編み手さん紹介 こんな方々が編んでくれます。

気仙沼ニッティングの商品は、
気仙沼にお住まいの編み手の方々が
一着ずつ、手編みをしています。

編み手の方々には、
それぞれに、それぞれの、
編んできた歴史があり、編み方のくせがあり、
震災の記憶があり、家族があります。

気仙沼ニッティングでは、お客さまと編み手の方が、
単に「注文した人」と「編む人」
という役割だけの関係でつながるのではなく、
人と人としてお付き合いできるように
おつなぎできるといいなぁと思っています。

じゅんこさん

きっと若いころは文学少女だったのだろうなぁと思わせる、
落ち着いていてユーモアにあふれたじゅんこさんは、
震災前は気仙沼で人気のおもち屋さんをされていました。
また、ルーマニアンレースの先生もされていて、
完成に1年以上かかる作品などをつくられていたとか。
そんな繊細なレース編みをされていた
じゅんこさんが編むカーディガンは、
目がきれいで全体のバランスがよく、
ほっこりしていて、柄もカリッと浮かび上がるようです。

いまは仮設のご自宅で
ときどきルーマニアンレースも編みながら、
カーディガンを編んでくださっています。



ゆりこさん

ふんわりにこにこ、ゆりこさんは震災前まで、
フラワーアレンジメントの先生をしていらっしゃいました。
お嬢さんに手袋を編んだり、
お孫さんにアランのセーターを編んだりと、
いつも大切なご家族のために
編みものをしてきたゆりこさんの編むものは、
あたたかくふんわりしていて、
一枚一枚に表情のある、やさしい仕上がりです。
込められた心がしずかに伝わってくる、
きっとそんなカーディガンになると思います。

ゆりこさんはご自宅とフラワーアレンジメントのお教室を
津波で流されてしましました。
いまは定例のレッスンはありませんが、
クリスマスのリースづくりなど、
季節ごとに小さなスポットレッスンをされています。
にっこりふんわり心優しいゆりこさん。
気仙沼の編み手のみなさんのムードメーカーでもあります。
カーディガンを編んでいただくばかりでなく、
季節のお手紙を交換できるようなお友だちができる、
そんなうれしさも生まれそう。



えみこさん

気仙沼のおしゃれマダムが通うブティックの店主、
えみこさん。
いつもにこにこ、笑顔がチャーミングな女性です。
えみこさんのお店、実は昔は毛糸屋さんでした。
お客さんのために、えみこさんは夜な夜な、
おしゅうとめさんとセーターを編んでいたそうです。
寒い東北の冬をあたたかく越せるように、
えりを厚くするなど
「気仙沼仕様」で編むことも多かったのだとか。
そんなえみこさんは、ブティックの店主だけあって、
デザインへの配慮もばっちり。
サイズを調整してもデザインがきれいに保たれる工夫など、
えみこさんのカーディガンには
たくさんの細かい心配りが見られます。

いまは店番とおしゅうとめさんの介護をしながら
編みものをされているえみこさんですので、
お忙しいときは完成にすこし時間がかかるかもしれません。
それでも、心配りあふれる
えみこさんのカーディガンがほしいという方は、ぜひ。
気仙沼にいらしたときには、
えみこさんのお店に立ち寄る楽しみもできますよ。


かなえさん

旦那さまと6歳になるポメラニアンの「こころ」くんと
まったり暮らしているという、ドリカム好きのかなえさん。
小学生のころから編みものが大好きだったそうです。
かなえさんは以前、
気仙沼にあった毛糸屋さんで働かれていて、
糸を買いにいらしたお客さんに編みものを教えたり、
注文を受けてセーターなどを編むお仕事をされていました。
お客さんの中には、気仙沼の漁師さんなどもいらして、
北の海でも大丈夫なセーターを編まれたそうです。
プロとして編んでいたかなえさんですので、
ぴったりのサイズのカーディガンを編む腕には覚えあり。

そんなかなえさんは震災後、
「やっぱり私は編みものをしているときが、
 いちばん落ち着くんだ」
と気づき、
編みものが気持ちの支えにもなっているそうです。
ただ、かなえさんは喘息をお持ちで、
発作が出ると数か月入院されてしまうこともあるそうです。
お元気でいらっしゃることを願うばかりなのですが、
もし万が一喘息の発作が出てしまった場合、
カーディガンのお届けが遅くなる可能性もあること、
どうかご了承ください。

