お医者さんに聞く、
「お腹をあっためることは、
 医学的にも、とってもいいことなんです。」


鈴木国興先生
医学博士・産婦人科医。
鈴木クリニック」院長。

お話をお聞きしましたのは、
医学博士で産婦人科医の鈴木国興先生です。
ハラマキでおなかをあたためるということが、
医学的な観点からみても、どれくらい大切なことなのか、
お話してくださいました。


お腹をあたためる=内臓をあたためる!

「お腹をあたためる」ということは、
すなわち、「内臓をあたためる」ということなんです。
内臓をあたためると、血液の循環がよくなって、
いろんなところの内臓の働きがよくなる。
それはつまり、病気になりにくいということです。
ですので、内臓のまわり、とくに、お腹のまわりは、
一年中、絶対に冷やしてはいけないのです。

私たちが、日々、調子の良い状態でいられるのは、
いい食べものを食べて、いい消化吸収をして、
いい代謝・循環をしているからです。
でも、ついつい体を冷やしてしまい、
体温を下げてしまうと、
その結果、代謝を悪くして、体調をくずしてしまう。
そのときに、お腹をあたためていれば、
体全体の体温を守ることができて、
体調を整えられるんです。
そういう意味で、ハラマキは、
とってもいいものだと思います。
古くから言われる、
『あたためるのは、万病予防』という言葉を、
迷信のように思っている人もいますが、
『お腹をあたためることは、体にとって、
 ものすごく、大切』といったことは、
明らかに医学的にも、証明されていることです。


おなかをあたためると、皮下脂肪がつきにくい。

お腹が冷えると、寒さを防御するために、
お腹のまわりに脂肪がつきやすくなるんですよ。
寒いところの動物も、
皮下脂肪がたくさんついている動物が多いでしょう。
反対に、お腹をあたためると、
お腹のまわりの皮下脂肪がつきにくくなるのです。

体が冷えていると、代謝がうまくいかず、
体調が悪くなりますよね。
体調が悪いと、人は食べたいものばかりを
食べるようになりがちです。
そうすると、栄養が偏ってしまい、
結果、カロリー摂取量も高くなりやすい、
という悪循環に陥るわけです。
反対に、代謝がよいときは、
栄養バランスの取れた食事をとれるんです。
だから、代謝がよくて体調がよいときは、
実はそんなには、太らないんですよ。
この代謝のよしあしは、お腹をあたためることと、
とても密接に関わっているわけです。

また、これは、女性の方にとっては
とくに気になることだと思いますが、
お腹をあたためると、代謝がよくなるので、
お肌もきれいになるんですよ。

(ほぼ日)
お腹をあたためることが、
体調維持にも大切なだけでなく、美容にもいいんですね!!
さらに、産婦人科医の鈴木先生ならではの、
妊婦の方にとってのハラマキの大切さについても、
お話くださいました。



健康な赤ちゃんを生みたかったら、
健康なお母さんになってください。

妊婦さんは、よく風邪を引きます。
その原因のほとんどが、
妊娠しているため体力が落ちているにもかかわらず、
妊娠していないときと同じような生活をしてしまい、
体調をくずしてしまうということです。

妊婦さんは、抵抗力が非常に落ちていますので、
体調をくずしやく、自律神経をくずしやすくなっています。
ですので、その時期にハラマキを巻いて、
お腹をしっかり守って、
できるかぎり、体調管理をしなければいけません。
僕が妊婦さんに思うのは、
健康な赤ちゃんを生みたかったら、
健康なお母さんになってください、ということです。
健康なお母さんは、
代謝をよくする環境をつくらないといけない。
そのためには、お腹を冷やしてはいけないんです。
お母さんが寒がっていたら、
当然、赤ちゃんも寒いんですよ。

余談ですが、さきほど、お腹をあたためると、
内臓の働きが活発化すると言いましたが、
たとえば、お腹をあたためることによって、
卵巣の働きが活発になって、
妊娠しやすくなるといった事例もあるんですよ。

(ほぼ日)
最後に、鈴木先生から、
こんなお言葉もいただきました!



日常生活のちょっとした気づかいや工夫が、
体調維持には、とても大切なことです。

私が、なぜ「ハラマキは大切です」と言うのかと言いますと、
結局、「病気にならない」ためには、日常生活の中で、
「調子が悪い」という時間を
できるかぎり持たないようにする、ということが、
とても大切だからです。
お医者さんのところに来るときは、
もう、「病気」の状態で来るわけでして、
そうなる前に、日常生活の衣服や食べものなどで、
本当にちょっとした気づかいや工夫をすることで、
こわさなくていい体は、やまほどあります。
だから、ハラマキでお腹をあたためるということは、
とても、いいことなんですよ、と言いたいです。
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