オレンジを剥いて、
オレンジの実を食べてる気分。

2023年の「生活のたのしみ展」に出てくださった
パン屋の中村食糧さん（現：しかたらむかな）の
店主・中村さんとお話をするなかで、
「コンフィチュール・マサコさんのジャムが
すごくおいしいですよ」と教えてもらったんです。

北海道にいらっしゃるマサコさんという方が、
フランス仕込みのジャムを
国産の旬のくだものをつかって、
つくり続けていらっしゃるらしくて。

何種類か買わせてもらったら、どれも、ほんとにおいしくて。
北海道の素材を使ったものとか、スパイス入りのものとか、
いろいろあるんですけど、なかでもわたしは
この清見オレンジのジャムがいちばん好きで。
北海道からわざわざ送料かけても買いたくなる
ジャムだなと思ったんですよ。
おいし過ぎるので、私と同じくパン好きの
うちの姉へも送ったら、
すごくおいしかったと言って、
嬉しそうにおしえてくれました。

何がいいかって、めちゃめちゃフレッシュなんです。
オレンジが皮まで丸ごと入ってるんですけど、
いやな苦みもないし、全部おいしい。
「ジャムのまんまで食べたい！」みたいな。

さらっとした水分値高めのジャムで、
まさに「コンフィチュール」ですよね。
フルーツソースっぽい印象もあります。
だけど味はしっかり凝縮されていて、
かつ、実がぎっしり。
薄くスライスした清見オレンジが入ってるんですけど、
オレンジがぎゅっと詰まってて、
開けた瞬間にもうキラキラしてるんです。

不思議なのが、果物と砂糖だけで作られた
シンプルなジャムなのに、
どこかおしゃれな味がするんですよね。
ちょっとリッチな、食べたことのない味わい。

マーマレードジャムってよく
ピール感が特徴的で苦味が目立つものも
あったりするんですが、
これはほんのりとした苦味で、
私にはちょうどよく、
ほんとにもう「清見オレンジ！」って感じの味。
こう言ったら変ですけど、
オレンジを剥いて、オレンジの実を食べてる感じ。
糖度の高いオレンジをそのまま食べてる気分。
甘さもくどくないし、ストレートに
「あっ、オレンジ！」を感じられるなっていう。

食べ方はシンプルに、トーストかヨーグルトですね。

私、夕食のあとは絶対デザートを食べたくて、
なにかしら甘いものを必ず食べるんです。
でもたまに、家になにもないときが
あるじゃないですか。
買ってなかったとか、家族に食べられてたとか。
そのときにマサコさんのジャムを
ヨーグルトにかけてみたら、とってもおいしくて。
すごく“品のいい”デザートになるんです。

実ははじめ、いいジャムだからと思って、
いいヨーグルトを買っちゃったんです。
そしたらちょっと合わなくて。
むしろ、ザ・普通のプレーンなもののほうが、
このジャムのおいしさを存分に味わえるなと。

だからパンも、ノーマルなパンドミとか、
シンプルな食パンのほうが合う気がしますね。

そういう、なんの変哲もないものを、
一体感ですごくよくしてくれるジャム。
ぜひ、ちょっと穏やかな感じのものと合わせて、
食べてみていただけたら嬉しいです。

ちなみにマサコさんのつくるジャムは、
くだものの旬にあわせて
毎月ラインナップが異なるんです。
この、清見オレンジをつかったジャムは
国産オレンジの季節、春のみの販売です。
年に一度しか味わえないジャム！
それもすごく貴重で、
毎年、４月、５月ごろかな‥‥
ひそかにたのしみにしています。