えりこさん

えりこさんは、気仙沼で人気の
コーヒー屋さんの看板娘です。
編みものが好きだったお母さんの影響で
小学生のときに編みものをはじめ、
高校生のときには当時付き合っていた彼氏に
セーターを編んでプレゼントしたのだそうです。
(ちなみに、その彼氏がいまのだんなさんなのだとか‥‥)
えりこさんは「正しく編む」だけでなく
「美しく編む」ということを、とても心がけています。
途中まで編んだものを一歩引いて眺めてみて、
きれいに編めているか、美しいセーターになっているか、
いつも確認しながら編んでいます。
そんなえりこさんの編むエチュードは、仕事が丁寧で、
気遣いにあふれています。
趣味は読書。白洲正子さんの本がお好きだそうです。


りょうこさん

りょうこさんは、震災前は
気仙沼の食品加工会社に勤めていて、
「めかぶ」の味付けを担当されていました。
なんと、めかぶ歴25年。
毎日何トンものめかぶの味付けをし、
全国のスーパーに出荷していたのだそうです。
めかぶ好きの方なら、一度はりょうこさんが味付けした
めかぶを食べたことがあるかも‥‥。
震災で工場が流され、
いまは家事と編み手のお仕事に集中されています。
編みものは二十歳ごろに始めて、
昔はたくさんセーターを編んだのだそうです。
りょうこさんの編むセーターはとても「着やすい」です。
着る人のことがよく考えられている。
編んで着る、編んで着てもらう、
という経験をたくさんされた方なのだなぁ
ということが伝わってきます。

あつこさん

いつも楽しそうでさばさば明るいあつこさんの趣味は、
「落語」と「とらさん」。
落語は高校生のころから聴いていて、
好きな落語家は「柳家小さん」さんだそうです。
いまは知的障がい者の方の通所施設で
就労支援のお仕事をしながら、編み手の仕事もしています。
編みものは、お母さんがやっているのを見て
中学生のころに始め、
当時はマフラーやセーターなどを編んでいたのだそうです。
結婚してからは、
子どもたちのセーターをたくさん編んだのだとか。
思い出のセーターは、丸い地球儀を編み込んだセーター。
からっと明るいあつこさんのセーター、どうぞお楽しみに!


かよこさん

かよこさんは、編み手さんのムードメーカー。
編み会のときも、かよこさんの周りは
いつも笑いに包まれています。
「下手な落語を聴いているより、ずっと面白い」と、
毎週かよこさんの話を楽しみにしている
編み手さんもいるほど。
おおらかで、どんなこともやさしく受け止め
包み込んでくれるような度量のある方です。
いまは3人のお孫さんの子守りもしていて、
編み会にお孫さんをおぶってやってくることも。
編みものは夜ひとりの時間に集中してやっています。
ご家族や友人に頼まれて、
昨冬は、手袋10個と帽子も10個、編んだのだそうです。
そんなかよこさんの編むものには、
家族に編んだもののようなあたたかさがあります。


たかこさん

たかこさんは、だんなさんと娘さんとの3人暮らし。
気仙沼の中でも田んぼがたくさんある
見晴らしのいい場所で、3人仲よく暮らしています。
編みものをはじめたのは20代のころ。
当時は編み方を知らなかったので、
小学生になる子どもを預けて、
毎日編みものの先生のところに通って編み方を教わり、
夢中になってセーターを編んだそうです。
たかこさんの編み方は、
なんというか、謙虚でおごったところがありません。
いつも「これで大丈夫か」「もっときれいに編めないか」
と考えながら、ていねいにていねいに編み進めていきます。
編める枚数は多くはないのですが、
一着一着のセーターに、気遣いがこめられています。


