がほしかったということが
ひとつありますね。
そして、人にあげると喜ばれるから
「もっとこのジャムをたくさん作れたら、
いろいろな人にあげられるのにな」
と思ったのが、もうひとつ。
それで、工場で作って販売できないかなと
考えはじめました。
──
たしかにおらがジャムは、
おみやげに差し上げると
すごくよろこばれますね。
あとから「あれおいしかったです」と
言ってもらうことも多いですし。
糸井
それで最初は工場を探すところから
はじめたんです。
ただ、工場からすればすごく少量だし、
作り方も独特だから、
引き受けてくれるところが
なかなかなかったんです。
だけどそれをサンクゼールさんが
「やりましょう」と言ってくれて、
ようやく実現したものなんですね。

話しながら食べつづける糸井。

──
サンクゼールさんのほうでも、
必要な設備がもともと全部あったわけでは
ないらしいんですね。
そこを工場のみなさんが工夫してくれて、
さらにいろいろな実験も重ねて、
いまのように作れるようになったと聞きました。
いまの「おらがジャム」があるのは、
サンクゼールのみなさんが
最初におもしろがってくれたところも
大きい気がしています。

長野にあるサンクゼールさんのジャム工場。
丘の上にある、緑いっぱいの気持ちのいい場所で
「おらがジャム」は作られています。

糸井
そういう背景を持つものだから、
普通に売ってる商品と
ちょっと違うんですよね。
──
とはいえまあ、どうしても量としては、
そんなに多く作れないのですが。
糸井
原料にも限りがあるし、手間もかかるからなあ。
だから今のところ
「食べてくれた人は家族です」
ってくらい、このジャムは狭いよね(笑)。
──
はい、ご近所のおすそわけみたいな(笑)。
すこし話は変わりますが、
糸井さん自身は「おらがジャム・あんず」を
どんなふうに食べるのが好きですか?
糸井
ぼくはこういうときに、
そんなにいろいろ食べ方のバリエーションを
紹介するつもりはないんです。
普通にバターかチーズと一緒に
トーストにのせるのが好きですね。
──
ジャムバタートーストか、
ジャムチーズトースト。

ジャムバタートースト。

ジャムチーズトースト。
(こちらは昨年ご紹介した山田英季さんのレシピ
ハム入りのもの。満足感たっぷり)

糸井
あと、食べ方というとちょっと違うけど、
今日みたいに
「おいしいパン買ってきたよ」というときに
「ジャムあるよ?」「わぁ、いただきます」
というシチュエーションで食べるのも
好きですね。
──
たしかにおいしいパンを買ってきたときに、
このジャムが冷蔵庫にあるのは
嬉しいですね。
やっぱりおいしいパンって、
おいしい方法で食べたいから。
糸井
で、あえて正直に、
おすすめしない食べ方を言うと‥‥。
──
え? そんなのもありますか。
糸井
あのね、ヨーグルトはおすすめしない。
高くつきすぎる(笑)。
おいしいのはわかってるんだけど。
──
あぁ(笑)、確かに一気になくなりますね。
糸井
このジャムが一気になくなっちゃうのは
さみしいじゃない?
だからケチな話ですけど、
ぼくはヨーグルトを食べるときには、
ベースにはちみつを入れて、
このジャムは最後にトッピングとして
ちょっとだけ使うんです。
──
なんだかちょっと、ショートケーキの
いちごみたいですね。
最後に華やかにしてくれる存在というか。
糸井
お神輿(みこし)のてっぺんに
鳳凰(ほうおう)の像があるみたいにね。
上にのせることで、
全体がそのイメージになるんです。
そういう存在としては
うちの「おらがジャム」はもう女王様ですよ。
──
華やかな気分になりますね。
色もきれいだし。
糸井
あと、チョコレートが好きな人は、
板チョコにこのあんずジャムを
ちょびっとのせるんだよね。
これもおいしいよ。
──
おいしそうー!
糸井
あと意外とぼくは、これを
パン・オ・レザン(レーズンパン)に
のせるのも好きなんです。
レーズンの甘さに加えて、
ちょっとこのあんずジャムをのせると、
うまいよね。too muchだけど。
──
甘いパンにのせるもいいですね。
糸井
あと、アイスクリームも当然ね。
紹介しないとか言っときながら、
どんどん出てくるな(笑)。
今、あんずでばっかり想像してるけど、
いちごも当然おいしい。

