ほぼにちわ。

「ほぼ日エアライン」は、
ほぼ日ハラマキシリーズの第10弾となります。
最初に、「ほぼ日」でハラマキをつくりはじめたのは、
2001年の冬でした。
それから毎年、夏と冬の年2回ずつ
新しいデザインのハラマキをつくってきました。
その間、デザインや素材は変化していきましたが、
5年間、変わらず、
ほぼ日ハラマキの製品づくりを担当してくれているのは、
新潟のハシレトノサマくんチームのみなさんです。
このチームのものづくりのていねいさは、
実際に見てみると、ほんとうに驚きます。
どんなふうにハラマキやブランケットが出来ていくのか、
ぜひ、読者のみなさまにもご紹介したいと思い、
本日は、製作現場に行ってきました!
現在、トノサマくんチームのみなさんは、
「ほぼ日エアライン」7月前半お届け分の
製作真っ只中です。


製造ラインは、生き物です。

トノサマくんチームの工場は、新潟県の栃尾にあります。
栃尾といえば、名物の油あげと、
「名水百選」のひとつ山間を流れる湧き水が有名な町です。


まだ梅雨入り前の栃尾。
この日は、快晴でとってもいいお天気でした〜。

ほぼ日ハラマキは、
トノサマくんのお家のニット工場が中心となって、
栃尾にある小さな工場が
それぞれ専門の工程を分業しながら、
ひとつの大きなチームとして、
力を合わせて1枚1枚つくられています。

糸をつくる工場
  ↓
糸を染めるの工場
  ↓
編む工場=トノサマくんのお家のニット工場
  ↓
洗いの工場
(糸についた薬品を洗い落としたり、
 乾燥の熱で、サイズを合わせたりする)
  ↓
縫製の工場
(生地の脇を縫い合わせてハラマキの形にしたり、
 タグを縫い付けたりする)
  ↓
刺繍の工場
(ワンポイントの刺繍をつける)
  ↓
これらの工程を経て、
ふたたびトノサマくんのニット工場に戻り、
最終チェックへ。

これらの工程にかかわっているのは、
ぜんぶで8つの工場、約40人です。
今回は、その中から、
3つの工場におじゃましてきました!

まずは、できあがった糸を実際に、
ハラマキやブランケットの柄に編んでいく、
トノサマくんのお家のニット工場です。


トノサマくんの工場です。
編み機がずらっと並んでいます。


ほぼ日ハラマキづくりのチームリーダー、
ハシレトノサマくんこと、白倉重樹さん。


社長の白倉宏さん・トノサマくんのお父さん
「ハラマキを巻いてくださるお客さんの感想を
 聞くことができるのが、本当にうれしいんだよ。
 何十年、この仕事をやっていて、
 ハラマキづくりが一番たのしいよ!」


工場長の白倉則明さん・トノサマくんのいとこ
「サンプルづくりから、機械のトラブルまで
 工場に関することは、すべておまかせください!」

現在、トノサマくんの工場では、
糸屋さんからできあがってきた糸を
急ピッチで編んでいます。


1台の編み機で、
ハラマキは1日約45枚のペースで
ブランケットは1日25枚のペースで
生地ができあがります。


その日の温度や湿度に合わせて、
編み機に、編みの密度などの数値を入力します。

編み機に入力する数値は、
機械の置いてある場所や、
朝夕それぞれの温度や湿度の変化にあわせて、
入力する編みの密度の数値も変えるそうです。
機械が置いてある環境の変化を察知して、
調整していくのも工場のみなさんの大事な仕事です。
トノサマくんいわく、
「製造ラインは生き物です。
 気候や時間によって、仕上がりが変わります。
 それをうまく調整するのが、僕たちの役割です。」
だそうですよ。


編み機からあがってきた生地に穴やキズがないか
1枚1枚、しっかり検品していきます。


梅澤静子さん
「どんな商品でも一生懸命、検品しています!」


勝沼トミ子さん
「長年、デザインをドットの編み目におこす部分を
 担当していました。
 この検品に携わるのは、まだ1年目です」


白倉みち代さん・トノサマくんのお母さん
「現場一同、一生懸命つくります。それのみ!」


関根幸子さん・検品隊のホープ
「キズや穴は、見逃しません!
 ママさんバレーのキャプテンもやっています!」

この4人で検品した生地に、
キズや穴が見つかったときに登場するのが
このお方です!


剣持三重子さん・通称「お助けマン」
生地にできたキズや穴を修復します。
「年々、新しい糸が開発されてきて、
 扱いがむずかしい素材もありますが、
 どんなキズもなおせるように日々勉強です」


剣持さんは、この道一筋、20年以上のベテラン。
キズや穴の部分を細かな技術で修復していきます。

こういうキズや穴を丹念になおすのは、
できあがった生地を
できるかぎり無駄にしたくないということの
表れでもあります。
また、キズができてしまったら、
そのキズを直したり、新たに生地をつくり直したり、
その分、つくる時間も手間もかかります。
だったらキズや穴ができないようにどうすればよいのか、
そうやってトノサマくんチームのみなさんは、
日々、研究と改善を重ねているんですよ。


編みあがった生地が、
洗いの工場や縫製工場を経て、
ふたたびトノサマくんの工場に戻ってきます。
そして、キズなどがないか、
目を皿のようにして最終チェックをします。


最終チェックをするのは、このお2人です。
鶴巻睦子さん(左)と落合ふみ江さん。
「私たちも、実際にハラマキを巻いています。
 毎回、新しいデザインをたのしみに待っているんですよ」