まりえさん

スポーティーな雰囲気をまとったまりえさん。
中高時代はバレー部で、いまも気仙沼で
ソフトバレーの社会人チームで活躍しています。
以前はオフロードバイクにも乗っていて、
20代のころはバイクで北海道旅行などにも
行ったのだそうです。
そんなまりえさんですが、編みもの歴も長く、
初めて編みものをしたのは小学生のころ。
お母さんや叔母さんに教わりながら、
チョッキや手ぶくろなどを編んでいたのだとか。
まりえさんの編むセーターは、
まりえさんのまっすぐな人柄が出ているかのように、
正直で、すっとしていて、
「いい人」な風情がただよいます。
丁寧に編まれている、見ていて気持ちのいいセーターです。


みつこさん

みつこさんは、いつも明るく楽しそうで、
どんな状況も笑いにしてしまうすごい人。
仮設住宅にお住まいですが、
みつこさんの話す「仮設住宅面白ハプニング」の話には、
みんながどっと笑います。
義理のお父さんは遠洋漁業の漁師さんで、
以前船に乗っていたころは漁場につくまでの間船の中で
自分のセーターを編んでいたのだそうです。
編みものをしているみつこさんを見て「俺も昔編んだんだ」
とよく言われたのだとか。
いまは他のお仕事もしながら
編み手もしているみつこさんですが、
仕事で疲れてくると
「早く家に帰って編みものをしたい」と思うのだそうです。
みつこさんの編んだセーターは、どこか楽しげです。
みつこさんのお人柄を表しているみたいです。


みよこさん

みよこさんは、石巻にお住まいの編み手さん。
雨の日も風の日も、
毎週片道2時間かけて気仙沼の事務所まで通っています。
みよこさんが初めて編みものをしたのは、
なんと3才のとき。
中1のときには雑誌「nonno」に載っていた編み図を見て
セーターを編み、それ以来、毎年冬には
必ずセーターを編んできたのだそうです。
そんな筋金入りの編みもの好きの
みよこさんが編むセーターは、どれもとても美しいです。
みよこさんはいつも編みかけのセーターを眺めては、
「うん、模様がきれいに浮きでてる」
「バランスも、いいな」
とその出来栄えを確認しながら編んでいきます。
一着一着愛しさを感じながら編んでいるセーターです。


よしこさん

よしこさんは、
優雅でやさしい雰囲気をまとった編み手さん。
「マダム」という言葉が似合うのですが、
実は、趣味は野菜づくり。
大根・にんじん・白菜など、
季節の野菜はひととおり畑でつくっていて、
はやとうりやズッキーニなど、
食べてみたい野菜は一応全部つくってみるのだそうです。
小さいころから手仕事が好きで、
よしこさん曰く
「外が寒ければ帽子を編む。
 食べたい野菜があれば育ててみる」
よしこさんの趣味は、いつも実益を兼ねているようです。
そんなよしこさんは、丁寧にまじめに、
一着一着のセーターを編んでいきます。
最初の一着を仕上げるのにはずいぶん苦戦もしたのですが、
どんどん上達していくのがよしこさんのすごいところ。
一着一着、心のこもったセーターです。


えみこさん

えみこさんはお名前を「笑子さん」と書きます。
えみこさんのお人柄は、その字にぴったりです。
編み会のときもだれかが話をはじめると
えみこさんはだれよりも楽しそうに
ころころと笑っています。
えみこさんのだんなさんはずっと船に乗られていました。
お仕事柄1年に2度しか気仙沼に戻れなかったため、
だんなさんと年に20日も会わない日々が
ずっと続いていたのだそうです。
今はだんなさんは船のお仕事を終えて
気仙沼にいらっしゃるのですが
「しばらくは、主人がいることに慣れなかった」
とえみこさんは笑います。
気仙沼に帰ってきただんなさんにえみこさんは、
2足のくつしたを編んでプレゼントしました。
そんなえみこさんの編むものは、
いつもふんわりとやさしく、やわらかさがあります。
お人柄が出ているようです。


ゆきさん

ゆきさんは、最若手の編み手さん。
2人の男の子のお母さんです。
たまに編み会にお子さんを連れてきてくださると、
ワイワイにぎやかに楽しくなります。
編みものを始めたきっかけはお母さん。
小学校高学年のときに、
縫うのも編むのも得意だったお母さんに、
編みものの基本を教えてもらったのがはじまりだそうです。
いまでも、お正月に実家に帰った時などは
お母さんと一緒にもくもくと編みものに没頭します。
いまは子育てもあり、家事もあり、
おうちで編みものができる時間は少ないと思うのですが、
編み会ではだれよりも集中して編んでいます。
時間をかけてじっくり編み上げたゆきさんのセーター、
どうぞ楽しみにしていてください。


