おっきくて、中身もみっちみち。
なのに絶妙。ぺろりといける。

マンガで「肉といえばこのかたち」ってあるじゃないですか。
「ギャートルズ」とかで食べてる、骨つき肉とか。
あれと同じように、私にとって
シュークリームといえば「ウエスト」なんです。
「シュークリーム食べたい！」ってなったら、
それはもう「ウエストが食べたい！」ってことなんです。

だからウエストのシュークリームを食べるときって、
脳内のシュークリームが目の前に出現するので、
ちょっと夢の中みたいな気分になれるんですよね。

それでまあ、何から話していいか
わからないくらい素敵なんですけど。

めちゃくちゃおっきいんですよ。
小娘にはまあ、とうてい食べられない大きさ。
だから、私を含めた全国の小娘のみなさんは、
ひと目見て「おわーっ」ってなって、
「あ、これちょっと半分こする？」
「うん、半分でいい。私もー」ってなると思いますけど、
いやいや、食べてみてください。食べられるんですよ。

おっきい上に、中のカスタードクリームが、
本当に隙間なく詰まっているんです。
「こんなに食べて大丈夫かな？」ってぐらいみっちみち。
ですけどなぜか、１個ぺろりといける。
たぶん秘密があるんですよ。
カスタードクリームが普通じゃないと思う。
ちゃんと重さもあるけど、あっさりしてる。
絶妙な感じで、さすがなんですね。

あと「ウエスト」の皮は、ちょっとやわらかめ。
やわやわ、ふわふわしてて、そこがおいしいですね。
昭和時代に子どもだった人たちは
みんな食べてた皮だと思います。

えっ、たとえるなら？　
いい感じの……いい感じの美人。
飽きないし、うるさくないし、
しつこくないけど、めっちゃ美人。

おみやげにもおすすめで、6人とかで集まるなら
ちゃんと６個買って、全員が１個ずつ食べてほしい。
食べごたえ十分だし、盛り上がるし。
とにかくマンガの中みたいな気持ちになれます。

それからこのシュークリームは、
キャッキャッキャッキャッとした人が合うと思います。
おいしいものがあるとパチパチ拍手して
「わーっ！」ってなる人たちだと、本当に盛り上がる。
しかも手で食べられるじゃないですか。
おにぎりみたいでしょ？

私はありがたいことに、おみやげでいただくことが
多いんですけど、
ウエストのシュークリームはなんだかいつも
「この人、なんかいい！」っていう、
シュークリームの化身のようないい感じの美人が
持ってきてくださるんですよ。
だから私も
「よし、気合い入れて手土産持って行くぞ！」
みたいなときに
真似して買ったりしています。

ただ、買える店舗が限られてるんですよね。
生菓子を扱ってる店舗のみ。
だから有名だけど、じつは食べたことがない人、
多いかもしれないなと思います。
ぜひ一度、食べてみていただけたらと思うんですけど。

お店によっては喫茶もあって、このあいだね、
銀座のお店に食べに行ったんですよ。
そのときはひとりだったので、あんまり
「わーっ」って興奮しても恥ずかしいから、
フォークとナイフで食べました（笑）。
友達と行くなら、手でつかんで
お召し上がりになってもいいかもしれません。

ほかのお店のシュークリームも個性派ぞろいで素敵ですけど、
ウエストのは王道でなおかつ繊細なんです。
大胆な大きさなのに、めちゃくちゃ気を使われてる。
もう、すごく気分が上がりますよ。

このようにいい感じの正統派って、
存在があたりまえのようでもあるから、
食べたことのある方も、記憶から消えているかもしれない。
ぜひ、もう１回思い出してみてください。
ほんとに絶妙、すばらしいシュークリームですよ。