塩味がつよめで、香ばしさの奥に
やや「にが・あま」な印象があります。
の複雑な要素が、食べていくうちに
「じんわりおいしさとなって出てくるね」と評判に。
シャクシャク噛みきれる歯ごたえもうれしい個性です。
じつはこの海苔、二度行なった試食選考会の
最後の最後に、林屋海苔店の相沢さんが、
「じつは、こんな海苔もあるんですよ」
と、そっと出してきた隠し球!
これはたしかに海大臣らしい海苔だねと、
全員一致で採用になりました。
素直においしい海苔、なのですけれど、
これを細巻にしてみたら、わぁ、とろける!
いろいろな料理に、お使いください。
「秋芽の一番摘み」という
海苔の世界で使われる言葉があります。
お茶で言えば「新茶」に近いのかもしれません。
秋口に芽を出した海苔の苗を、そのまま海で育て、
収穫までもっていくのですが、
いわゆる「最上級のおいしい海苔」は、
その芽を冷凍して(冷凍睡眠状態で!)とっておき、
海がうんと冷たくなった頃に戻してやり、
ゆたかな海であらためて育てる、という過程をふみます。
それに比べると「秋芽の一番摘み」は
まだややあたたかな海況ゆえ、
味がものたりないことがあるのですけれど、
ことしはちがいました。
冷え込みがよかったせいでしょう、
やわらかく、弾力があり、歯切がいい。
口どけの軽さとまろやかな味が両立する、
いい海苔が採れました。
「最高にやわらかい!」
秋芽の一番摘みならではこの個性、
巻きものにもよさそうですよ。
「海大臣」に選ばれる海苔は、
味にパンチがある「ますらお」系と
ふんわりつつまれるような
「たおやめ」系があるねと、
選考会でよくそんな話題になります。
ではこの海苔はどちらなのかというと、
‥‥うーん、むずかしい!
食べごたえは「ザクザク・パリパリ」ですから、
濃い味の海苔だろうな、と想像していると、
噛むほどに口にひろがるのは、
やさしい海の香りと、うれしいあまさ。
つまり、「ますらお系」の食感と
「たおやめ系」の味、ふたつの個性を合わせ持った、
バランスのよい海苔だと言えます。
そしてこの海苔、独特の品のよさがあります。
その個性が、今回の海大臣のなかで際立っています。
とびぬけた個性を競い合うような
「海大臣」のなかで、
この海苔のもつ「おだやかさ」もまた、
そのとくべつな個性のひとつです。
手に取ったときのやわらかさ、しなやかさ。
口に入れると、ふわりと海の風が香るようです。
味の印象は「さっぱり」しているのですけれど、
噛めば噛むほど、
しみじみ「うまいなあ」と言いたくなるのです。
この「前に出ないが、うまい」という個性は、
たきたてのごはんや酢めしと合わせたときに、
より力を発揮します。
ふしぎなくらい「海苔の持つふかみ」を
味わわせてくれる海苔なのです。
つよいミネラル感と、魚卵に似たうまみ、
そして最後に残るのは、ほのかなにがみ。
今回の海大臣のなかで、
いちばん「個性的」な海苔がこれでしょう。
食べごたえは「ザクザク」。
厚みがあるのに、しなやかさもあって、
口どけがとてもいい。
そのまま食べたときには驚くこの個性ですが、
料理に使うと、その力をより見せてくれます。
たとえば「鉄火」に合わせたときの
うまさ、バランスのよさといったら!