きょうこさん

いつもからっと明るく、朗らかなきょうこさん。
震災前は海の近くの市場で、
海苔やウニ、わかめや塩辛などの
海産物を販売するご商売をしていました。
震災後、家にいてぼーっとしてしまう時間が増えたため、
昔やっていた編みものを勉強しなおして、
セーターなどを編み始めたそうです。
ある日、きょうこさんのお宅に
毎日お茶を飲みに行っている近所のおじいちゃんが、
気仙沼ニッティングに
「編み手さんにいい人がいるよ。
 編みものが好きで、とても人柄のいい人だよ」
と教えてくれたことが、
きょうこさんと気仙沼ニッティングの出会いでした。
きょうこさんの編むものは、仕事が丁寧です。
目立つところだけでなく、すそやそでの先まできれい。
きょうこさんのセーター、ぜひ、見てみてください。


せつこさん

せつこ・ひでこ姉妹のお姉さん。
編み会のときはいつも
妹さん(ひでこさん)と並んで座り、
楽しくおしゃべりしながら編んでいます。
ひでこさんは高校卒業後から、
ずっと病院の医療事務のお仕事をされていました。
退職して家での時間もたっぷりできたので、
編みものを再開したのだそうです。
編みものは、自分のためというより、
子どもや孫が生まれたときなど
編みたい人がいるときに、編んでいたとのこと。
誰かによろこんでもらえるのが
なによりうれしいのだそうです。
最近ではお孫さんに、
白いベビー服などを編んでいます。
そんなせつこさんの編むものは、
どこか品がよく、お行儀のいい雰囲気です。
ちゃんとした場におでかけするときにも、
せつこさんのセーターは素敵に映えると思います。


ひでこさん

せつこ・ひでこ姉妹の妹さんです。
編み会のときはいつも
お姉さん(せつこさん)と並んで座り、
楽しくおしゃべりしながら編んでいます。
ひでこさんは中高時代は新体操部で、
中学のときは県大会2位までいったそうです。
たしかにひでこさんは、
リボンやボールがにあう華麗さと、
体育会的にものごとに打ち込む姿勢の
両方を兼ね備えていて、
この話にはなんだか納得してしまいます。
昔はおうちで子どもたちのセーターをよく編み、
スーパーマリオを編み込んだセーターが
一番よろこばれたのだとか。
ひでこさんは、エチュードを編む上で一番難しいのは
「模様を美しく浮き立たせる、微妙な手加減」と言います。
それだけ手加減に気を配って編むひでこさんのセーターは、
全体のバランスも、模様編みも、とても美しいです。


かよこさん

いつも穏やかで、にこにこ笑顔のかよこさん。
周りの人も、かよこさんの近くにいると
すっと気持ちが落ち着きます。
かよこさんは、カルトナージュと呼ばれる
フランスの伝統的な手芸の先生もしています。
厚紙でつくった箱に布などを貼って仕上げるもので、
編み手さんの中にはかよこさんに
カルトナージュを習いに行っている人もいます。
そんなかよこさんの編むものは、
どこまでもきれいで、気遣いが感じられます。
どうしてそんなにきれいなんだろうと思ったら、
かよこさんは若いころ、ご家族のみならず、
お姉さんの友人たちなどにも
頼まれてセーターを編んでいたのだそうです。
やはり、人のために編むときは
「きれいに編まなきゃ」と思うものですね。
かよこさんのセーターは、気遣いにあふれています。


ひろえさん

ひろえさんは、石巻から気仙沼まで通われています。
ひろえさんは高校卒業後、
帽子の学校へ行くために上京しました。
京都のアトリエでも帽子づくりの修行をしていたそう。
夏はパナマ帽、冬はフェルトの帽子をつくったのだとか。
なぜ帽子を学んだのかと聞いたところ
「帽子は、それを好きな人が
 興味を持ってくれるものだから」と。
それにひとつの作品を分業をせずに
仕上げられるのも好きだったのだとか。
編み手の仕事にも、通じるものがあるのですね。
そんなひろえさんは、ひと針ひと針、
とてもとても丁寧にセーターを編みます。
一着を仕上げるのに時間はかかるのですが、
ひろえさんの編んだセーターは
丁寧に編んだことが一目でわかるようなセーターです。


