「とってもよい生地に出会えました」
と、大橋さん。
厚みがあるのに、ふんわりと軽いカシミア混。
寒い外気を遮断するだけでなく、
空気をたっぷりふくんで、あたたかさを保ちます。
「ずっと着ていても、肩の凝る感じがないんですよ。
 展示会で着ていただくと、
 これなら疲れないわとおっしゃるかたが、
 おおぜいいらっしゃいました」(大橋さん)

デザインのいちばんの特徴は、
たっぷりとした袖まわりと、身幅です。
袖まわりは二の腕にふっくら余裕をもたせ、
手首に近づくにつれてタイトになってゆく
きれいな曲線をえがいています。
そして、前身ごろと袖を
左右それぞれ一枚で裁っているので、
そでぐりの縫い目がありません。
身幅は、バストでSサイズが166センチ、
Mサイズは174センチもあります。
つまり、肩のかたちや体型を気にせず、
身長で選んでいただいて大丈夫。
このかたちが「a.」の定番です。
もちろん、同じ曲線をもつ
定番のワンピースの上から重ね着をしても、
中の袖がつれたりしません。
セーターやカーディガンなどのニットも、
厚手のものを中に着ても、へっちゃらです。

「オーバーコートって、
 窮屈できちっとしているよりは、
 このくらい、羽織る感じで着たほうが、
 らくですものね」(大橋さん)

釦は、生地と同じ色のくるみ釦が、よっつ。
昨シーズンは、三つ釦でしたが、
防寒性をかんがえて、ひとつ、増やしました。
また、前身ごろの打ち合わせ部分(左右の重なる部分)の
幅を微調整することで、釦を外したときでも、
首に近いところが美しくまとまるようになりました。

フラップつきのポケットは、左右の前身ごろに、
ひとつずつ、斜めについています。
昨シーズンは脇ポケットだったのですが、
「手で探しやすいように、ね」(大橋さん)
ということで、変更。
デザイン的なかわいらしさだけでなく、
切符を入れたりするのにも、便利です。

襟のかたちのかわいさにも注目してください。
前は、みじかめの角襟が、ちょこんと。
後ろからみると、たっぷりと、
大きなカーブをえがいています。
ちなみに、デザインは
「チェック定番コート(黒×白)」と
まったく、おなじです。

色は、絵の世界で「プルシアンブルー」と呼ばれる色を、
さらに落ち着かせたような、深みのある紺色。
「こういう紺色って、ほんとうに、
 なかなかないんです」(大橋さん)

裏地は、袖まで全部に入っていますので、
脱ぎ着をするときに、するりとすべります。
ほんとうに着心地の良い、コートです。