海のミネラルをぎゅっと閉じこめたような
味わいだけに、
強めの海の食材との相性がいいのですね。
‥‥と思って酢めしだけを巻いてみたら、
これはこれで「あっ! うまい‥‥」という声。
「ちょっとクセになりそうだなあ」
そんな評もありましたよ。
「緑茶のような味がしませんか?」
試食選考会で2人がほぼ同時に言いました。
たしかに。
上等で鮮度のいい煎茶のもつうまみに近い味が、
ほんのすこし、この海苔の中に含まれています。
また、にがみから入り、
徐々にあまみに変化していく、
その印象もまた緑茶的です。
「うまいなあ。しみじみうまい」
「これは、おもちやごはんに合いますね」
と声があがりました。
ごはんの味も、しょうゆの味もそこなわずに、
でもしっかり海苔らしさを主張しながら、
やさしい味にまとまります。
「海藻」の味は「うまみ」であると、
フランスやスペイン、イタリアなどの
先端の料理の世界では、
このごろ評価が高まっているのだとか。
(私たち、そのおいしさ、
ずっと前から知ってますよね!)
この海苔を食べたら、きっと彼の地の料理人たちも、
おおこれはまさしく海藻だと
おどろくのではないでしょうか。
最初はうす味だと感じるのですけれど、
そのうちに香りと味、どちらもがきわだってきます。
カリッとした歯ごたえ、
食べごたえも「おいしさ」の要素。
そして後半には、あまみ、そしてほのかなにがみ。
海藻ならではの風味が残ります。
塩味は「ほどほど」ですから、
ごま塩やしょうゆなどと
合わせるのも、おすすめです。
噛むとカリッ、バリッ! と気持ちのいい音が。
海大臣らしい、真っ正直な食べごたえの海苔です。
厚みのある海苔のイメージそのままに、
塩味という特徴を強く感じさせる」「濃い」味。
試食選考会で半数のひとが
「塩分が濃いめで、そこがいい」と評しました。
こういう「ますらお系」の海苔って、
その印象がすべて、となるものが多いのですが、
この海苔は食べ進むと、塩味以外のうまみが
じわっと出てきます。
あまみが強すぎませんから、
キリッとした上品な印象も。
強さだけじゃない複雑さゆえに、
「まるで、味を問いかけてくるようだ」
という評もありました。
「ぶさいくだなあ!」
って、ひどい言い方ですよね。
たしかに小穴が多く、でこぼこしていて、
正直なところ見た目はよくない。
でも、いいんですよ、
海大臣は「味」で選ぶ海苔!
食味審査をせずに見た目だけで選ばれる
一般的な高級海苔とはちがうんです。
この海苔、まずあまみがいい。
味がたっぷり、香りもよし。
塩味もつよめですから、
「まずはそのまま食べてみてください」と言いたい
海大臣としては、最高のバランスなんです。
食感は、最初のパリッと感から、
やわらかく口の中でとろけるところもいい。
ぶさいくだなんて言って申し訳なかった、
「海大臣らしさ」をお求めのかたは、ぜひこちらを。
「焼き立ての、おせんべいみたいだ!」
そんな評判をとったこの海苔、
たしかに食感がザクザク、パリパリ、
となりにいると噛む音がはっきり聞こえそうな、
そんな厚みとハリがあるんです。
でも、歯ごたえだけじゃありません。
口のなかでやさしいあまみと香ばしさがひろがって、
だんだん、ねっとり、とけていく感じは、
ほかの海苔とは、またちがう個性です。
最後にほんのり残る苦みは、
「さわやか」な後味として印象にのこります。
そのままおつまみとして
食べてもおいしいのですけれど、
ごはんとの相性がまた、いいんですよ。
おいしいけれど、ちょっとクセが強い。
そんな海大臣候補の海苔を、
あえて「しお」加工しました。
もととなった海苔は、シャクシャク歯切れがよく、
口の中の感覚は、とてもこまやか。
グレープフルーツのようなにがみがあって、
海のミネラルの、とくに鉄分を感じる味でもあり、
「うまさが続く、なかなかの実力派」でした。
そんな個性ゆえ、
「そのまま海大臣として出すべきじゃないか」
と、試食選考会で議論になりました。
この海苔、梅干しやしょうゆに合わせると、
強いクセだと思っていた部分がうまく中和されることから、
思い切って「しお」加工をすることに。
結果は大成功!
いつもの年とはちがう、
個性のつよい「しお」ができました。
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