みきよさん

みきよさんは、気仙沼の病院で
看護婦さんをされていました。
学校を卒業して3年ほど働いたころ、
みきよさんは放浪の旅に出ました。
看護師の免許を持っていれば
全国どこでも仕事ができたので、
行ってみたいところに行って働いたのだとか。
なぜ旅に出たのかと聞くと
「井の中の蛙にならないように、
 外に出て見たかった」とのこと。
結婚して気仙沼に帰ってきてからも
看護婦の仕事を続けていて、
きっととってもお忙しかったと思うのですが、
子どもに手編みのセーターを着せたくて、
お昼休みや仕事から帰ってから
ひまをみつけては編みものをしたそうです。
「あのときは、たくさん編んだねぇ」とみきよさんは笑います。


あさこさん

あさこさんが初めて編みものをしたのは小学生のとき。
家に毛糸がいっぱいあったので、
それで編みものをしてみたくて、
近所のおばちゃんに教えてもらったのが始まりだそうです。
二十歳を過ぎたころ、
そのとき付き合っていた人に
えんじ色のセーターを編んだものの、
ずいぶん大きくできあがってしまったのだとか。
編みものはもちろんぬいものも好きで、
子どもが小さいときには、ズボンやワンピース、
毛糸の帽子などなんでもつくって着せたのだそうです。
あさこさんに 「エチュードを編むのになにが一番難しいですか」と聞くと
「メリヤス編みをきれいに編むこと」と。
基本を大切にする、あさこさんらしい答えでした。


ゆきえさん

いつもにこにこ、
おっとり笑顔で編みものをしているゆきえさん。
小さなころにお母さんから
編みものを教わったのが始まりです。
最初は表目と裏目を繰り返すだけでしたが、
中学一年生のときに学校でくつしたの編み方を教わりました。
初めて編んだくつしたは黄色とオレンジの混ざり糸。
結婚後は、山に行くのが好きだっただんなさんのために、
たくさんフィッシャーマンズセーターを編みました。
そのセーターは今も穴も開かず虫も喰わずで、
お嬢さんが着ているそうです。
ゆきえさんの趣味はガーデニング。
お庭を見ながら編みものをして、
編みものにつかれてくるとお花の手入れをします。
いつもにこにこ楽しそうに編みものをする
ゆきえさんのセーターは、なんだか優しい雰囲気です。


たかこさん

たかこさんは、だんなさんと山登りに行くのが趣味でした。
金曜日、仕事が終わると
だんなさんと二人でドライブして登山口に行き、
車中泊して明け方から山登りをしたのだそうです。
毎週末どこかしらの山に出かけて行ったので、
東北の山はもうほとんど登ったのだとか。
いまはだんなさんの介護をしながら、
編み手の仕事をしています。
編みものが楽しくてしょうがないというたかこさんは
「ほどくのも、全然おっくうじゃないの」と笑います。
どこかうまくいかないところがあったとき、
たかこさんはさっとほどいて編み直します。
そんなたかこさんの編んだエチュードは、
ほがらかさと潔さの入った、
すっと気持ちのいいセーターです。


みやこさん

ずっと手仕事が大好きだったみやこさんは、
小さなころから冬になるといつも編みものをしていました。
洋裁や編みものを習い、
成人式には自分で仕立てた
スーツとコートを着て参加したのだそうです。
結婚して3人の子どもができてからも、
いつもセーターやチョッキなど
手作りのものを着せていたから、
子どもたちはかえって
既製品の服を珍しがって着たがったのだとか。
震災前は、お仲卸の魚屋さんをされていて、
カツオやサンマ、サケやマスを市場で仕入れて、
市内や岩手県の小売の魚屋さんに卸していました。
最近はだんなさんのセーターも編み始めたものの、
ついついエチュードを編んでしまい、
だんなさんの分はほっぽりがちだそうです…。