バニラアイスクリームに「おらがジャム・いちご」。

──
今回発売するのはあんずですが、
「おらがジャム」は、
いちごもおいしいんですよね。
粒がごろごろしてて。
糸井
うん、あんまり言うとアレだけど、
うちのジャム、ジャム同士で食べ比べたら、
負ける気がしないんだけどな。
いつも社員のみんなには
「おおげさに書いちゃいけない」
って言ってるけど、
個人的には俺、このジャムについては
本当にそう思ってるから(笑)。
──
この感じのジャムは
なかなかない気がしますね。
ここまでいちごがごろっとしてたり、
ここまでフレッシュな
あんずの感じがあるとか。
糸井
うん、本当にいちごだし、
本当にあんずだからね。

こんどはトーストにいちごジャムをのせて、味見。

──
見方によってはすごく素朴というか。
糸井
そうそう、「本気めんどくさ仕込み」ではあるけど、
本当に素朴に作ってるものだからね。
パッと目を引くものもたのしいし、
おもしろいけど、
「ずっと付き合うのはコメの飯(めし)」
っていうか。
ただ、「素朴だから許して」みたいなつもりは、
全然ないよね(がぶりと食べる)。
──
そうですね。
糸井
このジャムは、いちごやあんずそのものは
素朴なのに、
大きな風を起こすような
(また手にとって食べる)
……う~~~ん、
変える必要、なんにもないよね。
──
はい(笑)。
糸井
もうひとつ言わせてもらえば、
「おらがジャム」は毎年少しずつ
仕上がりが違うところもポイントですね。
──
そうですね、糖度などの数値を
仕上がりの目安にしていないので、
毎年ちょっとずつ味わいが違います。
糸井
サラッとした感じのときとね、
コクっとした感じのときとがある。
家で煮たのと同じだから、ばらつくんだよ。
ことしはコクっとしてる。
──
はい、ことしは実残りもしっかりしてて、
とろみが強めですl。

「おらがジャム・あんず」は一般的なジャムと
比べるとさらっとしたタイプですが、
ことしのものは若干とろみが強めです。

糸井
(食べ続けながら)
‥‥うん、いい感じね。
なんか、大当たりな気がするね、ことしね。
毎年思うことではあるんだけど、
ぜひみんなに食べてほしい。
──
やっぱり食べものだから
「まずは食べてみてもらえたら」
とすごく思うんです。
そしたらおいしさが伝わるので。
試食とかができたらいいんですけど。
糸井
だけどこのジャム、
レシピは出してるわけだし、
みんなそれぞれ自分で作ってみるのも
いいと思いますよ。
気分転換にもなるし。

ほぼ日のキッチンでジャムを煮る糸井。
(糸井は煮るとき、いつも土鍋をつかいます)

──
たしかにそうですね。
レシピを貼っておきます。

自分で作ってみる? 「おらがジャム・いちご」
自分で作ってみる? 「おらがジャム・あんず」
糸井
で、やってみて
「いつもいつもこれをやってくの、
たいへんだな」と思ったら、
買ってもらえばいいわけだし。
実際作ってみてもらえば、
サンクゼールのみなさんが
毎年作ってくれているありがたさも
伝わると思うし。
──
そうですね、みなさん、ほんとうに
いつもたくさんの量を
ていねいに仕込んでくださっているので。
糸井
「おらがジャム・あんず」は
ことしはいつ発売ですか?
──
この前すべて煮上がりまして、
8月28日スタートです。
糸井
いいね。もうすぐだ。
──
そうなんです。もう少ししたら
届くと思うので、
糸井さんの部屋にも置いておきますね。
糸井
はい、たのしみにしてます。
よろしくね。

‥‥と、いうわけで。

あんず自体のおいしさがぎゅっと詰まった、
本気めんどくさ仕込みのさわやかなジャム
「おらがジャム・あんず」。
2018年のものが、ついに完成しました。
コクっとしたおいしさのことしのものは、
8月28日(火)販売スタート!
自分用のとびきりのジャムとしても、
大事なかたへのちょっとした手みやげとしても、
おすすめのジャムです。
どうぞ、おためしくださいね。