トノサマくんの工場をまわっていて気づいたのですが、
若い20代の人たちもけっこういらっしゃるんです。


桑原綾子さん・入社4年目の23歳。
「デザイナーさんから送られてきたデザインを
 実際に編めるように、
 パソコンでドット絵にしています。」


早川友梨さん・入社2ヶ月のフレッシュ22歳。
「入ったばっかりで、まだいろいろ覚え途中ですが、
 毎日たのしいです!」

いまトノサマくんの工場では、
まさに世代交代の時期にさしかかっているそうです。
「50代60代の人たちが引退される前に、
 その人たちが持つ確かな技術を、
 僕らの世代がしっかりと受け継いでいきたいです」
とトノサマくんはおっしゃっていましたよ。


ほぼ日ハラマキの糸は、オーダーメイドです。

トノサマくんのニット工場を出て、
次におじゃましたのは、糸屋さんの本寅工業の
本田宗一郎さんと本田博さんの工場です。

本田宗一郎さん
本田博さん

お顔を見れば一目瞭然、
そうです、お二人はご兄弟なんですよ。
ちなみにお兄さんの宗一郎さんは、
あの「ホンダ」の本田宗一郎さんと
まったくの同姓同名なんですね〜。


「ほぼ日エアライン」の糸を
フル回転で撚っています。

本田兄弟については、
以前も、ご紹介したことがありますが、
糸づくりのスーパーエキスパートなんです。
今回の「ほぼ日エアライン」の糸でいうと、
うすいタオリンやブランケットの糸が、
本田兄弟によるオリジナルの糸です。
一般的な衣類ですと、市販の糸の中から、
イメージに合う糸をえらんできて商品の形にしますが、
ほぼ日ハラマキの糸は、
このハラマキのためにつくられたオリジナルの糸なんです。
毎回、できあがったハラマキをお届けしたあとに、
実際に巻いてくださったみなさまから、
「あともう少し、やわらかいとうれしいなあ」とか
「ちょっと毛玉が出やすいと思う」といった
ご意見をいただきます。
それらのご意見を受けて、
「だったら、糸の撚り具合を調整して、
 もっとやわらかくしてみよう!」
などと改良を重ねて、いまの糸が完成しています。
本田兄弟は、こうおっしゃいます。
「毎回、そのときそのときで、
 ベストの糸を出しているつもりです。
 でも、実際につかってみて、
 何か感じることがありましたら、
 とにかくなんでも教えてください。
 自分たちでそれを参考にして
 もっとよくしていきますので。」


試しにつくってみてお蔵入りになった素材の数々。
毎回、数え切れない数の糸を試作でつくって、
その中から、ベストの糸を商品に採用しています。

ほぼ日ハラマキは、巻き心地のやわらかさ、
吸汗性の高さ、通気性のよさ、直接素肌に巻ける、
などなど、いくつかのハラマキにとって
大切なポイントを充たした、
まさにハラマキのためのオーダーメイドの糸で
つくられています。
よくユーザーの方から、
「市販のハラマキと肌触りや巻き心地が違う!」
という、うれしいメールをいただきますが、
それは、このハラマキのために、
それ専用の糸をオリジナルでつくっているからなんですね!

ほつれにくい、しっかりとしたつくり。

最後におじゃましたのは縫製の工場です。


原洋一さん・縫製工場の社長さん
「ハラマキをたのしみにしてくれている人たちのためにも、
 なるべく早くお届けできるように
 みんなでがんばってますよ」


「ハイビスカスの花」のブランケットの端を縫っています。
ブランケットは、ハラマキにくらべて、
大きさも大きい分、縫うのにも時間がかかります。

「かん止め」という糸のしまつの仕方。
縫い終わりの部分に紙をはさんで紙まで縫ってしまいます。
その紙を引っ張って、
さらに端の部分を折り込んで、その上を縫ってしまうと、
糸がほつれてこないそうですよ。

縫製は、ハラマキづくりの工程の中で一番最後になるので、
どうしても、最後に時間を間に合わせるべく、
とくに負担が大きくなってしまいます。
一般的な商品ですと、さきほどご紹介しました
「かん止め」という糸のしまつのあたりは、
時間がないときは、
まっ先に省かれてしまう工程だそうです。
よくズボンのすその端から出ている糸を
引っ張ったりすると、
糸が全部すーっと抜けてしまうようなことって
ありますよね。
「かん止め」をしないと
そういうことが起こってしまうそうです。
原さんは
「お客さまにご迷惑をおかけするような商品は
 自分のところから出したくないですし、
 うちの子たちにもそれだけはしっかりと伝えています」
と、どんなに製作時間が少なくても、
ていねいな製品づくりは忘れません。

今回、トノサマくんチームの3つの工場を見学してみて、
あらためて思ったのは、
チームワークのすばらしさでした。
ひとつの工場の中だけでなく、
工場どうしが、密に相談し合って、
縫製をしやすいように、編み方をちょっと工夫してみたり、
お互いに助け合いながらひとつの商品をつくっています。
まだまだこれから1ヶ月以上にわたり、
製品づくりがつづきますが、チーム一丸となって
ご注文くださったみなさまによろこんでいただけるような
ハラマキやブランケットをお届けしますので、
どうぞたのしみにしていてくださいね。

トノサマくんチームの
みなさんにメールをください!
トノサマくんチームのみなさんは、
毎回、ハラマキを巻いてくださっている
みなさまからのメールを、
とってもたのしみに読んでいます。
ハラマキ以外の商品では、
自分たちがつくったものが、
どういう人たちに届いているのか、
まったくわからないんだそうです。
ですので、みなさまからのメールを読むのが、
本当にうれしいことなんだそうですよ。
いままで、ほぼ日ハラマキを
買ってくださったことがある方は、
短いメッセージでよいので、
よかったら、ハラマキの感想などをお寄せください。


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