くみこさん

くみこさんの編むセーターは、
とてもバランスがよく着やすくて、
身体にしっくりなじみます。
「どうしてこんなセーターが編めるのだろう?」
と思っていたのですが、
くみこさんのお母さんはさらに
編みものがお上手だったそうです。
いつも家族や親せきに頼まれてセーターを編んでいて、
くみこさんから見ても
「やっぱり母は違うな」と思う仕上がりだったとのこと。
くみこさんも一度お母さんのためにセーターを編んだのですが、
「ありがとう」と一回袖を通したあと、
気づけばしゅるるるーとほどかれて、
別のセーターに編み直されていたそうです(笑)
「母にはかなわない」と謙虚に言われるくみこさんですが、
くみこさんのセーター、とっても素敵なんですよ。


えくこさん

高校時代、周りの友人たちが
マフラーなどを編んでいたときに、
えくこさんは「セーターを編みたい」と思い立ちました。
理由は「セーターだったら、編むのに時間がかかっても、
ずっと大切にする気がして」。
赤い毛糸と本を買って編み物の先生のところに行き、
半年ほど通って一着のセーターを編み上げました。
編み目もそろわない、左右非対称なセーターでしたが、
その初めてのセーターはずっと家で着たそうです。
その後もずっと編みものが好きで、
仕事を始めてからも毎月のおこづかいは
ほとんど毛糸代に使っていました。
きれいな編み地で編めるように、
いつも心を落ち着けて編むようにしている
えくこさんのセーターは、すーっときれいな仕上がりです。


かずこさん

かずこさんの趣味は温泉めぐり。
日帰り温泉に出かけて行って、
温泉に入ったり、畳で編みものをしたりして一日を過ごすと、
疲れもすっかりふっ飛ぶのだそうです。
15〜16年も続けているために、
東北の温泉にはすっかり詳しくなりました。
子どもが小さいころ、
よく機械編みでセーターをつくっていましたが、
手編みでセーターを編んだら
「あったかい」と子どもがそればっかり着るようになったので、
手編みに移っていったのだそうです。
いまは孫に服を編むのが楽しみなのだとか。
からっと元気で、お友だちの多いかずこさん。
かずこさんのセーターは、
着ていて明るい気持ちになりそうです。


たきこさん

たきこさんの伯父さんは、北洋船に乗る漁師でした。
漁場に着くまでの時間漁師さんたちは
めいめいに時間をつぶすのですが、
伯父さんはいつもサメの骨を削って編み針を作ってくれました。
航海から戻ると「はい、編み針だよ」と渡してくれて、
子どものころたきこさんは、
その編み針で編みものを覚えました。
実家の周りでは羊を飼っている家が多かったので、
毛糸にも不自由せず、
冬はこたつにもぐって
編みものをするのが大好きだったのだとか。
高校卒業後は東京の百貨店に勤め、毛皮売場にいたそうです。
気仙沼にもどってからは、わかめの仕事をしながら、
毎年家族のためにセーターを編んでいたのだそうです。
たきこさんのお話には、
いつも「さすが気仙沼!」と思ってしまいます。


ともこさん

いつもおしゃれなともこさん。子どものころに、
モンチッチのお洋服をつくりたくて、
お母さんに編みものを教えてもらいました。
高校生のころには、セーターを編んだことも。
洋服が好きだったともこさんは、
仙台で就職して、
ベビー服を売るお仕事をしていたのだそうです。
いまは気仙沼で床屋さんをしているだんなさんと暮らしながら、
ご実家のふとんやさんのお仕事もされています。
おうちに帰ってから、編みものをしたり、
ヨガをしたりするのが楽しみだそうです。


もとこさん

もとこさんは、小さいころから
手づくりのものをつくるのが大好きで、
ビーズやぬいものなどなんでもやっていました。
もとこさん曰く
「そういうところは、父に似たのかもしれない」と。
もとこさんのお父さんは遠洋漁業の漁師さんで、
網を繕うなどの作業をしていたため
手先が器用だったそうです。
船に乗っているあいだに
自身のセーターを編むこともあったのだとか。
もとこさんも、毎年冬になると
セーターやカーディガンを編んでいたそうです。
丁寧に慎重に編んでいくもとこさんのセーターは、
手加減もちょうどよくって着やすい一着です。


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イラスト/木下綾乃